外交は相手方のあることだとはいえ、今の中共の言い分を日本は聞く必要がない。岸田外務大臣は自らをハト派として印象付けたいのではないだろうか。それを裏で演出しているのがチャイナスクールと評される外務官僚なのである▼昨日の日中外相会談で、王毅外相は中共側の言い分を一方的に主張した。東アジアの秩序を国際法を無視して、一方的に力で変更しようとしているくせに、あたかも自分が正義であるかのように胸を張った。「一つの中国」の政策を守れと日本に要求するのは、台湾への武力進攻の野望を捨てていないからである。「中国脅威論」を批判するのは、自分たちが行っている軍国主義への特化を、あくまでも正当化しようとしているのだ▼安倍首相はどこを同盟国とし、どこの国を警戒するかを明確にしてきている。その決断は正しい選択であり、安全保障上の観点からも日本は、今後も中共に対しては国家として身構えなくてはならない。門戸を閉ざす必要はないが、ことさら媚を売るべきではない▼中共が狙っているのは、政権与党である自民党の分断である。ハト派と目される岸田外務大臣に急接近することで、安倍以後を見据えたしかたかな戦略がある。それに利用されてならない。自民党でよくいわれる振り子の理論は、平時においてしか通用しない。危機的な状況下にあって、自民党が分裂するようなことがあれば、日本の政治は機能しなくなり、中共の思うつぼなのである。
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