折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

置き去りにできなかった空 By空俱楽部

2022-12-29 | 折にふれて

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


「置き去りにできなかった」と奇妙なタイトルをつけたが、

つまりは蔵出しの写真のこと。

いったんはパソコンに納めたものの、季節感など機会を逃した写真を

これまでも体よく、というか言い訳がましく掲載している。

その常套句が「置き去りにできなかった」なのである。

今回は9月に上京した際、帰路の機中で撮ったものだ。

遠くに富士山が見えているが、おそらくは松本市から北アルプスにかけての上空だと思う。

     2022.09.11  17:29  Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (24㎜  f/5.0,1/2000sec,ISO160)    

 

このところの北陸は雪や雨の日が多く、

何日も太陽を見ないことも多い。

せめて、今年最後の「空倶楽部」くらいはと、

「蔵」の中からおひさまの写真を引っ張り出した次第だ。

 

さて、もうひとつ。

「置き去り」という言葉を使った理由があって

それはこの曲のことを書き留めておきたかったからだ。

 
Late for the Sky   Jackson Browne     

来年の3月にジャクソン・ブラウンが来日する。

そのコンサートに行くことを決めてから

彼のアルバムを聴きまくっている。

ジャクソン・ブラウンとの出会いは高校生の時だったからやがて50年になる。

以来、もっともよく聴いた曲が『レイト・フォー・ザ・スカイ』だった。

男女のこころのすれ違いを歌ったものだが

関係を修復できないまま恋人が去って行った朝の空。

その空がタイトルであり、エンディングの一節となる Late for the sky  である。

その言葉を個人的には「あの空に置き去りにされたまま」と解釈していて、

それはまた、いまだに高校時代の青臭さを思い出させてくれる言葉なのである。

 

 

Late for the sky   By Jackson Browne


The words had all been spoken

And somehow the feeling still wasn’t right

And still continued on through the night tracing our steps from the beginning until they vanished into the air

Trying to understand how our lives had led us there

すべて語りつくしたはずなのに、どう正せばよかったのか、今になってもわからない。

それで僕たちは、 ふたりの足どりがその始まりから、風の中に消えさってしまうまでを、

一晩中たどろうとした。

ふたりの人生がどうしてこんな風になってしまったのかを確かめたくて。

 

Looking hard into your eyes

There was nobody I’d ever known

Such an empty surprise to feel so alone

君の瞳の中をじっと覗き込んでみるけれども

もうそこには僕が知っている人は誰もいない

孤独の感情に空しい驚きすら感じてしまうんだ。

 

Now for me some words come easy

But I know that they don’t mean that much compared with the things

That are said when lovers touch never knew what I loved in you

I don’t know what you loved in me

May be the picture of somebody you were hoping I might be

簡単に言葉を口にすることはできるけど、

愛し合っていた頃に比べると、その言葉は何の意味も持たないことを知っているんだ。

僕が君の中の何を愛したのか、そして君が僕の何を愛したのか、もう知ることはないだろう。

たぶん君は、誰か理想の人を僕に映していたのだと思う。

 

Awake again I can’t pretend

And I know I’m alone

And close to the end of the feeling we’ve known

How long have I been sleeping

How long have I been drifting along through the night

How long have I been dreaming

I could make it right

If I closed my eyes and tried with all my might to be the one you need

また目が覚める。もう自分の心を偽ることはできない。

僕はもうひとりぼっち。

そして、ふたりが共有した感情もすでに終わろうとしている。

どれだけ眠っていたのだろう。

どれだけ孤独な夜を彷徨っていたのだろう。

長い間、夢を見ていただけなのだろうか。

目を閉じて、そして、君が必要とする男になろうと努力すれば、やり直せたのかもしれない。

 

How long have I been running for the morning flight

Through the whispered promises and the changing light of the bed where we both lie

Late for the sky

どれだけ走り続けたなら、あの朝のフライトに間に合っていたのだろう。

ベッドで身をよせながら、朝までささやき合った約束。

あの時の空に僕は置き去りにされたまま。

 

 

 

 

 

 

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Happy holidays

2022-12-24 | 折にふれて

今朝の金沢は雨。

クリスマス寒波も峠を越してくれたよう。

ご心配いただいた皆様にこころより感謝申し上げます。

    KITTE(東京都中央区丸の内)2018.12.15 9:56am   RICOH  GR DIGITAL3 (f1.9 1/50sec  ISO64)

 

ふだん交流いただいているブロガーさんの今朝の記事を眺めていたらクリスマス気分満載。

それで、ついうらやましくなって、「お蔵」からクリスマスらしい写真を引っ張り出してみた。

 

ついでにこの懐かしいビデオクリップも。


 
Live Aid 1985 - Do They Know It's Christmas (Film Camera Source)

1985年。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』のラストシーンもこのライブエイドでの

クイーンのパフォーマンスを再現したもの。

当時、全世界に送られた映像を食いつくように見入ったことを

つい昨日のことのように思い出していた。

 

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旅空にエール!  By空俱楽部

2022-12-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


「景色にも賞味期限があるのだろうか。」

そう思いつつ眺めた天橋立。

それほどにどこか寂しげな風景に思えたのだ。

    
     天橋立(京都府宮津市)Sony α7R3   FE16-350㎜/f2.8 GM 

 

日本で最も有名な景色のひとつだが

平日の、しかもやがて陽が落ちる頃だったこともあるのか

展望台にいる観光客は私達兄妹だけ。

それすら目に入らないように後片付けを急ぐ係員たち。

彼らの姿に急がされるように下りリフトに乗り込んだのだが

その直前に撮った景色がこれだった。

 

SNS、とりわけインスタグラムなどで世界中の景色がスマホを通じて拡散する中、

一方で、かつて人々を魅了した景色が急速に色褪せているような気がする。

そんなことを思いつつ、今回の空倶楽部は

丹後、瀬戸内、四国と回った秋の旅から、いったんはしまい込んだ空写真を

それもちょっぴり感傷的な空を引っ張り出してみた。

その心は「旅空にエール!」

 

    
    天橋立 砂洲(京都府宮津市)Sony α7R3   FE16-350㎜/f2.8 GM 

 

    
    鞆の浦(広島県福山市)Sony α7R3   FE16-350㎜/f2.8 GM 

 

      
    鳴門海峡(徳島県鳴門市)Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2 

 

そして、空といえばこの曲。

折りにふれて当ブログでも取り上げてきた。

 
Jackson Browne – Late for the Sky (Austin City Limits)

そのジャクソン・ブラウンが来年3月に来日する。

年齢から察するに、おそらくはこれが最後の機会かと。

行けるかな、行きたいな。

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琵琶湖日和

2022-12-14 | 近江憧憬

ドラマティックな写真を望むなら

多少荒れた天気、そして朝夕が良い。

そんなことは百も承知でいるのだが

それにもかかわらず、好天というだけで出かけてしまうことがある。

撮影意図などほとんどない。ただただカメラを持って穏やかな休日を過ごしたいだけ。

家人に言わせれば「カメラ中毒」なのだそうだ。

この日にしてもそう。この時期、貴重な晴れ間をめがけて琵琶湖へ向かった。

そんな「ノー天気」な週末カメラマンが出会った冬枯れの景色。

 

ここは私にとっての「空撮り基地」のひとつ。

季節ごとに移り変わる琵琶湖の表情を眺めてきた。

私以外にも三脚を立てたカメラマンが何人もいるのだが、

広角レンズを空に向け、無造作にシャッターを切っているのは私ぐらい。

ほとんどのカメラマンのお目当ては水鳥たちで、

大口径の望遠レンズでシャッターチャンスをうかがっている。

 

その中のおひとりの姿が気になった。

この日の陽気と穏やかな時間の流れを背中で代弁しているように感じたからだ。

そして、私の後ろ姿も「こんな風だったらいいな」と羨んだりもしていた。

そう、琵琶湖日和を存分に楽しむように。

 

 

 

 
Strange Weather Glenn Frey

 

 

 

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鳴門海峡、そして『Back to Oakland』 By空倶楽部

2022-12-09 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


11月初めに兄妹家族と旅行した瀬戸内。

最後に訪れた場所が鳴門海峡だった。

幸運にもうず潮が起こる時間帯、しかも大潮とのことで

迫力ある景色を楽しむことができた。

映像に比べ落胆する現実が多い中、うず潮は別格。

激しい海流が音を立て渦を巻き起こすさまに見入った次第だ。

 

うず潮はさておき、もうひとつ気になった景色がここ、

高台から大鳴門橋越しに広がる鳴門海峡だった。


  大鳴門橋(徳島県)2022.11.06  11:16AM sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (40㎜  f/8,1/350sec,ISO100)    

 

さて。シュールなタイトルの話。

高台から臨む大鳴門橋。

しばらくこの風景に向き合っていたところ

学生時代に聞き込んだレコードのジャケットを思い出していた。

大規模な鉄橋が古い記憶を呼び起こしてしてくれたのか。

アメリカのロックバンド、タワー・オブ・パワーの『バック・トゥ・オークランド』のジャケットだ。

今も健在のタワー・オブ・パワーだが、商業的にも最も脂が乗っていたのが1970年初頭。

そのころのアルバムをよく聴いたものだが、中でもお気に入りが『バック・トゥ・オークランド』だった。

 
Tower of power   just when we start makin' it

 

しかし、あらためて大鳴門橋とジャケット写真を見比べてみると

なんと記憶のあいまいなことか。

鉄橋には違いないが、『明日に架ける橋』ぐらいにしておけばよかったかも。

 

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光の道

2022-12-06 | 風の風景 光の風景

この時期の北陸としては貴重な快晴の一日だった。

その陽気に誘われて三国海岸へと向かったのだが

何かはっきりとした撮影意図があったわけではない。

夕刻の空が気にならなくもなかったが

天気が良すぎるとかえって空が焼けないことを経験上知っている。

だから、特別な光景を期待したわけではなく「陽気に誘われた」だけ。

ただの物見遊山だったとも言える。

 

さて、渚に着いてみると

快晴の空とは裏腹に海がずいぶんと荒れていた。

その海を眺めていたのだが、しばらくして

押し寄せる波を逆光で撮ってみようと思い立ち

角度的にエッセル堤の背後に陽が落ちる場所へと移動し

そこで陽が傾くのを待つことにした。

果たして...。

陽が低くなるに連れて、高波の合間を縫うように光跡が現れた。

さらに光跡は波の動きに任せて右へ左へとせわしなく揺らぎ始めてもいて、

それは、まるで海に表れた道のように見えたりもした。

 

 

     
                   三国サンセットビーチ(福井県坂井市) 2022.11.27  15:37   SONYα7R3  E150-500mm(150mm f18  1/400sec ISO100)

 

これからの時期、北陸では毎日のように雨か雪が降る。

さらに海には強い北西の風に煽られた高波が押し寄せる。

つまりは、この日の海が今年の撮り納めだったかもしれないのだ。

そんな寂しげな感情をこの景色に映しながら

刻々と輝きを失っていく光の道にシャッターを切り続けていた。

 

 

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