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ミステリ感想-『希望が死んだ夜に』天祢涼

2018年02月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
巡回中の警官が首を吊った女子中学生の遺体を発見。現場から逃げ出そうとした同級生の冬野ネガは殺害を自供するが、動機は黙秘する。
捜査一課の真壁は、生活安全課の女性刑事の仲田とともに捜査を命じられ、冬野ネガが貧困に喘いでいたことを知る。成績優秀で人気者だった被害者と、内気で孤独だった彼女の接点とは?


~感想~
終盤、ミステリとしてはいたって正しいのだが「葬式組曲」のアレのような、ある意味で台無しな展開に吹いた。それを伏線に使うなそれをww 確かに書いてたけども!
ミステリ的にはよくある真相と結末なのだが、それをこの設定と物語で描いてしまうとこんなことになってしまう。察するに余りある、最悪に最悪を重ねたような結末を迎えたあるキャラには、作中人物ながらさすがに同情を禁じ得ない。事件は終わっても関係者の人生は続く。たとえそれがどんなに残酷な結末でも。いやあ、どうなっちゃうんだろうね、この先の人生。

各種ランキングには全く引っ掛からなかったが、おそらく読者の心には何年経とうが何かが確実に引っ掛かるだろう作品である。


18.2.17
評価:★★★★ 8
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