「9」のつく日は空倶楽部の日。
朝霧に霞む余呉を見てみたい...。
風景写真ともう少し真剣に向き合えないものかと
いろいろと思いをめぐらした挙句
ふと思い浮かんだのが過去に出会った余呉の風景だった。
余呉には四季折々何度も訪れていて
朝霧の風景に出会ってもいる。
しかし、それは偶然のことであって
もっと意図的に向き合えば、
より感動的な余呉にも出会えるはずだ、と思えてきたのだ。
けれども、よくよく考えてみると
何度も訪れている割には余呉のことをあまり知らない。
車を停めることができる場所の周辺で、安易に写真を撮っているからだ。
それで、その日は余呉湖を歩いて一周。
撮影ポイントを探してみることにした。
いわゆるロケーションハンティングである。
当てがあるわけではない。
冬場に日が昇る方角や時間を想像しながら、
風景の中に置くポイントを探す。
さらには徒歩での移動時間や足場の安全確認など含め、
一周7キロほどの距離を三時間近くかけて歩いてみた。
どんな写真が撮れるか、にわか仕込みのロケハンでは
まだピンとこないことが多かったが、冬場に向けての準備も含め
いろいろと気づきがあったことは収穫だったと思う。
そして、途中ふと気にとまった風景。
Sony α7R3 FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/160sec,ISO100)
鏡湖とも呼ばれる余呉湖だから、
空の映り込みは当然として、あの緑の映り込みはなんだろう...
その不思議な光景に惹かれつつ、さらにまた。
この光景に朝霧が降りてきて、
そこへ昇ったばかりの陽が差し込んだなら...と
まだ見ぬ風景に思いを馳せながら、
澄み渡る湖面に見入ったのだった。