「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオにおける「正しい音」とは

2019年09月11日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

オーディオシステムから「魅力的な音」(好みの音)を引き出そうと思えば、地獄の苦しみを味わうことになるが、奇妙な快感を伴うことも事実で、世の中には自分も含めて音質依存症になる人が結構いるのはご同慶の至り(笑)。

せっかく「いい音」になったと思ったら、異なる音楽ソースによって次から次に(サウンドに)瑕疵が見つかって収拾(しゅうよ)がつかなくなるというのは日常茶飯事だ。

まあ、半分は楽しんでいるので仕方がないが、はたして客観的に見て「正しい音」とは何かということを知っておいても損はないと思う。

もちろん自分ごときに「正しい音」を云々する資格はない。受け売りである(笑)。

その昔、「オーディオ・テクネ」というオーディオ・メーカーが専門誌に「原音に近づく正しい音とは」と題して記載していたものがある。

ご存知の方も多かろうが、以下、列挙してみよう。

 ボリュームを上げてもうるさくない音で会話が楽にできる

 音は前には出ない。後方に広がり自然に消える

 音像は左右後方に定位し、左右フラットに定位しない

 小さな音でも明瞭度が下がらない

 スピーカーの近くでも離れた後方でも音質、音圧の変化をあまり感じない。音は波紋である

 音は思っている程、迫力、パワー感のあるものではない

 視聴上、歪(物理特性ではない)が小さくなると音像が下がり、音階、楽器の音色が正しくなる

 長時間聴いても疲れない、連室でも音が邪魔にならない

以上、ご参考になれば幸いだが、当方に音響に対する専門的な知識があるわけでもなし、そのまま鵜呑みにするのはどうかとも思うが、これまでのオーディオ経験を通じて、思い当たる節が多い。

たとえば、2、3については「音が前に出てくる」と、いささか品が無くなるし、の「音は(空気の)波紋である」は当たり前のことだが日頃つい忘れがちな事柄。

たとえば2000人ほどを収容する大ホールで弾かれたストラディヴァリ(ヴァイオリン)の音が客席の奥まで伝わるのは音がきれいな形の波紋を描いているからで、直接音とホールの壁に当たって跳ね返った間接音とがうまく重なり合って(ハモって)響いていくのに対し、ダメなヴァイオリンの音がなぜ伝わらないのかといえば楽器から出される波紋がいびつな形なので直接音と間接音とがうまく重なり合わず途中で打ち消しあっているからだと「素人考え」ながら思うのだがどうだろうか。

 ちなみに「正しい音」を得るために、これらの項目群に対して順番に個別撃破すればいいという考え方もあろうが、そうはいかないところがつらいところで、たとえば、ひとつの項目が実現できなければその他の項目も総じて同じレベルに留まってしまうという厳しい現実が待っている。

もちろん、主観的な存在としての「魅力的な音」と客観的な存在としての「正しい音」が一致すれば理想なのだろうが、これがなかなか一筋縄ではいかない。

「俺の場合は両方一緒だぞ」と思っている方もあろうが、そういう自信家の音はあまり当てにならない。

「音の道」を究めるには広く他人の意見を求めるいくばくかの謙虚さが必要だから~。まあ、偉そうに言う資格もないが(笑)。

最後に、いくらノンポリ派の自分でも日頃聴いている音に何がしかのプライオリティ(優先権)を設けていることだけは申し添えておこう。

それは、「音が澄んでいて柔らかい雰囲気で楽器の音色がそのまま素直に表現されているような音。それに音像に奥行き感があること。彫りの深さとでも言うべきか。それぞれの楽器の前後の位置関係が明瞭に分かればこの上なし。」

はてさて、完璧に実現できるのはいつのことやらですね(笑)。   

 

 

 

 

 


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