白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

棋聖戦第5局封じ手予想

2020年02月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
昨日はお休みしました。
ネタも時間もありませんでした・・・。
暫く忙しいので、ちょくちょく休みが入るかもしれません。



皆様こんばんは。
本日は棋聖戦第5局の1日目が行われました。
井山裕太棋聖(30)の3連勝の後、河野臨挑戦者(39)が1勝を上げたところですね。
一局でも多く見たいので、追い付くまでは河野挑戦者を応援します(笑)。

ところで、現地で予定されていた解説会が中止になりました。
囲碁のイベントが次々に中止になっていますが、この状況ではやむを得ません。
今年は囲碁界全体が苦しい状況になるでしょうが、覚悟して乗り越えたいですね。

それでは対局の模様を振り返っていきましょう。
なお、この対局は囲碁プレミアムや日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。

1図(実戦)
井山棋聖の黒番です。
白1から右辺を割り、白7と下辺にも先行する足早作戦です。
あえて右辺白を攻めさせて打とうというのですね。
凌ぎの得意な河野挑戦者らしい打ち回しです。

ここは棋風の表れそうな場面でした。
おおらかな棋風の人なら白1ではAなどと打ち、全く違う碁形になったことでしょう。



2図(実戦)
白1は左辺黒模様の拡大を防ぐ穏やかな消し・・・のように見えますが本質は違います。
白×との間でラインを形成していると考えられます。
そして白3に回り、右下黒にプレッシャーをかけました。



3図(打ち掛け局面)
白2、6と、不自然なタイミングで出切り・・・。
これは凶行強攻の準備としか思えません。
怪しげな雰囲気が漂ったところで打ち掛けとなりましたが・・・。



4図(封じ手予想)
封じ手予想は黒△の当てです。
受けの形はこれ以外無く、白Aには黒Bで取れています。
しかし、白Cの切りを見て×あたりに白からの利き筋が生じます。
白Dから右下黒に襲いかかったとき、それが役立つということでしょう。

本気で白が右下黒を取りにいくような書き方をしましたが、実際のところ死ぬ石には見えません。
うまく左辺と絡めて得をすることを目指しているのでしょう。
もっとも、黒が何も譲らない態度を見せればその限りではありませんが・・・。

明日は両者がひたすら読み合うことになるでしょう。
どんな結末になるでしょうか?



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