医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

東病院 (富津市)

2016-11-25 23:37:03 | 傍聴記
富津市青堀の東病院に対する医療裁判が午後2時から4時まで行われました。
科目は泌尿器科で院長が本人尋問で出廷しました。
被告人質問が主尋問40分反対尋問40分、その後、原告本人尋問が主尋問20分反対尋問20分でした。
訴えの概要は、被告病院を患者さんが疝痛発作を愁訴として受診したところ既住歴から尿管結石が疑われ、院長が単純レントゲンとCTを撮影したところCTから結石が腎臓に近い上部に3mm程度のものがあり、それを原因として尿が腎臓に溜って著明な拡大が確認、前立腺肥大症の石灰化が示されていました。医師の診断は尿管結石症、治療は結石を自然に膀胱に落下させるということになったようです。結石が落ちるのを待っている間痛いので痛み止めとして鎮痙鎮痛薬のブスコパンを点滴薬として2セット(3時間)を投与することになりました。この投与が最大の争点だったようです。
投与が終わった夜中には、患者さんの結石は下部尿管に落ち痛みは治まりました。
ここまでは、争いのない事実のようなのです。

原告さんは、このブスコパンは前立腺肥大症には禁忌薬であり、慎重に投与すべきところ過剰な投与のせいで尿閉が起きたと主張です。1セット終わったところで尿の出が悪くなったので止めてほしいと看護師に言ったが続けられ、結局、痛みは取れたのですが、2日後に退院するまでに排尿障害が出てしまった。その後他院にて、その病気に対する手術をしましたが前立腺に障害が残ってしまいました。

被告側は、今までの臨床からは前立腺肥大症の事例にもブスコパンの投与は問題なかった。
排尿障害は、ある程度は仕方がない。副作用の説明はきちんとしました。

私が調べたところ尿路結石の疝痛発作に対しては、今日の治療指針(埼玉医大教授)によると、第一選択薬はNSAIDsのボルタレンになっています。

尋問後、4階の別法廷で内田裁判長から民事訴訟法第89条和解の試みがなされたようです。

原告代理人は岩橋進吾弁護士(千葉中央法律事務所)
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