折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

秋のみそらの流れ雲 By空倶楽部

2021-08-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 


   越前岬(福井市越前町) 2021.08.21  08:01 
Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (24㎜  f/11,1/125sec,ISO125)      

 

8月の中旬から、北と南、二つの高気圧の間に発生した前線が日本列島に居座った。

その日の朝のこと。

前線が少し南下して北陸地方が北の高気圧に覆われだしたころ

薄い雲の合間から高く真っ青な空がのぞきだした。

その時、岬に吹くここちよい風とともに、

確かな秋の気配を感じていた。

 

ああ我は秋のみそらの流れ雲たださばかりにかろくありたや  片山廣子

 


1960年代後半からウェストコーストを中心に活動した「POCO」

目まぐるしいメンバーの変遷はあったものの

カントリーという音楽スタイルが変わることはなかった。

1989年、オリジンナル・メンバーが集まりリリースされたアルバム「Legacy」からの選曲。

 
   Nothin' to Hide  Poco  

リラックスした演奏シーンとともに散りばめられた様々な愛のカタチ。

その映像に見入りながら、秋風が浮遊感のあるスライドギターの音色に乗って

吹き抜けていくような気がした。

 

 

 

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秋空 vs 夏秋  

2021-08-25 | 日常の中に

 

 
   越前岬(福井県越前町) 2021.08.21  7:42      Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8  ZA SSM (24㎜  f/8.0,1/200sec,ISO125)                 

 

毎年、この時期になると、「ア、秋」をテーマに写真を撮っている。

「ア、秋」とは太宰治が創作ノートに記した文章のこと。

「夏の中に秋がこっそり隠れてもはや来ているのであるが、人は炎熱にだまされてそれを見破ることが出来ぬ。」

と書いてあるとおり、夏に潜む秋の気配を撮ろうと目論むのだ。

 

夏から秋へと移り変わる季節はあいまいだ。

「春一番」が吹いたなら春の予兆。

梅雨が終われば、猛暑の夏を覚悟し、

「木枯らし一号」がやってきたら、冬物を引っ張り出す。

ところが夏から秋への移り変わりだけははっきりしない。

太宰治はそれをユーモアを込めて記しているのだが

それなら、「夏に隠れてやってくる」という「秋」を見破ってやろうと

その気配をあちこち探しまわるのだ。

 

そして、今年の「ア、秋」は。

灯台の上に張り出した夏の雲を

涼しげな筋雲が追いやろうとしている。

ついに、秋が正体を現したな、と思ったのだが...

果たして、秋の気配を感じていただけただろうか。

 


気が早いが...

秋風の中で聞きたいドン・ヘンリーのソロ・アルバム「CUS  COUNTY」からの選曲。


  Take A Picture Of This    Don Henley  

イーグルス、そしてドン・ヘンリー自身のルーツともいえるカントリー色あふれる曲。

CDでは終始リラックス・ムードと感じていたが、

このPVを何度か見ているうちに、ふと気づいたことがある。

和やかな中にあって、ひとつひとつの音がとても大切にされているのだ。

そして、その音を確かめるように

さらに何度もこの映像に見入っていた。

 

 

 

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Will You Love Me Tomorrow?

2021-08-22 | 折にふれて

加賀平野の夜明け。

 


  加賀平野の夜明け(石川県白山市) 2021.08.21 5:09 
     Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (70㎜  f/2.8,1/80sec,ISO125)    

 

加賀平野は日本海に沿って南北60Km、幅10Km。

文字通り、藩政時代から加賀百万石を支えてきた水田が広がる。

この日、ひと月ぶりに遠出を決め込み、早朝に家を出た。

そして、加賀平野を突き抜ける国道8号線を南下していたのだが

ちょうど遠い山並みに陽が昇り、まだ暗かった水田を照らし始めた。

ふだんなら、あまりにも日常すぎて、気にも留めない風景だが

その時、暗闇から徐々に現れる緑の光景が新鮮に思えたのだ。


さて、夜明けの光景の中でふと思いついた曲が

 
  Carole King - Will You Love Me Tomorrow? (BBC In Concert, February 10, 1971)

「明日になっても、まだ私を愛してくれているのかしら?」

可憐な女性の心を歌ったキャロル・キングの名曲でカバー曲も多く、

彼女が名盤「Tapestry(つづれおり)」でセルフカバーしたときには

すでに広く知れ渡っていた。

このビデオは1971年とあるから、アルバムリリースと同じ年。

この時は彼女は30歳。

すでにベテランだが、純真な歌詞だからだろうか、

時折、少女の面影が垣間見える。

貴重な映像だと思う。

 

 

 

 

 

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光の舞台裏から By空俱楽部

2021-08-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで



   越前岬(福井県越前町)2021.07.23  17:57    Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (24㎜  f/16,1/250sec,ISO100)    

 

越前岬で空写真を撮ることが多い。

小高い丘から海と空を撮るだけのもので、

なにか主題らしきものがあるとすればポツンと立つ灯台だけ。

同じ景色を飽きもせずに、とも思うのだが、

四季折々に見せる海と空の色が興味深い。

陽の位置や雲の量、海の表情。

そして、カメラやレンズに寄っても変わるのだが

根本的には光の強弱や色合いが変わるからだと思っている。

それが面白く、この場所を「光の舞台」と名づけて通っているという次第だ。

 

さて、今回の空倶楽部。

空や海はさておき、ちょっとその裏話を...。

 
    越前岬(福井県越前町) 2021.07.23 18:36   Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/7.1,1/320sec,ISO100) 

 

この場所、斜面に平地を設けて海と空を大きく望むことができる。

越前岬灯台の灯火標高が133メートルということなので

おそらくは150メートルを超す高さから海を見下ろすことになる。

ここが越前岬で空写真を撮るときのベース基地。つまり、光の舞台裏なのだ。


折にふれての選曲


   The Last Resort  Eagles   

名盤「ホテル・カリフォルニア」から。

タイトル曲ばかりがクローズアップされるが

実は名曲ぞろい。

緩急バランスの良い曲配置のラストを

飾る曲がこの「The Last Resort」だった。

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Space Oddity

2021-08-17 | 星空の誘惑

昨年10月、越前岬での星空撮影から蔵出し。

その夜は満天の星空、そして銀河が覆いかぶさるように頭上を覆っていた。

 

    
         越前岬(福井県越前町)2020.10.17 21:19  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM(16㎜ ,f/2.8,15sec,ISO3200) 

 

 

さて、星空や宇宙から思いつく曲が...

      
     Space Oddity    David Bowie                                                            

宇宙船に乗り込んだトム少佐と地上管制室との会話がそのまま歌詞となっているが、

この曲が発表された1969年といえば、初の月面着陸を果たしたアポロ11号など有人宇宙ロケットが次々と打ち上げられた年。

さらにまた、前年にはスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅 (2001 A Space Odyssey)」が公開されるなど

宇宙開発への憧れが現実のものとなり始めた時代を背景にした曲だった。

その一方で、デビッド・ボウイは宇宙船を「ブリキ缶」と揶揄し、トム少佐にこう語らせている。

「私は今、ブリキ缶に座って、世界の遥か彼方から青い地球を眺めている。私には眺めることしかできないのに。」

そして、洋々と宇宙に飛び出した宇宙船は制御を失い、トムと管制室の通信は途絶えてしまう。

言ってみればカウンターカルチャー。

同じ時期のアメリカン・ニュー・シネマもそうだったように、

多くの若者たちが感じ始めていた「絶望感」を

デビッド・ボウイは代弁したかったのではないか、と思ったりもした。

そんなことをつらつらと考えながら、

あの時は受け入れることができなかったデビッド・ボウイの奇抜さが

今はとても懐かしく、何度もこのビデオを見返したのである。

 

もうひとつ、記しておきたいことがある。

昨年10月のブログ( 天の川 2020.10.21)に掲載したこの写真のことだ。


    越前岬(福井県越前町)2020.10.17 21:22  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM(16㎜ ,f/2.8,13sec,ISO3200) 

 

今回、あの夜の写真を振り返っていて「あるもの」に気づいた。

先の縦構図を横構図にしただけか、と思われるかもしれないが

銀河を捉えたアングルが違う。

後処理で少しコントラストを強めて、

さらに色を浮き上がらせると

「あるもの」つまり、その星たちがはっきりと見えてきたのだ。

写真中央部、ひときわ明るい星が「こと座」のヴェガ。

その左、天の川を挟んでヴェガと対峙するのが「わし座」のアルタイル。

さらに、ヴェガとアルタイルを結んだ線を底辺とした直角三角形の

頂点に位置するのが「はくちょう座」のデネブだ。

なんとなく夜空に向けたカメラが、偶然にも「夏の大三角」を捉えていたことがうれしく

今頃になって書き記したという次第だ。

ところで、横文字で星の名前をまくしたてられるとわかりにくいかもしれないが

その中の二つの星は、実は、誰もがよく知っている。

ヴェガは織姫、アルタイルは彦星と言い換えると

「なるほど!」と頷いていただけるはずだ。

 

 

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真夏の少年たち

2021-08-15 | 語りかける街

蔵出しが続く。

 

4年前の夏。金沢、犀川大橋詰めでのワンシーン。


 金沢市 2017.08.16  21:02 Sony α99  Planar 50㎜  F1.4 ZA SSM (F4.5 , 1/60sec , ISO5000) 

 

撮った写真はすべてパソコンにしまい込んでいる。

日付ごとにフォルダを作り、撮影場所も簡単に記しておく。

アップする写真が枯渇した時などは、過去のフォルダを振り返るのだが

そうすると、「その時」の記憶が同時に蘇る。

記録的な長雨で外出もままならない夏季休暇。

懐古趣味の自分にはもってこいの暇つぶしなのだ。

 


1990年あたりの映像だろうか。

 
  The Boys Of Summer   The Eagles 

イーグルスの面々にはジャケット姿は似合わないな...と思いつつ

「おじさん達だってまだまだやれるぞ!」

とばかりに頑張る姿が可愛くも思えた。

 

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浅野川光の風景

2021-08-13 | 抒情的金沢

停滞前線が列島に横たわって

しかも、向こう一週間は居座るらしい。

石川県でも能登の一部で観測史上最大の降雨量となっており、

非難など注意を呼び掛けているし、

すでに浸水など災害が出始めている地域もあるとのことだから、

人災にだけは繋がらないよう祈るばかりだ。

 

今日から後半の夏季休暇が始まった。

しかし、コロナ禍にこの雨。

撮影どころか外出もままならない。

「それなら...」と、過去の写真の整理を始めた。

それで、この休みの期間は遅ればせながらの「蔵出し」が続く。

 

2年前、桜の時期。

浅野川沿いの茶屋街、主計町の夜景。

      
 主計町(金沢市) 2019.04.13 20:11  Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (33㎜  f/5.6,1/20sec,ISO1000)    


折にふれての選曲。


  Dark End Of The Street-Ry Cooder 

リンダ・ロンシュタットやパーシー・スレッジなど

各界の大御所がカバーするソウルの大定番曲。

この曲を知ったのはライ・クーダーのインスツルメンタル。

その時は、「道ならぬ恋」を歌った曲などどつゆ知らず

ただただ、しんみりとスライドギターに聴き入っていた。

 

 

 

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海が見えたら Suger Baby Love

2021-08-11 | 日常の中に

真っ青な海に吸い込まれそう!

童心に帰れそうな夏の日のひとコマ。

 


  越前岬(福井県越前町)2021.07.23  8:15   Sony α7S2   FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/8.0,1/250sec,ISO100) 

 


  The Rubettes - Sugar Baby Love 

 

 

 

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夕涼みの情景 By空倶楽部

2021-08-09 | 日常の中に

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


「空倶楽部」8月のお題は「青い空白い雲」。

青い空に白い雲がもくもくと湧く光景は

この時期なら毎日のように目にするから

そう難しくもない「お題」と思ったりもする。

けれども、それを特別な風景の中で、

また何か主題を入れ込んで、と意図すると

なかなか悩ましい。

 

その日の夕刻は、所用で東山へ。

伝統的建造物保存地区に指定されており、

藩政時代からの木造建築物が数多く保存されているので、

「金沢らしい風景」が残る場所のひとつと言っても過言ではない。

その街並みの上に広がる空を撮ろうと

勇んで出かけたはずだったが...。

なんと、昼に湧き上がった雲が消えてしまっている。

遅かったか...と、少し残念に思ったがその日は7月の終盤、

まだチャンスはある、と気を取り直し

何枚か空模様を撮り、別の機会にかけることにした。

ところがである。

その後、十日間ほどの余裕があったにもかかわらず、

週末勝負のサラリーマンに「湧き上がる雲」は巡って来なかった。

 

ということで、その日のカットで、もっとも「お題」に近いと思ったものをやむなく掲載。

浅野川を渡り、ひがし茶屋街へと続く「竹の橋」に広がる夕刻の空だ。

 

 
                               東山・竹の橋(金沢市)2021.07.30  18:20     Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (20㎜ ,f/8,1/125sec,ISO100)   

 

ところで、その時。

この風景の中にあって、近頃あまり聞かなくなった言葉を思い浮かべていた。

「夕涼み」である。

夏の夕刻、夕飯を終えた後など家族で散歩に出かけたり

家の前で花火を楽しんだりもしたものだったが、

近年の異常ともいえる暑さ、さらに熱帯夜はそんな情緒を奪ってしまった。

「夕涼み」という言葉さえ長く忘れていたようだ。

この光景に向き合った時、

傾いた陽が欄干に落とす穏やかな影をファインダー越しに見つめながら、

顔や腕にあたる川風を感じていた。

そして、その涼しげな感触を楽しみながら、

「夕涼み」の記憶を手繰り寄せていたのである。

 


夏のドライブに欠かせない曲をひとつご紹介。

 
     Her Town Too    James Taylor and J.D. Souther

いかつい(?)男二人ながら、

アイコンタクトを取りながらのデユエットは

なかなか微笑ましい。

そして風貌に似合わず、力が抜けた爽やかな歌声が

火照りっぱなしの心と体を冷ましてくれるように思えるのである。

 

 

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ひがし 令和三年夏

2021-08-05 | 抒情的金沢

まん延防止措置発令前夜の「ひがし」。

 

   ひがし茶屋街(金沢市東山) 2021.07.30  21:40   SONY α7S2 FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/2.8,1/20sec,ISO12800)

 

全国にも知れた観光名所で、

普段なら午後九時を過ぎた頃であっても

夜の風情を求めて人が行き来する。

けれども、すでに酒類提供や営業時間の制限が始まっているせいか、人通りはまったくない。

あえて存在感を示していると言えるのは街灯だけで、

これはこれで絵になるか、と自分に言い聞かせてシャッターを切ったものの

人気のないこの街はやはりさみしい。

 

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