折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

空の魔法  By空倶楽部

2019-06-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


新交通システム「ゆりかもめ」で訪れるあちこちで

爽快な気分にさせてくれるのが空の広さだ。

千代田区や港区など都心では超高層ビルが林立し、

ビルの間から覗く空はずいぶんと小さい。

40年前、東京に住んでいたころは

「あれが霞が関ビル」「あれが貿易センタービル」「あそこが新宿副都心」

といった具合に超高層ビルは数えるほどだったし、

どこからでも東京タワーが見えるほど

東京には大きな空が広がっていた。

それが今では、東京タワーがビルの隙間から見えただけで

得した気分になるほど、東京の空は狭くなったと感じるのだ。

そしてこの日も、狭い空をぼやきながら新橋から「ゆりかもめ」に乗ったのだった。

薄暗いビル陰の汐留付近を過ぎ、

竹芝、日の出と東京湾の桟橋沿いに走るあたりから

徐々に視界が開け初め、レインボーブリッジが見え始めるあたりでは

お台場の上に広がる大きな空が目に飛び込んでくる。

何度も眺めた景色で、「ここに来れば大きな空が広がる」と、わかってはいるのだが、

それにもかかわらず、まるで魔法にかかったように

いつもその空に見とれてしまうのだ。

そしてその後、仕事先に向かう途中の青海で眺めた空。

 

Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (f/8,1/250sec,ISO100) 

 

梅雨時とあって、雲の多い空模様で

その雲のせいか空がいっそう広く感じられた。

それで、背にしたこの光景を振り返りつつ

その広さが本物かどうか確かめるように

仕事先へと向かったのだった。


The Police - Every Little Thing She Does Is Magic (Official Music Video)

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満面に潮風! By空倶楽部

2019-06-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


新橋駅を後にした車両は、しばらく東京湾岸の埠頭に沿って走り、

やがてレインボーブリッジを経由してお台場へ渡る。

さらに有明や東京ビッグサイト、新市場など臨海副都心を巡り、終点の豊洲へと至る。

その間14.7キロメートル、乗車時間にして約30分。

ご存知、新交通システム「ゆりかもめ」だ。

海鳥にちなんだ愛称から察しがつくように

ほとんどの経路が海のそばを通っているのだが、

中でも、海にもっとも近い駅のひとつが「青海(あおみ)」だ。

 

駅の改札を出るとすぐ左手に

大規模レジャー施設パレットタウンの

大きな観覧車が見えてくる。

青海駅で下車する人のほとんどはパレットタウンが目的なので

ふつうはこの光景に目を奪われて、すぐにその方向へ歩き出してしまう。

けれども、もし青海へ出かけることがあるなら、

改札を出たところで一歩立ち止まり、

右に目を移してみることをおすすめする。

改札から続く駅コンコースのその先は外に向かって大きく開かれ

明るく解放された景色が目に飛び込んでくる。

さらに近づいてみると、

二つの埠頭の狭間に沿って沖合へと続く四角い海と

さらにその沖合から立ち上がる大きな空が

まるでパノラマのように出迎えてくれる。

 

その日も、海と空に吸い寄せられるように近づいたのだが、

思わず、「あっ!」と声を上げそうになった。

ふだんなら見過ごしてしまうような緑地一面が

咲きこぼれるばかりの紫陽花に覆われていて、

その光景に圧倒されたからだ。

Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (29㎜ ,f/4.0,1/640sec,ISO100)  

 

いったい何株の紫陽花が咲いているのだろう!

そう思わずにはいられないほど壮観だったわけだが、

さらに見入っていると、紫陽花花壇のあちこちが時折大きく波打って揺れている。

ふとその光景が、たくさんの紫陽花たちが潮風を満面に受けながらざわざわと声を立て、

パノラマの景色を楽しんでいるようにも思えてきたのだった。


東京は梅雨らしい曇り空。

せめて音楽くらいはからりと夏らしく。

 

 Bob Marley    Jammin

 

 

 

 

 

 

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Kokomo !

2019-06-13 | 日常の中に

梅雨空が続いていたが、今日は一転朝から青空が広がった。

夏の太陽が照りつけてくるが、

降り続いた雨が大気そのものを冷やしてくれたせいか

強い日差しのわりには過ごしやすい。

じめじめとした梅雨も困りものだが、年のせいか最近は暑い夏も苦手。

それで、梅雨の中休みもいいものだと、

「ちょうどいい日」を気分よく過ごした次第だ。

 

それはさておき。

週末になるとカメラを持って出かける。

大したものも撮っていないが「在庫」が増える。

それらを、拙くもこのブログで紹介しているが、

増える「在庫」に更新頻度がついていかない。

傾向としては晴れ間の風景写真が多い。

だが、梅雨空が続く中でそれをアップするのもマヌケな感じがする。

それで、この梅雨の中休み!

千載一遇のチャンス、逃してなるものかと、

出しそびれた写真を(ドサクサ紛れに)アップ!

 

Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/7.1,1/250sec,ISO100) 

 

ある五月晴れの日。

陽が傾きはじめた加佐の岬でやさしい空気に包まれた。

ここは自分だけのとっておきのKokomo!


梅雨明け、そして熱い夏がやってくることが

待ち遠しかった記憶も今では遠い昔のこと。

そして、その待ち遠しい気持ちとともに

聴いたのがビーチボーイズだった。

 
 Kokomo - The Beach Boys

 

 

 

 

 

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この曲と決めて  By空倶楽部

2019-06-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、6月のお題は「カーブミラーと空」

難題で毎回悩むのだが、

今回は、越前海岸をドライブ中に見つけたカーブミラーをそのまんま。

 

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/2.8,1/1000sec,ISO500)    

 

すこし陽がかげり始めた空と、その色を穏やかに映す海。

シンプルな背景だったせいか、

ふだんなら見落としてしまいそうなカーブミラーが

ひときわ存在を主張しているように見えた。

そして、折しも駆け抜けるバイクに向かって

「ご安全に!」と、語りかけているようにも思えたのだった。

 

さて、この疾走するバイク。意識して撮ったのではない。

カーブミラーに集中しているときに、突然、視界の中に入りこんできたのだが、

その走り去る姿を目で追いながら、ふと、俵万智さんのこんな短歌を思い出していた。


この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」

 

俵万智さんが助手席で眺めた景色はどうだったのだろう。

そんなことを思いながら、短歌の情景にこの風景が重なったのだが、

それは、ずっと昔、記憶の中にある、なつかしい情景にもつながっていたのだ。

 

社会に出たての頃のこと。

休日となると、姉のお下がりのカローラ・ハードトップでよくドライブに出かけた。

目的などなく、免許取り立て、ただ車を走らせることが楽しかった。

そして、週末を待ちわびながら、「今度はあそこまで走ってみよう」と、その風景を思い浮かべつつ、

聴きたい曲をカセットテープに編集したものだった。

もともとアメリカのロック音楽が好きで、

とりわけ当時は、ウェスト・コーストの土臭くおおらかな楽曲を好んで聴いていた。

CSN&Yやジャクソン・ブラウン、そしてイーグルスなどからの選曲がほとんどだったが、

海辺の道、しかも陽がかげり始めたときには、「これだ!」と

決めていた曲の一つが「ホテル・カリフォルニア」だった。

 


 Eagles -- Hotel California Live

 

カントリー色の強いバンドとしてスタートした彼らが

次第にロック色を強め、揺るぎない人気と商業的成功を結実させたのが

「ホテル・カリフォルニア」が収録された同名のアルバムだった。

この映像は1977年のライブの模様だが、

曲作りのうまさとドン・ヘンリーの渋いボーカル。

メンバーそれぞれの個性が醸しだすハーモニー、

さらにジョー・ウオルシュとドン・フェルダーのスリリングなギターのかけ合い...など、

余すことなくイーグルスの魅力を伝えている。

ホテル・カリフォルニア。

40年以上経った今でも、自分にとってのエヴァー・グリーンである。

 


ホテル・カリフォルニア

 

暗く荒涼としたハイウェイを行く男

頭は重く、もうろうとする意識の中で、

一夜の宿が欲しかった。

すると、遠い暗がりの中にちらつく灯りが見える。

 

ドアの前には「彼女」が立ち、

そして、来客を告げるベルを鳴らした。

男は思った。ここは天国だろうか、それとも地獄だろうか、と。

彼女はキャンドルをかざして案内してくれたが、

その時、回廊からあの「声」が聞こえてきたのだった。

「ようこそホテルカリフォルニアへ」

「ここはとてもすばらしいところ、いつでもたくさんの部屋が用意されている」

 

蒸せかえるようなホテルの中庭。

彼女のまわりには「友達」と呼ばれるたくさんの男たちがいて、

そして彼らは踊り狂う。

あるものは何かを思い出そうとするかのように、

そして、あるものは何かを忘れさろうと。

「酒を持ってきてくれ」 男はボーイ長に頼んだ。

しかし、彼の答えは「ここでは1969年以来、酒は出していません」と素っ気ない。

すると遠くから、またあの声が聞こえてくるのだった。

「ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ。ここはなんてすばらしい場所!」

「驚くことにアリバイまで作ってくれる。」

 

男は次第にこのホテルの狂気に気づき始める。

そして、彼女は告げる。

「ここは自らの分身によって捕らわれた世界」なのだと。

男は逃げ出そうするが、

すぐに夜警が駆けつけて、捕らえられ、そして男に言い放つ。

「落ちつけ! 我々は連れ戻すためにいる。

 望むならいつでもチェックアウトするがいい。 

 しかし、決してここを立ち去ることはできない。」

それが、男が最後に覚えていることだった。

 

 

 

 

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Forever Young

2019-06-06 | 折にふれて

6月3日に長女が第二子を出産した。

 

 

私たち夫婦にとっても二人目の孫。

とりわけ家内にとってみれば、待ち望んだ女の子。

手放しの喜びようで、かなり先までの服装計画もすでに仕上がっているようだ。

私はというと。

6月3日の出勤前に家内から、長女が産気づいて病院に入った、と聞いた。

その日は東京出張、さらに翌日は名古屋と家を二日間空けることになるが、

家内が言うには「前の子の時は丸一日以上出てこなかったから、明日の夜だったらちょうどいい」のだと。

一人目の時はもう臨戦態勢で目が吊り上がっていたことを覚えているが、

さすが二人目ともなると余裕、楽観ムードである。

それで安心して出かけたのだが、東京に着く前に「もう、生まれた」との連絡。

その後、家族、友達間でLineが飛び交い、浮かれぶりが伝わってくるのだが、為す術なし。

翌日の夜、金沢へ戻ったものの、暑さにやられたのか、

そのまま自宅に戻り、シャワーを浴びてすぐに就寝。

さらに昨日、「いつ行くの!」と家内に脅迫されながらも

仕事が立て込んでいたせいもあって、自宅に帰ったら一歩も動けず。

それで、今日、ようやく「彼女」に会いに行けたという次第だ。

これでめでたく「薄情者」の汚名返上。

ところで、仕事の途中ということで、持っているカメラと言えばスマホのみ。

せっかくなら愛機でかわいく撮ってやりたいので

「足形」のみで、本人のブログ登場は先送りさせていただいた。

もっとも、私の孫など他人様には何の関心もないと思うのだが...。

 

さて、これまでも子供や孫の近況に触れているが、

その折々に選んだ曲が「Forever Young」だった。

 
 Bob Dylan - Forever Young

 

ボブ・ディランが長男が生まれた時に作った歌で、

あれこれと子供に願う言葉を連ねていて、

一見、「親バカ」な歌詞とも思える。

だが...。

一通りの願いを語った後、

ボブ・ディランは「Forever Young!」を何度も何度も熱唱している。

子に願うことはたくさんある。

けれども、何にもまして望むのは、

「いつまでも若く元気にいてほしい」こと。

そんな親心がひしひしと伝わってくるのである。

年をとったせいか、聴いていて目頭が熱くなってしまうのだ。

 

 

Forever Young

いつまでも神の祝福が続きますように

願い事がすべて叶いますように

いつも人のためになれますように

人があなたのために尽くしてくれますように

正義をもって育ってくれますように

常に勇気に満ちて、強く立ち向かってくれますように

いつも仕事に恵まれますように

そして何よりも、いつまでも若く元気でありますように...

 

 

さて、長女と「彼女」。

もちろん、母子ともに健康。

「何より」である。

 

 

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バラの散歩道

2019-06-02 | 花歳時記

今シーズン2度目となる富樫バラ園の話。

 

バラの開花時期は案外長いが、

宮仕えの身では楽しむチャンスは週末だけ。

それで、犬の散歩を兼ねて毎日このバラ園に出かける家内から

刻々と変わる開花状況を聞き、やきもきもしている。

年によっては見ごろを外し、傷んでいない花を探すということもあったからだ。

しかし今年は、幸運にも2週にわたり、咲き誇るバラを楽しむことができた。

 

富樫バラ園までは、早朝の散歩を兼ねて、自宅から2キロの道のり。

歩き始めたころ、肌寒いほど空気はひんやりとしていたが、

途中、ダラダラと長い坂道を登ることもあって、

バラ園に着くころには額に汗がにじむほど体が温まっていた。

そして、その火照った体を冷まし、そしてやさしく包んでくれたのがこの光景。

 

 

朝のさわやかな空気と穏やかな光の中で、

赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、紫...など、

色とりどりに咲き誇るバラたち。 

ここには140種あまりものバラが植えられているそうだが、

それが、まるで金平糖を散らしたように

朝の穏やかな光の中でいきいきと輝いていた。

 

実はこの日、ただの鑑賞だけではなく、

ひとつだけ決めていたことがあって、

それは、赤いバラを「おとなしく撮る」ということだった。

赤い花が強い光を受けると、

赤い色が塗りつぶれて、まるで厚いペンキを塗ったように写ることが多い。

専門的には色飽和というらしいが、

それを抑える方法を試してみたかったのだ。

 

 

簡単に言うと、彩度とコントラストを抑えるのだが、

抑え過ぎるとせっかくの赤色がくすんでしまう。

くすまない程度に塗りつぶれを抑える、このバランスが難しい。

やはり、花の撮影は奥が深いものだとあらためて思った次第だ。

 

 

それはそれとして...。

そんな愚痴めいたことを考えながらも、 

実はそれも含めた朝の散歩すべてを楽しむ自分がいる。

バラの甘い香りに包まれた朝の光景。

月並みな表現だが、一週間待ち焦がれた至極の時間だった。

 

 

 

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