見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

京都史跡散歩・源平ゆかりの地を歩く

2012-06-27 06:23:56 | 行ったもの(美術館・見仏)
六孫王神社(京都市南区)

 源氏三神社をめぐる週末。日曜の午前中に河内の壺井八幡宮を訪ね(※記事)、昼過ぎ、京都駅着。大きな荷物を八条口のロッカーに預け、そのまま線路に沿って西へ歩く。見えてきたのが六孫王神社。清和天皇の六男を父として生まれ、源の姓を賜わった源経基(六孫王)の住居跡と伝えられている。由緒書を読んだら、あ、ここが今昔物語にいう「六の宮」、芥川龍之介の「六の宮の姫君」の舞台でもあるのか。



 授与所にはどなたもいらっしゃらなかったが、封筒が用意されていて「ご朱印をご希望の方は、住所とお名前を書いて300円を入れておいてください。郵送します」とある。ものは試しと思って置いてきたら、今日(火曜日)ちゃんとご朱印が送られてきた。送料込みのつもりで400円置いてきたのだが、律儀に100円分の切手が同封されていて恐縮した。南に下り、九条通からバスに乗る。

若一神社(京都市下京区)

 JRの線路下を潜り、西大路八条で下車。目指すは、平清盛公創建と伝える若一神社(にゃくいちじんじゃ)である。バスを降りると、向かい側の歩道に出張ったあやしい植え込みが目に入って「あれだ」とすぐに分かった。



 ご朱印をいただきながら、お聞きしたこと。この一帯は、太政大臣にのぼった平清盛が営んだ広大な別邸(西八条殿)の旧跡である。羅城門から下関に至る山陽道と、丹波口から山陰地方に至る山陰道のどちらにも近く、交通の要所であった。なるほど、西国経営を基盤とした清盛が、この地を拠点にした意味がよく分かった。それにしても、「源氏祖廟」の多田神社のご朱印と「平清盛公守護社」のご朱印が並んでしまって、大丈夫かな?と苦笑。



 表通り(西大路通)に背を向けて立つ清盛公の石像あり。境内では、おじいちゃんが餡入りヨモギ餅の「清盛餅」を出張販売していた。日曜以外は七条通の湯浅金月堂という和菓子屋さんで売っているそうだ。なお、この周辺、やたら道幅が広いこと、大きな街路樹(しかもプラタナス)が植わっていることなど、かすかに異国的な雰囲気が漂う。続いて、徒歩で北上して七条通で東へ折れる。

■源為義の墓/権現寺(京都市下京区)

 このところ、すっかりお世話になっているサイト「平安京探偵団」の情報。「下京区にある権現寺(下京区朱雀裏畑町)の横には、源為義の墓と伝えられる石塔が建っています」というので、行ってみた。Googleマップで権現寺の位置を確認していたので迷わなかった。七条通から七本松通という脇道を南に曲がると、目隠しの長い塀があった。権現寺が公開寺院でないことも把握していたので、たぶんこれだな、と思ったが、表札も出していない徹底ぶりに戸惑う。

 これは境内に入れてもらえそうにないな、と一瞬涙目。いや待て、表門は別にあるのかも…と思って、塀に沿って、七条通に平行した細い路地に入っていくと、左手の住宅地(権現寺の反対側)の隅にぽっかりと、低い塀に囲われた空き地が現れ、濃紫色のアジサイに彩られた五輪塔が見えた。これか!



 嬉しさと懐かしさのあまり、手を合わせるのも忘れて、何枚も写真を撮ってしまった(すいません!)。この為義墓所(供養塚)の存在は、ずいぶん前に「平安京探偵団」のサイトで知って、何度か訪れる機会はあったのだが、ドラマで為義が斬られるのを見てからお参りしようと思って、敢えて先延ばししていた。そのおかげで、石塔のまわりの紫陽花が最も美しい季節にめぐり合うことになって、よかったと思う。それにしても悲運の為義に似つかわしくないほど、妖艶な紫陽花の洪水だった。どなたか、石塔に手向けてくださった方もいるんだな、としみじみした。

 手前の石柱(明治43年建立)には「六条判官源為義墓」とあり。その隣りに石塔の由緒を記した(と思われる)平たい石碑が建っていたが、近づけなかった。あと…写真をよく見ると、正しい五輪塔ではなくて、丸石が団子みたいに二つ縦に連なっている(!)のがじわじわと可笑しい。

 路地の突き当たりを左に折れて、七条通に戻る。↓写真は七条通(南側)の入口である。こちらから来たほうが分かりやすかった。



 (1)が七条通。向かって左はフードマーケット、右は鮮魚屋さんが新装開店していた。(2)突き当たりが権現寺の小さな正門(閉門)。(3)の位置に為義墓所(供養塚)がある。

 これで今回の史跡散歩の目的は全て達し、いちばん近いバス停(たぶん七条千本)からバスで京都駅に戻り、帰京の途についた。

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