折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

情熱のバラ  By空倶楽部

2020-05-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

皐月の空を背景に赤いバラを撮っただけにもかかわらず

タイトル「情熱のバラ」とは気恥ずかしいくらい大げさな表現だと思う。

しかも、昨年の写真から蔵出し。

 

それで...。

   初夏の空の光に従ひて恋のこころの花さうび咲く   与謝野晶子


と、歌の「力」を借りつつ

「恋のこころ」とまではいかなくても

ほんの一瞬のときめきでも感じていただけたなら幸いだ。

 

    金沢南運動公園 2019年5月19日午前7時1分  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (24㎜ ,f/8,1/320sec,ISO100) 

 

そして情熱のバラとくればこの人たちのこの曲。

 
   情熱の薔薇     THE BLUE HEARTS

 

 

 

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『ひとつの装置』の話

2020-05-27 | 日常の中に

久しぶりに訪れた夕暮れの渚。

非常事態宣言解除後の週末だけに

日中はまとまった人出があったのか

砂浜には無数の足跡が残されていた。

ふと...。

砂浜にポツンと黒い塊が見える。

 

Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70mm  f/5.6,1/160sec,ISO100)    

 

「人がうずくまっているのかな」最初はそう思ったが

逆光の中とはいえシルエットだけでもいかつい機械のようだった。

近寄ってみると、耕運機のエンジン部分のようにも思えたが

機械から海に向かって一本のワイヤーが伸びて

途中で砂に潜り込んでいる。

小さな船を浜へ上げるために置かれた巻き上げ機ではないだろうか。

それも誰かがあり合わせの機械を使って作ったもの。

想像でしかないがそんなふうに思えたのだった。

そしてまた、このあと何十年も後になって

さらに朽ちて原型を留めないこの機械を誰かが見たとして

「これはいったい誰が何のために置いたのだろう」

と私以上に不思議がるのではないか、と愉快に思えてもきたのだった。

 

さて...。

そんなことを思いながらこの光景を眺めていたら

ふと、若い頃に読んだ星新一のショートショートを思い出した。

確かこんな話だったと思う。

 

ある博士が『ひとつの装置』を作り上げ、町の広場に置いた。

それは円筒の郵便ポストのような形で

胴体には押しボタンがひとつと

アームが一本着いただけのシンプルな姿だった。

近寄った人々は皆もの珍しげにボタンを押す。

すると、アームが動きだし、

押されたボタンをつまんで元に戻す。

そして、アームも元の位置に戻るのだが

その後はなにも起こらなかった。

それだけのことでしかないのだが

なぜか誰もがボタンを押したがった。

それから長い時を経て、

装置に近づく人はいなくなり

ボタンが押されることもなくなった。

人類が滅亡したからだった。

さらに長い時間が流れ、

ボタンが最後に押されてから1000年が経ったある日。

突然その装置が別の動作を始めた...。

 

...その結末は本を読んでください。

ということで折にふれての選曲は

スキーター・デービスの名曲を。

 
  Skeeter Davis ~ The End of The World (1962)

ブレンダ・リーやカレン・カーペンターなど名だたる歌手もカヴァーしており

題名は知らなくてもメロディに覚えのある方は多いかもしれない。

 

 

 

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花ひらく音が...

2020-05-23 | 花歳時記

非常事態宣言はひとまず解除されたものの

人が集まると予想される施設はまだ閉鎖が続いている。

バラの名所、金沢市南運動公園内のバラ園も同様。

数か所の入り口にはバリケードが置かれ、

園の周囲には規制ロープが張り巡らされている。

その規制ロープの隙間から、捕らわれのバラに面会するように眺めた光景がこれ。

ポンっ!...花ひらく音が聞こえたような気がした。

金沢市南運動公園内のバラ園にて  2020.05.23  6:56am    Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/125sec,ISO100) 

 

週末としては久しぶりに陽ざしが戻ってきた。

散歩の途中、その陽ざしに目を細めながら

ジョン・デンバーのやさしい歌声を思い出していた。


John Denver - Sunshine On My Shoulders (Official Audio)

 

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The Rose  By空倶楽部

2020-05-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


今回も空倶楽部は蔵出しで。

10年分くらいの写真を折々に感じたテーマごとに分類している。

例えば、「空」とか「海」とか「花」といった具合である。

ところが、分類といっても気分次第なので一貫性がない。

結局は記憶を頼りに「手あたり次第に探す」ことになってしまったのだが

それはともかく、非常事態宣言が解除されて初めての空倶楽部、

今回は五月らしい爽やかな空を探したいと思っていた。

 

  2017.05.28  7:43PM 金沢市富樫運動公園 Sony α99  Planar 50mm/f1.4 (f/8,1/60sec,ISO125)    

 

掲載しておいてなんだが、

白いバラの写真を撮っていたことが意外だった。

というのもバラに限らず明暗差の大きい白い花には苦手意識があって

素通りすることがほとんどだからだ。

この写真にしても撮っては見たものの

そのままお蔵入りにしていたのだが

あらためて見返してみると、

初夏の空に白い花と緑の葉の映りが清々しく

悪くないな、と思えてきたのだ。(・・・手前味噌お許しを)


最近、アンドレ・リュウにハマっていて

今回の選曲は時節柄『ローズ』

 
 André Rieu - The Rose

ジャニス・ジョプリンに捧げた名曲で

ベット・ミドラーの名唄をご存知の方も多いと思う。

伝説的なロックシンガー、ジャニス・ジョプリンが亡くなって今年で50年だという。

魂の叫びともいえる熱唱は今も語り継がれるところだが

そのジャニスを知ってか知らいでか

アンドレ・リュウのバイオリンに涙する女性たち。

演奏もさることながら、感動のおすそ分けをいただいた気分だ。

 

 

 

 

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Morning has broken

2020-05-17 | 花歳時記

バラの開花を楽しみに待ったこの週末。

スカッと晴れた皐月の空とはならなかったものの...

朝、雨の中に咲くバラもそれはそれで

しっとりとした美しさを感じさせてくれた。

Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70mm   f/3.5,1/160sec,ISO100)    

 

その時、雨粒が光る花を眺めながら、ふとイメージした曲が『Morninng has broken』だった。

学生時代に覚えたキャット・スティーブンスの名曲だが、

詩の内容は哲学的というか宗教的というか、一言でいえば難解。

未だに理解できないが、『雨に濡れた朝』という邦題と

美しいメロディは40年以上経った今でも鮮明な記憶として残っている。

そして、この曲を世界中に強く印象づけたのが

前奏と間奏で印象的なピアノを演奏した

イギリスを代表するロックバンド『イエス』のキーボード奏者リック・ウェイクマンだった。

youtubeで『Morning has broken』を検索してみたところ、

そのリック・ウェイクマンによるピアノソロバージョンがヒットした。

キャット・スティーブンスのしわがれた渋い歌声はないが(どうせ歌詞が難解だから...)

リラックスした中にもこの曲が持つ美しい情感は十分に伝わってきた。

 

 
  Rick Wakeman - Morning Has Broken

 

Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (60mm   f/3.5,1/100sec,ISO100)   

 

非常事態宣言は解除となったものの

それでもできるだけ家にいることが望ましい休日。

なつかしい音楽に繰り返し耳を傾けながら

撮り立てのバラの写真を整理する。

のんびりと雨の朝を楽しんだ次第である。

 

 

 

 

 

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I will follow Him

2020-05-16 | 抒情的金沢

非常事態宣言が解除されたとはいえ

ウィルスが根絶されたわけではないので

まだまだ警戒は解けない。

それでも多少の運動とストレス発散は必要と

かのんの散歩を兼ねて大乗寺丘陵公園へやって来た。

ここからはパノラマのように金沢市内を一望でき

遠くは10キロ先の日本海まで見通すことができる。

自宅からは徒歩で30分程度。

だらだらと登りが続くので

ふだんの散歩にしては多少きつめだが

この時期、徒歩圏内に広大な公園があることは幸せなことだと思う。

 

そして今はちょうどツツジの見ごろで

その数は13000本とのこと。

 

甘い香りに包まれて園内の小径を歩き

時折立ち止まって、遠い街並みを眺める。

ただそれだけのことだったが

それがとても貴重なことのように思え

また、久しぶりに心のつかえが

とれたように感じた時間でもあった。

 

 

 

さて、記事とは全く関係ないが、昨夜のこと。

地上波で「天使にラブソングを」が放映されていた。

ラストシーンだけを見流した程度だったが

クライマックスの『I will follow Him』が耳について離れない。

それで今朝になって、以前youtubeで見つけたアンドレ・リュウのコンサートを探し出した。

 
  I Will Follow Him - André Rieu

ステージと聴衆が一体となった楽しいコンサート。

音楽の力を感じる素晴らしい一幕だと思う。

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令和2年5月5日 By空倶楽部

2020-05-09 | 日常の中に

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、本日のお題は例年通り「5月5日の空」の日。

近年は琵琶湖での撮影が多かったが

外出自粛が続く中、今年はごく近場の海岸で夕景を収めてきた。

 

                石川県白山市 2020.05.05 18:18   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/22,1/40sec,ISO100) 

 

人気のない緑地。「使用禁止」の規制線が巻かれた滑り台。

そして、いつも通りに沈む夕陽。

令和2年5月5日のさみしい空だった。

 

最近、こころに留めた歌を

  思いやる願う案じる祈る待つ動詞のくせに静かな言葉  藤林咲恵子

歌人の三枝昂之さんが著書で紹介されていたものだ。

愛する人を待ち焦がれる歌ということだったが、

この時世の人の心持ちにも通ずるような気がした。

ちなみに作者のお名前を調べてみたのだが、

「藤林咲恵子さん」というお名前には行き当らなかったので

ひょっとしたらお弟子さんのひとりかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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光の痕跡 

2020-05-06 | 風の風景 光の風景

前回に引き続いての話。

 

夕方の撮影では形を整えて沈む夕陽そのものもいいが

夕陽が放つ光が何か別のものに留まろうとする光景にも強く惹かれる。

その光景は予測できず、しかも一瞬のうちに過ぎてしまうことが多い。

偶然に広がる光景であり、また大げさに表現するなら

自分だけが気づいた光景でもある。

そんな「光の痕跡」ともいえる光景に惹かれるようになったのは

この瞬間からだったかもしれない。

滋賀県長浜市 2015年7月11日  18:57       Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (135mm  f/11/40sec , ISO100)

 

それまで何度も琵琶湖へ出かけているにもかかわらず、

対岸に沈む夕陽には出会ったことがなかった。

その日は朝から快晴の空が広がり、予報によると終日その空が続くとあった。

ところが、日没間近になって比良山系から張り出した雲が夕陽の行く手を覆い始めた。

好機と思っていただけに気持ちの落差は大きく

「またしてもか」と夕陽をあきらめかけた時だった。

薄い雲からこぼれる陽が静かな湖面を赤く染め始めたのだ。

いきなりのことだったので、どこにピントを合わせるでもなく、

慌ててシャッターを切り始めたのだが、その一枚がこの写真だ。

湖面を染める山吹色の光に魅了されたのだが、

その頃から「光や色そのものが主題になる」と考え始めたように思う。

 

さて、現在の自分。

夕景の撮影には必ず広角と望遠、ふたつのズームレンズを携行し、

また、昨年からは2台のカメラにそれぞれのレンズを装着して

日没を待つという念の入れようだ。

ところが、準備すればするほど思うような「光の痕跡」は現れてくれない。

まあ、そんな簡単に撮らせてもらえるなら

これほど入れ込む値打ちもないということにもなるのだが。


最近のSUBARUのコマーシャルのバックに流れる歌声。

その声に、今更というかあらためてというか、聴き入っている。

フランク・シナトラだ。

コマーシャルの『My way』はもちろんいいし、

『Fly me to the moon』も『That's Life』もいいが、

この曲を選んでみた。そして、なんといってもこの人はライヴがいい。

 
 Frank Sinatra - Let Me Try Again [Live ]

 

 

 

 

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Afterglow 19.11.02

2020-05-04 | 風の風景 光の風景

引き続き『置き去りにできなかった写真』から。

 

被写体として向き合う自然の風景は夕方のものが圧倒的に多い。

それを不思議とも思わなかったが、

昨年から交流させていただいた空倶楽部の方々が

どちらかというと「朝型」が多いことを知って

自分はひょっとしたら「少数派なのかもしれない」と

思ったりもしている。

撮影日と決めた日は夜明け前から出かけることが

ほとんどなので朝が苦手というわけでもない。

思うに...。

北陸という土地柄から「海」を身近に感じている。

また、物心ついた頃から海に沈む夕陽を眺めることが多かったから

「自然の風景」と言えば「海」。

そして「海」と言えば「夕方」。

そんな三段論法式にいつの間にか「自然の風景」は

「夕方」との意識が刷り込まれてしまったのかもしれない。

 

さて、その夕方の海で撮る写真のこと。

写真を始めたころは、とにかく大きい真っ赤な夕日を撮りたかったものだが

最近は好みが変わってきて、渚の砂や波打ち際にレンズを向けることが多い。

その興味のひとつの現われがこの写真。

 

白山市徳光海岸 2019年11月2日 16:58   Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (130mm f/14/500sec , ISO800)     

 

 

寄せた波が引くたびに一瞬、濡れた砂が光を放つ。

波に洗われる砂がとどめようとする「光の痕跡」。

その穏やかさ、そして儚さがいいのだ。


その日の「光の痕跡」を思い出しながら

クールダウンしてくれる曲を探してみた。

 
 The Style Council - My Ever Changing Moods (Piano Version)

 

 

 

 

 

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湖水に浮かぶ町

2020-05-03 | 近江憧憬

『置き去りにできなかった写真』からの投稿が続く。

 

奥琵琶湖海津の風景

2014年5月5日 奥琵琶湖 海津  Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (70mm  f/8,1/800sec , ISO125)

 

かつてここは湖上交通の要衝として栄えた宿場町。

湖西から湖南にかけて琵琶湖周辺の開発が進む中、

高波から家を守る石垣など昔からの景観がそのまま残されている。

その日はあいにく終日雨模様だったが

周辺の景色が霞む中、

琵琶湖に沿って広がる集落がまるで

湖水に浮かんでいるように見えたのが印象的だった。


ノラ・ジョーンズのデビューアルバムから 


  Turn Me On  Norah  Jones

 

 

※ご訪問ありがとうございます。

 今回コメント欄閉じております。

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