「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の真空管アンプ~その8~

2016年11月08日 | 魅惑の真空管アンプ

「魅惑の真空管アンプ」シリ~ズもいよいよ8回目を迎えた。第一回を登載したのが10月18日だからおよそ3週間の間に8回なので、ほぼ3日ごとの更新ペースになっている。

単にテレビ用の真空管に過ぎない「6FD7」が意外な実力を秘めていることへの驚き、そしてその
新鮮さに興味を魅かれる方が多いようで、上々の反応ぶりにこちらもつい熱が入ってしまう(笑)。

さらに製作者様の情報によると、実際に試聴していただいた方々からもご好評のようで、早くも1回目のロット「5台」が完売となり、2回目のロットを準備中とのこと。

しかし、よく考えてみると、お値段も手ごろだし、持ち運びに便利な軽さだし、音も見かけによらず重心の低い本格派なのでむしろ売れない方がおかしいくらいで、サブアンプとして使いながらも、ひょっとしてメインアンプを凌駕するかもしれない可能性を秘めているところが何とも頼もしい。

今でも評判を聞きつけて乗り気になった方々から試聴希望のメールが当方にもいくつか舞い込んでおり、順番待ちの状態だが、そのメールの内容を拝読させていただくと真空管アンプの「低音域のエネルギー感と制動力」に悩んでいる方がいかに多いかを実感する。実は、かくいう自分もそのクチなのでほんとうに身につまされている。

さて、去る5日(土)、福岡方面の試聴希望者のとりまとめの窓口にあたるKさんがこの「6FD7」アンプを引き取りにお見えになった。名残惜しいがしばしの別れとなるので、アンプの編成替えをしなければならない。

もちろん、Kさんにはお見えになったついでに丁度いい機会だから我が家のシステムを試聴していただいた。

何といっても今回のハイライトはにわか作りの「AXIOM150マークⅡ」の試聴である。

            

画像のライトブルーの箱に容れた「150マークⅡ」(口径30センチ)だが、設置してしばらくしてからちょっとした細工を施した。というのは、聴いているうちに、たしかに素性のいい音なんだけどやはり(箱が)後面開放だと音にタメがないことに気付いた。

グッドマンのユニットはすべてそうだが、ユニットの振幅時に何がしかの負荷を与えた方がメリハリがつくので、ARU(背圧調整器)もどきに、適当に細かい穴を開けた板に補強材をガッチリ張り付けて箱の後ろ側を塞いでみたところ、明らかに音のクオリティが向上した。ほんのちょっとしたことだが、スピーカー周りの細工の効果はアンプを替えたどころの比ではない。

折角だからKさんがお見えになる前にぜひ作業をやっておこうと取り掛かり、ギリギリの前日の夕方にようやく完成をみた。

当日は秋晴れの中、11時過ぎにお見えになったKさんに一番最初にこのシステムを聴いていただいた。

まず、優秀録音で知られるヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」を聴いていただいたところ、ほんとうに驚かれたご様子。イヤ、けっして大げさではない(笑)。

「音の佇まい、音色の艶やかさといい、これが一番いい音ではないでしょうか!グッドマンの赤色マグネットのトライアクショム(口径30センチ)を別宅でちょくちょく聴いてますが、この150マークⅡは優るとも劣りませんよ。」と、仰るのだ。

「たしかに、これが一番いい音かもしれませんね。このユニットは私の好みにピッタリです。ツィーターが無くてもシンバルがとても繊細な響きを出してくれますし、低音域の質感もこれで十分です。オーケストラからボーカル、ジャズまであらゆるソースに対応できますので、これ1台あれば十分でしょう。早いうちにこのユニットに巡り会っておれば無駄遣いしなくて済んだのですが・・・。」

実は内心複雑である。

「150マークⅡ」のユニットは2個とも中古の安物のジャンク品だし、箱の材料は厚さ1センチほどのありふれた集成材だし、プリアンプもパワーアンプも予備役に編入していた残り物を使ったし、こんな安普請のシステムから我が家で一番いい音が出るなんて絶対に許せん!(笑)

ちなみに、集成材の箱の厚さは1.15センチだが、音が鳴っているときにそっと触ってみるととてもいい振動が伝わってきて、この共振が心地よいサウンドを生み出してくれているのだろう。

改めてオーディオに見かけや値段は通用しないと、痛感した!

まさに、うれしい悲鳴だが午前の部はこれで終了。そして波乱は午後に起こった。

午後からは話題の「6FD7」アンプで「AXIOM300+スーパーツィーター」そして「AXIOM80」の試聴に移った。

Kさんは先月(10月)の13日に我が家に到着した「6FD7」アンプを既に試聴されているのだが、そのときに比べると「随分音がこなれてきましたねえ。明らかにエージングの効果が出てますよ。」と、ひとしきり感心されながら二人で「6FD7」アンプの特徴を述べ合った。

低音域はどんな使い方をしても破綻がなさそうなので、あとは中高音域の素直さをいかに引き出すかが使い主の腕の見せ所だろう。


しばらく試聴してから、「今度はひとつ3ウェイの音(箱はウェストミンスター)を聴いてみましょうか。」とお誘いしたところ「いや、私は3ウェイの音は結構です。」とかたくなに拒否される。

まあ、そんなに言わなくてもと、アンプのスイッチを入れて強引に聴いていただいたところ、30分もせぬうちに、そそくさと帰り支度を始められて、「今日はもうこの辺で帰らせていただきます!」。

「エッ、まだいいじゃありませんか。」

「いや、帰宅してから早く6FD7アンプを試聴したいものですから。」

日頃のKさんに似合わぬ言動なので「?」・・・。

思い当たるのに完璧なフルレンジ愛好派で知られるKさんのことだから、3ウェイの音を耳が受け入れず我慢できなかったに相違ない。

「Kさんを殺すのに刃物は要らぬ、3ウェイの音を聴かせればいい。」と、初めて気が付いた(笑)。

モーツァルトが幼少の頃、トランペットの音が大嫌いで聴いただけで恐怖に打ち震えたという逸話があるが、Kさんの耳はまさにモーツァルト並みだ!

フルレンジで聴いていると、つい周波数レンジの広さが欲しくなるので「3ウェイ」にするのだが、するとハーモニーがおろそかになって、ふたたびフルレンジに戻る。そういうことの繰り返しが実験用のウェストミンスターの箱に限って延々と続いている。

まあ、大いに楽しんでいるので仕方がないか(笑)。

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