折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

夜のオブジェ

2018-09-22 | 抒情的金沢

夜の8時を少し回った頃だったと思う。

その日は、本多の森で、あるコンサートを楽しんだのだが、

その余韻と、どこからともなく漂ってくる金木犀の香りに誘われて、

ようやく吹き始めた秋風の中、少し歩いてみることにした。

そして、兼六園横の広坂を下り終えたところ、

夜の暗がりの中に浮かび上がったのがこの風景だった。


Sony α99  Planar F1.4/50㎜ (f/3.2 , 1/60sec , ISO1000) 

 

新幹線開業以来、21世紀美術館の来場者は毎年200万人を超えているのだとか。

この数字、数ある全国の美術館に比べて、多いのか少ないのか、正直なところわからないが、

石川県の人口が100万であることを思うと、多い少ないは別の話として、

ともかくも県民数の倍を超える人が、金沢市内の一美術館に訪れたことは驚きである。

さて、ガラス張りの美術館、日中は人で溢れているのだが、

この時間ともなると、さすがに閑散としている。

もちろん、有料の展示ゾーンはすでに閉鎖されているが、

一部通路はまだ開放されていて、市街地への近道として利用する市民も多い。

それで、館内はまだ煌々と明かりがついているのだが、

その建物としての機能性はさておき、夜の闇をひときわ明るく照らす円形のフォルムを眺めながら、

美術館そのものが巨大な光のオブジェではなかろうか、と感じたのだった。

 


この光景に立ち止った時、ふと、頭をよぎった曲が...


青い影 プロコル・ハルム (A Whiter Shade Of Pale  -  Procol Harum)

洋楽を聴きだした頃の名曲。

その美しいメロディはいまだに色褪せない。

 

 

Comments (12)