白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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Master対棋士 第7局&棋聖戦結果

2017年01月23日 21時16分29秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
第41期棋聖戦第2局、凄かったですね!
井山裕太棋聖の構想も素晴らしかったですが、河野臨挑戦者の追撃も迫力がありました。
最後は差がついたものの、紙一重の勝負だったのではないでしょうか。
第3局も楽しみですね。

また、アンケートにご協力頂いた皆様、ありがとうございました。
今後の参考にさせて頂きます。

なお、この対局は幽玄の間にて、金秀俊八段の解説付きで中継されました。
また、囲碁プレミアムでもご覧頂けます。


さて、本局はMasterの棋譜解説、第7局です。
ようやくタイトルがすっきりしました(笑)。

なお、Masterの対局順や相手については、個人的に情報収集しています。
間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。



1図(実戦)
Masterが黒、相手は喬智健四段(中国)です。
途中まで、第5局と同一の進行です。
第5局では黒1に対して白Aでしたが、本局では白2を急ぎました。
第5局とは多少の時間の開きがありましたが、十分な研究はできなかったでしょうね。





2図(実戦)
前図白Aを打たなかったため、黒1から閉じ込められる展開になりました。
非常にまずいパターンだと思います。
Masterは、こういった勢力の生かし方が非常に上手いのです。
ただ、それは60局見た人間だからこそ言える事ですね。





3図(実戦)
手順が進み、白△と繋いだ場面です。
ぱっと見では、形勢はまだまだこれからといった印象ですが・・・。





4図(実戦)
黒1のケイマが絶好点です。
白2は一見気分の良さそうな当てですが、黒7まで、あっさり2子を捨てました。
こうなると、右辺に取り残された白3子の存在が問題になっています。





5図(実戦)
白1から動き出すしかありませんが、黒8までと平凡に対応され、脱出できません。
右辺で生きるしかなくなりました。





6図(実戦)
白17まで、何とか生きる事はできました。
しかし、黒18、20と中央を囲われ、黒の勝勢は明らかです。
白が右辺で14手かけて2目作る事になっては、効率が悪いどころではないのです。
勿論黒はこんな展開を目指していた訳ではないでしょうが、気が付けばMasterの術中に嵌っていました。
黒完勝です。

さて、ここ数日はMasterの紹介ばかりやって来ましたが、ここらで他の題材も挟んで行きたいと思います。
候補としては、指導碁に現れた場面や問題などを考えています。

最近は解説会や、三村智保九段のブログでもMasterの対局が紹介されています。
棋士によって全く視点が違いますから、そこもお楽しみ頂けるのではないかと思います。