折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

「まる」...い、空 By空倶楽部 

2020-02-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

21世紀美術館に気になるインスタレーションがある。

 

 

ところが、それをなんと紹介したらよいのかわからない。

なんという展示名なのか、また誰の作品なのか、

美術館のサイトで探しても出てこないのだ。

苦心さんたんの末、思いついたキーワードが、

「ブドウ...?!」

見事にヒットした。

21世紀美術館10周年を記念して

美術館の設計者「SANNA(サナア:妹島和代さんと西沢立衛さんのユニット)」による

「まる」だそうだ。

なるほどね。

 

ところで...

新型コロナウィルスが猛威をふるっている。

石川県でも感染者が出て、

今日現在6名、感染ルートは2系統とのことらしい。

この影響を受けて、21世紀美術館も開館はしているものの

主催する展覧会は3月15日まで中止。

感染拡大防止という観点からやむなし、だが、

ようやく迎える北国の春に返す返すも残念だ。

 

 

 

 

 

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風の風景 By空倶楽部

2020-02-19 | 風の風景 光の風景

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

ちょうど一週間前、「向春の記」と題して

やがて北へと旅立つ水鳥が羽を休める様子と

どこかほっとする海辺のカフェのことを書いた。

タイトル通り春への期待を込めたのだが、実のところは...。

 

2月11日午後3時、加賀市片野海岸。

Sony α99  F2.8G/70-200㎜  + Tele Converter*2  (280mm f6.3,1/6400sec , ISO400)

 

北東の強い風が波を煽り、さらに時折り横殴りの小雪も舞っている。

それはまぎれもなく真冬そのものの光景。

 

この時期の天気図を頭に描いてみる。

西高東低の気圧配置が強まるにしたがって

日本海を縦に伸びる等圧線の間隔が狭まる。

そこへ北から寒気が降りてくると

等圧線に沿って冷たい風が北陸に吹きつける。

また、その風は日本海で大量の湿気を蓄え

雪雲を運び、北陸各地に大雪を降らせることとなる。

 

さて、あらためて望遠レンズの先に見えた光景。

風が激しく波を巻き上げていた。

「なるほど、こうして雪雲が生まれるのか。」

自然の営みに思いを馳せつつ、

寒さを忘れ、しばし風の風景に見入った次第だ。

 


空倶楽部10周年おめでとうございます。

そして、あらためて発起人のかず某さん、chacha〇さんに

感謝申し上げるものです。ありがとうございました。

そして、これからもよろしくお願いいたします。

 

さて、毎年2月19日は空倶楽部周年企画として

昨年一年の自身の空倶楽部から自薦した写真を掲載する約束。

今回は6月9日のカーブミラーを題材としたこの写真を選びました。

6月のお題「カーブミラーと空」は、毎年、難題として悩むのですが、

偶然にも見つけた海辺のカーブミラーの存在感に強く惹かれたところへ、

折よく走ってきたバイクが入り込みました。

その瞬間、いろんな思いが交錯し

「これだ!」とばかりにシャッターを切ったことをはっきり覚えています。

この曲と決めて By空倶楽部 2019.06.09

 

 

 

 

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水仙の記

2020-02-16 | 花歳時記

花歳時記などというカテゴリーを作りながら

実は花の種類や名前を覚えることにほとんど興味がない。

いや一度だけ...。

せっかく写真を撮るのだから、常識的な花の名前くらい知っておこうと

フローリストをしている長男に教えを乞うてみたのだが...。

「きれいだと思ったならそれで充分じゃない。

 それでも覚えたければ図鑑で調べたら...」と、つれない。

けれども、花を商売にするわけでもなし、

「それもそうだな」と思い直し、それ以来、無理に覚えることはやめた。

だが、花オンチながら、冬に咲く花でひとつだけ思い入れがある。

福井県越前海岸に群生する水仙だ。

越前海岸は房総や淡路島とともに日本三大群生地のひとつ。

日本海を望む崖地一面に群生する光景は、毎年「見事!」としか言葉がでないのだが

今年は暖冬など天候不順で、残念ながらその見ごろを特定できず

また、年明け以降の慌ただしさもあって、

今年の水仙はあきらめていた。

ところがである。

ふと立ち寄った福井県内の高速道路サービスエリアで

小規模ながら群生する水仙を見つけたのだ。

もう開花の時期はとうに過ぎたと思っていたので

生き生きとして咲く水仙に出会ったことがうれしく

夢中でシャッターを切ったのである。

サービスエリア施設の陰に隠れた小さな緑地。

近寄る人もほとんどいない場所に人知れず咲く水仙。

それを眺めながら、何かで見た武者小路実篤の色紙を思い出していたのだが、

その色紙には水仙の絵とともにこんな言葉が記されていた。

 「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲く也」

そして、この言葉は長男の言葉、

「きれいだと思ったならそれで充分じゃない…」にも通じるな、と

思ってみたりもしたのだった。

 

さて、ついでながら...。

せっかくなので以前撮った越前海岸の水仙をご紹介。

群生する水仙が冬の日本海から吹き付ける

雪まじりの強風をものともせず咲き誇る姿は圧巻。

しかも、一様に可憐な花を踏ん張るように海に向けているのだ。

その凛とした姿を眺めるたびに勇気づけられ、

そして、それこそが越前海岸の水仙の魅力に他ならない。

 

そんな水仙の可憐さと力強さを

福井県で育った俵万智さんはこう詠んでいる。

  
 海鳴りに耳を澄ましているような水仙の花ひらくふるさと

 

 

 

 

 

 

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向春の記

2020-02-13 | 折にふれて

やがて冬も終わろうというこの時期に

決まって訪れる場所がある。

 

加賀市 鴨池。

 

1.5ヘクタールばかりの池とそれを取り囲む湿地で

ガンやカモなど数千羽の水鳥が越冬する。

地図上では見落としてしまうような小さな湿地帯でしかないが、

実は、水鳥が生息する湿地を保全する国際条約、

ラムサール条約に登録される日本有数の地。

水鳥たちにとってはまさに聖域、サンクチュアリだ。

 

 

その鴨池で憩う鳥たちを目当てに訪れるのだが、

実のことろは鳥オンチ。

学芸員が待ち構えていて、

鳥の名前や生態をていねいに教えてくれるのだが

せっかくだがそれぞれの鳥には興味がない。

だから鳥たちを写真に収めることもしない。

鳥たちが寛ぐ長閑さに惹かれ

その景色を、時間を気にせずぼんやりと、ただ眺めていたいだけなのだ。

思うに、自分なりの歳時記のようなもので

やがて北に向け飛び立つ鳥たちに

近づく春の足音を重ねているのかもしれない。

 

 

その日はもうひとつ決まりがあって

それから、5分ほど車を走らせて片野海岸へ向かった。

 

そこには海を見下ろすように立つカフェがあって、

一杯、一杯、引きたての豆で

新鮮でやさしい味がするコーヒーを淹れてくれる。

 

 

そのコーヒーをゆっくりと味わい、

そして、寒々とした海を意味もなく眺める。

いや、自分の中ではちゃんと意味はあった。

外は時折り小雪が舞い、最高気温も5℃に満たない。

しかし、そんな真冬の寒さであっても、

海の向こうからやって来る春の気配をじゅうぶんに感じていたからだ。

 


折にふれるか、ふれないか...

この日の気分を振り返っていたら、

ふと、グレン・フライのバラードを聞きたくなった。

 
 Glenn Frey - I Did It For Your Love

 

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主計町 春を待つ空   By空倶楽部

2020-02-09 | 抒情的金沢

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


前回に続き、2月初めの日曜日のこと。

冬の北陸にしては珍しい晴天の中、金沢市中心部を散策。

そしてここは主計町茶屋街。


Sony α7R3  Planar 50㎜ (f/3.2 , 1/1600sec , ISO100) 

 

浅野川の緩やかな流れに

大きな空と桜並木が映り込んでいた。

折しも、空倶楽部の2月のお題は「樹木と空」、

「それならば」と、このお題に沿って主計町を歩いてみることに。


Sony α7R3  Planar 50㎜ (f/3.2 , 1/1600sec , ISO100) 

 

新型コロナウィルス騒動のせいか

この天気のわりには道行く人もまばら。

ふだんなら往来する人の写りを気にするところだが

じっくりと風景だけに集中することができた。

それで、桜の枝ぶりを眺めながら思ったことだが…。

満開の桜が優雅に揺れる様子を連想してしまうせいか、

枝ぶりも嫋やかと勝手に思い込んでいたが

空に突き出すように伸びる姿はむしろ力強い。

 


Sony α7R3  Planar 50㎜ (f/2.0 , 1/4000sec , ISO100) 

 

さらに枝に近寄って眺めてみると

小さなつぼみがつき始めていて

青空に映える枝先がわずかながら

赤みを帯びているようにも思えた。

 

まとまった積雪はないものの

ここ数日は最低気温が氷点下となる真冬の気候が続いている。

けれども、その辛抱もあとわずか。

確実に春は近づいている。

 


記事とはまったく関係ないが

昨夜、映画「キャッツ」を観てきた。

長年、各国で上映されてきたミュージカルを

「なぜ今更?」との声もあるようだが

私はじゅうぶんに楽しんできた。

 
  CATS - Official Trailer [HD]

ミュージカル同様、圧巻は物語終盤。

主人公のひとり(一匹?)グリザベラが歌う「メモリー」だった。

それぞれの猫たちが繰り広げる歌と踊りが

胸の内の感動を徐々に高めていく。

そして、その感動を一気にあふれさせるのが「メモリー」だ。

今も頭の中であのメロディが流れている。

 

 

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光の春がやって来た

2020-02-04 | 抒情的金沢

早いもので立春。

とは言え、それはあくまでも暦の上の春で

さらに、明日からはこの冬最強の寒波がやってくるという。

だが、そうであっても「春」という言葉を聞くだけで心は軽くなる。

 

話は二日前の日曜日に遡るが...。

この日、ずっと曇るはずだった金沢では

予報に反して朝から抜けるような青空が広がった。

冬の北陸にしては珍しく、

しかも、その青空は夕方まで続いた。

この冬いちばんの空模様。

そして、もちろん絶好のカメラ日和。

陽気に浮かれて市内散策へと繰り出した次第だ。

 

ところで、2月になると思い浮かぶ言葉がある。

何年か前、ある新聞のコラム欄で紹介された「光の春」だ。

ロシアでは2月のことをそう呼ぶそうだ。

そうは言っても、極寒のロシアではまだまだ冬。

1年でもっとも寒い時期かもしれない。

けれども冬至からひと月あまり。

日照だけは確実に長くなっている。

次第に強さを取り戻す光に

ひと足早い季節の到来を重ね、

希望を込めて「光の春」と呼ぶのだろう。

 

あらためて昨日のこと。

広がる青空を何度も見上げ、

そのたびごとに、明かるさになれない目を細め、そして思った。

立春よりも早く光の春がやって来た、と。

 

 

 

 

 

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