折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

加佐岬灯台 By空倶楽部

2019-05-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


 

「空」に困ると出かける場所のひとつが日本海に突き出た加佐の岬。

 

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/400sec,ISO100)    

 

その突端に立てば日本海と大きな空にぐるっと囲まれる。

ということで、どこを撮っても空なのだが、

ここのお気に入りはなんといっても加佐岬灯台。

初点灯が昭和27年とあるから、私が生まれる前、

つまり、子供のころから何かにつけ刷り込まれてきた風景でもあるのだ。

ところで、このあたり。

越前加賀国定公園に指定もされているのだが、

公共交通手段もない辺鄙な場所。

だから立ち寄る人といえば、ほとんどが地元、しかも家族連れがほとんどだった。

ところが、最近は若い男女をよく見かける。

しかも話す言葉を聞いていると

ずいぶんと遠くから訪れているようなのだ。

気になって調べてみて、その理由がわかった。

今や、加佐の岬はパワースポットとして、若者に人気の場所なのである。

というのも、富士山、御嶽山、白山という日本三大霊山を結ぶ直線状に位置し

さらに、その直線を東に辿ると伊豆半島の真鶴岬に至るパワーラインを構成するのだとか。

いわく、「やさしく凛とした”気”が漂っている」のだそうだ。

 

さて...、

その岬に向かって、仲睦まじく遊歩道を下るお二人。

幸せの気に包まれて、その前途に「幸あれ!」と祈った次第である。

 


ふと、思い出した曲が「パワー・オヴ・ラヴ」

80年代アメリカン・ロックの雄、ヒューイ・ルイスの代表曲。

というよりも、映画「バック・トゥ・ザ・フユーチャー」の主題曲として

記憶に留める向きも多いかもしれない。

Huey Lewis - The Power Of Love

当時、三部作に熱狂し、今もリバイバル放映が多いシリーズだが

1985年の公開というから、すでに34年。

今さらながら、時の流れの速さに驚くばかりである。

 

 

 

 

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25年目の夏 奥琵琶湖菅浦集落

2019-05-24 | 近江憧憬

 

25年前と変わらぬ初夏の風景が広がっていた。

 

 

東西に大きく広がった琵琶湖の両岸は

北に向かって次第にその間隔を狭め、

やがてはいくつかの岬と入江が連なる複雑な地形となって収れんする。

 

 

その出入りの多い地形の中にあって、

沖合に浮かぶ竹生島を指し示すように突き出た岬が葛籠尾(つづらお)崎だ。

そして、その岬の根元ともいえる湖岸に菅浦集落がある。

 

 

菅浦の湖岸集落は平成26年に重要文化的景観として国の指定を受けている。

さらに翌年には日本遺産に登録されてもいるのだが、

それにもかかわらず、菅浦を訪れる人は近県の釣り愛好者などそう多くはない。

つまり、国をあげて大切にしたい場所でありながら、

どの時期であっても、この風景をほとんど独り占めにすることができるのである。

 

 

そんな、人知れずとも言える菅浦集落だが、

かつて一度だけ脚光を浴びたことがある。

いや、ほんとうのところはどうだったかは知らない。

国民的な人気を誇った映画のロケ地となったから

「きっと、そうに違いない」と、かってに想像しているだけだ。

その映画は、平成6年封切の「男はつらいよ」シリーズの第47作「拝啓車寅次郎様」だった。

マドンナ役のかたせ梨乃演じるアマチュアカメラマン典子に思慕を寄せる寅次郎。

さらに甥の満男(吉岡秀隆)の恋物語が同時進行する。

舞台は長浜、そしてここ菅浦だった。

典子が菅浦から撮った琵琶湖の朝夕、その風景に魅了されたのだが

実は映画の封切当時、それがどこだったかはわからなかった。

それどころか、そのシーンのことすらも忘れてしまっていたのだが、

偶然にも数年前、渥美清さんの没後20年の特集番組でそのロケ地が菅浦だったことを知った。

一瞬で当時の記憶が鮮やかによみがえり、

そして、宝物を掘り当てでもしたように無性にうれしくなった。

それから、四季折々の菅浦通いが始まったというわけだ。

 

 

昨年、幸運にもテレビの衛星放送で「拝啓車寅次郎様」がリバイバル放映された。

録画して、当時の菅浦を何度も何度も見返して、そしてまた、うれしくなった。

映画の撮影から25年の歳月が流れているにもかかわらず、

当時も今も、風景がまったく変わっていなかったからだ。

 

 

さて...。

「変わらない風景によく飽きもせず」

人はそう言うかもしれない。

けれども思う。変わらないことにとりつかれた自分がいるのだ、と

 

 

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Rose Garden By空倶楽部

2019-05-19 | 花歳時記

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


金沢市富樫運動公園に隣接するバラ園。

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (24㎜ ,f/8.0,1/320sec,ISO100)    

 

この時期、日中はすでに夏日となるが早朝はまだまだ涼しい。

また、人出も少ないので、さわやかな気分で時間をかけて花を観賞することができる。

それぞれの花の名前と照らし合わせ、

立ち止って、その由縁をあれこれと想像するのも楽しいものだ。

バラの甘い香りに包まれて、

そして、10代の頃に覚えたこんな曲を口ずさみながら

朝のひとときを楽しんだのである。

Lynn Anderson -  Rose Garden 
 

それにしても...。

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (33㎜ ,f/3.5,1/400sec,ISO100) 

 

花の撮影は難しい。

空倶楽部のこともあって、バラ園を大きく撮ろうと広角ズームを持ち出したのだが、

実際に花を前にすると、どうしても寄りたくなる。

テレ端で思い切り寄ってはみるものの、やはり限界がある。

ブレるはピンが甘いはで、ほとんどの写真はお蔵入り!

...ということで、こころほどいたはずのひとときながらも

広角での接写の悩ましさを痛感した次第でもある。

 

 

 

 

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5月5日、西山公園  空倶楽部番外編

2019-05-12 | 若狭 越前 越中

福井県鯖江市の西山公園。

5万株の花が咲き誇る北陸屈指のツツジの名所だ。

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (60mm ,f/10,1/60sec,ISO100)   

 

鯖江市内を見下ろす小高い丘に開かれた公園。

ソメイヨシノに続いてツツジ。

そして秋には紅葉の名所として賑わう。

歴史をさかのぼると、幕末の頃 鯖江藩主の間部詮勝(まなべあきかつ)が

領民の憩いの場として開いたのが始まりで

以来、住民の手により、修復や改良が行われ今日に至っているという。

ツツジの植栽もその歴史の中のひとつで、

昭和33年に100株のツツジが住民の手により植えられたのが始まりらしい。

 

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (35mm ,f/5.6,1/200sec,ISO100)   

 

公園のすぐ近くにまで民家が迫ってきている。

この身近さ、そして住民の手によって作られてきた歴史を思うと

鯖江市民が西山公園を憩いの場として大切にしていることに頷ける。

ふだん、金沢市民として日本三名園などとエラそうに兼六園を自慢しがちなのだが、

早朝、満開のツツジの中を「おはようございます」と

声をかけながら行きかう人たちを眺めていると

「これこそが憩いの公園」で、

人のための公園はこうあるべきだと思えたのである。

 

そして、空倶楽部5月5日の空、番外編。

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70mm ,f/5.0,1/400sec,ISO100)  

 

 

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70mm ,f/3.2,1/1000sec,ISO100)   

 

早朝7時。

あたりいちめんあまい香りが漂う西山公園。 

朝露がのこる花びらをひとつひとつのぞき込みながら丘陵の道をゆっくりと歩く。

もうそれだけで、その日一日の幸せを先取りしたような気分になったのである。


雨上がりではなかったが

朝露に濡れたツツジの花びらを眺めていたら、ふと、こんな曲を思い出した。

 

「雨に濡れた朝」 キャット・スティーブンス


Cat Stevens - Morning Has Broken

 

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A Long Vacation  By空倶楽部

2019-05-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


5月最初の空倶楽部、お題は恒例「5月5日の空」だが、

ここ数年、その立ち回り先が決まっている。

金沢から国道8号線を南下、

まずは福井県鯖江市の西山公園に立ち寄る。

咲き誇る5万株のつつじが目的だ。

その後、さらにひたすら南下し、奥琵琶湖へと向かう。

のんびりと、ただのんびりと琵琶湖を眺める。

じゅうぶんに気分が満たされたところで、

越前海岸沿いの国道305号線を走って金沢へと戻る。

50キロにも及ぶ海岸線の風景はさらにこころをほどいてくれる。

朝5時に家を出て、帰り着くのは夜7時過ぎ。

高速道路を使えば昼明るいうちに帰ることができる。

けれども、一般道路をひた走る。それも、あえて遠回りの道を選ぶ。

明確な撮影意図があるわけではない。

気が向いたら、車を停めて、あちこちカメラを向ける。

走りなれた道だが、それまで気がつかなかった風景を見つけるとうれしくなる。

それがここのところ定着した5月5日の過ごし方なのだ。

 

そんな「ゆるい写真」を許してくれるお題に感謝しつつ...。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (40㎜ , f/7.1, 1/60sec, ISO160)  

奥琵琶湖に咲く八重桜。

 

この風景を思い出しながら...

「桜も咲く時期をうっかり忘れるくらい、ここではゆっくりと時間が流れている。」

ふと、そんなことを感じていた。

そして...。

ほんの数日前のことだったにもかかわらず、

長かった休みをちょっぴり懐かしく思ったりもしたのだった。

 

 

 

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春色の風が吹く

2019-05-01 | 日常の中に

 

あいかわらず、すっきりとしない天気が続いている。

それでも、連休2日目は午後から天気が回復。

しかし、その回復も陽が傾く頃からで

翌日にはふたたび気圧の谷に入いってしまう。

しばらく、撮影に出かけていなかったので、

連休中はできるだけカメラを持って外出すると決めていた。

晴れ間の時間帯がわずかなことにすこしためらったが、

前日に届いた新しいカメラの感触を確かめたいこともあり、

(実はそのことが大きかったのだが...)

家を出たのは晴れ間がのぞき始めた3時過ぎだった。

行先は越前海岸、車で2時間の距離だが日の入りにはなんとか間に合う。

その先々で気になったシーンを撮りながら、最後は夕陽で締める。

そんな漠然とした思いで向かったのである。

 

福井県に入り、三国の町を抜け、九頭竜川を渡ろうとするあたり。

ここから長い海岸線に出るまでは20分程度の距離。

途中、連休の渋滞もあって、予想以上に時間がかかったが、

海に沈む夕陽にはまだギリギリ間にあう。

...と、その時。

九頭竜川土手の緑地帯から、目に鮮やかな赤い光景が立ち上がってきた。

 

シバザクラだった。 

SONY α7RⅢ Distagon F2/24mm (F8, 1/400Sec, ISO-100)

 

そのシバザクラに誘われるように車を停め、時間を気にしつつ撮影を始めた。

青く刈り込まれた芝生の中に映える真紅のシバザクラ。

最初は、傾きかけた陽ざしに照らされたその一帯だけが際立って見えていたのだが、

その緑と赤の配色を大きく晴れわたった空の背景とともに眺めていると

いかにも春らしい清々しい風景に思えてきた。

さらに、その時、感じた風。

多少肌寒くもあったが、それでも頬にあたる感触は心地いい。

もう夕陽などどうでもよくなった。

この光景をもっと楽しみたくなったからだ。 

時間をかけて辺りを巡って、そして、思った。

天気はどうあれ、風景は確実に春の色に染まり始めている、と。

 

 

今日から元号は令和。

新天皇陛下の即位をお祝い申し上げるとともに

長くお務めになられた前陛下、美智子さまにこころより謝意をお伝えするものです。

 

 

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