医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

千葉大学医学部生集団強姦事件 第3回 山田被告に懲役5年の求刑

2017-03-28 20:09:41 | 傍聴記
前回に引き続き201号法廷(吉村典晃裁判長)で、集団強姦罪に問われている山田兼輔被告の裁判を傍聴しました。
まず追加書証として、被告弁護士と被害者代理人との被害弁償の合意書と被害弁償の領収書が提出されました。そして検察から被害者の心境と処罰感情の陳述書が提出されて読み上げられました。それによりますと被害者は事件の日から被告人が逮捕されるまで怯えて生きてきました。被告人から謝罪はありませんでした。事件後に会っても何食わぬ顔ですれ違っていました。被告人は自分を姦淫して、その後わいせつな写真を撮って何人かに送りわいせつな行為を促すなど本当に酷いことをしました。被告人質問において、写真を撮ったことについて酔って潰れた人を面白いから撮影したと証言しましたが、実際にはわいせつな写真を撮っていているので言っていることが間違っているうえ、そもそも目的からおかしいのです。本当に反省しているのかと思いました。謝罪についても、被告人質問で事件の翌日に携帯を返して謝罪しようと千葉中央駅で待ち合わせをしたと証言しましたが、そのようなことはなく、逮捕されるまで謝罪はありませんでした。被害弁償を受け取りましたが幾ら支払われても傷が癒えることはなく罪が許されて言い訳はありません。
被告人には厳罰を求めます。

検察官の意見です。
共犯者吉元被告と行った姦淫行為は認めているが、吉元被告の姦淫についての関与と事前の共謀は認めていない、弁護人は被告人の行為は集団強姦には当たる事は認めるものの事前の共謀はなく吉元被告の行為には責任がない主張をしましたが、吉元被告の姦淫行為に続いて同じ女子トイレ内で姦淫している以上、包括一罪として集団強姦罪が成立することは明らかです。犯行態様は卑劣で残虐です、自ら多量の飲酒をさせたうえ、被害者を抗拒不能にさせて吉元被告と共に姦淫しています。犯行後も反省することなく被害者の写真を撮影し送るなどさらに凌辱を加えている、藤坂、増田被告にも姦淫の事実を告げわいせつ行為を促すなど犯行は悪質です。被害者の処罰感情は峻烈であって強姦罪は厳罰に値いします。昨今、大学生等が女性に多量に酒を飲ませて同種の犯罪をするなどの事件を多々耳にしますが、依然としてこの種の犯罪が後を絶たず本件が広く報道されて、この種の犯罪が重大犯罪であって厳罰に処せられるということを被告人の同世代に知らしめることにより、この種の犯罪が抑止されるためにも厳しく罰せられるべきです。求刑ですが被告人を懲役5年に処するのが相当と考えます。

弁護人の意見
執行猶予の判決を求めます。
被告人には吉元被告の先行行為の責任がない、事前の共謀がない。
検察官の主張する集団強姦が包括一罪になる事が、すなわち被告が吉元被告の先行行為まで責任を負う理由にならないと考えています。(平成24年の同時傷害罪の最高裁決定を例に挙げています)
被告人は藤坂被告の乱れた飲み会の雰囲気で飲酒酩酊で正常な判断が困難でした。
トイレの中で吉元被告が被害者にキスしたりわいせつ行為をエスカレートさせるのを見て、唆されて被告人もキスをしたりわいせつ行為をして姦淫までしてしまった。特殊、偶発的で計画性がない犯行です。犯行後には反省して携帯も返して謝罪もしようとしましたが叶いませんでした。罪悪を感じながらも被害者が会いたくないと思い、特に連絡はしませんでした。そしてスケジュール帳には悪いことはしない謙虚さを忘れないなど記しています。逮捕されてからは反省し繰り返し謝罪文を書いています。さらには流されやすい自分を認識して医学部に退学願いをしています。

被告人が裁判長に促されて証言台の前に立ちました。
今回起こした卑劣な行為により被害者の方および被害者のご家族には苦しみや悲しみを与えてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。これからは、被害者の苦しみを一生考え、いつか人の為、社会の為に貢献できるような人間になる為、人間性や人格を磨いていきたいです。申し訳ありませんでした。

以上で結審して、次回が判決公判になります。
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