見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2014博物館に初もうで(東京国立博物館)

2014-01-07 22:49:22 | 行ったもの(美術館・見仏)
1月2日、東京国立博物館の新春企画『博物館に初もうで』に行ってきた。年々定着してきたのか、観客が増えて、本館1階のコインロッカーに空きがなかったので、東洋館から見ることにした。

■東洋館 8室 『中国の絵画 歳寒三友-中国文人の愛した松竹梅-』(2014年1月2日~2月9日)

 自分のブログを遡っていたら、2006年の新春にも同室で『新春特集陳列 吉祥―歳寒三友を中心に―』をやっていた。当時の私が注目しているのは呂紀の『四季花鳥図(冬)』で、今回とは、かなり雰囲気の違うラインナップだったんじゃないかと思う。今年は、墨画または淡彩の作品が多く、全体に文人らしい清雅な気品が感じられた。私のお気に入りは、丁仁筆『梅花図』。

■東洋館 8室 特集陳列『中国の書跡 顔真卿と蔡襄』(2013年12月3日~2014年2月2日)

 隣りの「書」エリアは、この特集陳列。顔真卿は、私の好きな書家の一人である。これって巧いの?と首をひねりたくなるような、臆面のない正攻法の楷書を書くところが好き。蔡襄(さいじょう)の名前は忘れていたが、朱墨の拓本『万安橋記』を見て、これは見たことがあると思い出した。こういうとき、スマホは便利。その場で検索して、2011年に台東区立書道博物館が『尚意競艶-宋時代の書-』と題し、蔡襄の生誕1000年企画展を開催していたのを見つけ出した。このとき、同館所蔵の顔真卿筆『告身帖』は、蔡襄による跋文だけが開いていて、顔真卿の自書は巻かれた状態だったが、今回は顔真卿の自書と蔡襄の跋文をどちらも眺めることができる。

■本館 特別1室・特別2室 特集陳列『博物館に初もうで-午年によせて-』(2014年1月2日~1月26日)

 さて、本館。今年の干支「午(うま)」は、二次元も三次元も「絵」になるなあ。馬にまたがった羅漢図(十六羅漢像・第五尊者)があったのにはびっくり。 鞍(くら)や鐙(あぶみ)が並んでいるだけでも、美々しく飾った馬の姿が浮かび上がって、わくわくする。

■本館 新春特別公開(2014年1月2日~1月13日)など

 同時に名品を期間限定で公開中。国宝室には長谷川等伯筆『松林図屏風』が出ていた。大勢の人に見てもらうには、こういう公開も大事だけど、たまには閑散期にそっと出してほしい。雪舟の『破墨山水図』は遠目に見て回避。「書画の展開-安土桃山~江戸」は、前回参観(11月末)と変わっていなかったが、今出ている作品には、長沢蘆雪の『蝦蟇仙人図』、岡田半江の『虎渓三笑図』など好きなものが多いので、得をした気分。「武士の装い」には変わり兜(黄金のサザエ)も!!

 1階の11室(彫刻)には、島根・赤穴八幡宮の八幡三神坐像(八幡神・息長足姫・比売神)が出ていた。というか、私は、いちばん目立つところにいらした八幡神坐像に心を奪われ、恐れ多くも写真を撮ったり、夢中になっていて、息長足姫と比売神の像があったことを全然覚えていない。ショックだ~。でも展示は3月2日まで続くらしいので、もう一回見に行くチャンスはあるだろう。なお、15~19室は閉室中。「歴史資料」と「近代美術」の部屋が閉まっていると、ちょっと寂しい。

 最後にミュージアムショップで「古筆カレンダー」を買っていこうとしたら、売り切れていてショック。何年か前も、正月に買いに来たら売り切れ寸前だったので、危惧はしていたのだが…。店員さんが、発売元の書藝文化新社のチラシを探してきてくれて「ここにお電話してみてください」と教えてくれた。その後、5日に五島美術館で残部を見つけて購入できた。今年も古筆の美を眺めながら一年を暮らしていくことができて、嬉しい。

↓今年の新春企画のメインビジュアル(めでたい)。


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