ネットで、血圧に関する興味深いグラフに目が止まった。記事のタイトルは「今年の健康診断の結果で注意したほうがいい数値や項目は? 産業医が解説」というもの。
グラフ名は「血圧レベル別の脳心血管病死亡ハザード比(リスクの比)」。
年齢別に、中壮年者(40~60歳)、前期高齢者(65~74歳)、後期高齢者(75~89歳)の3つに分けてある。
そして基準となる血圧値(120/80未満)から(120-129)、(130-139)、(140-159)、(160-179)、(180/110以上)のグループに分けて、基準値の死亡リスクを1として、各グループのリスクをグラフで表してある。そして次のように説明している。
「日本における男女計7万人ほどの研究で、年齢によらず血圧は脳心血管病死亡と関連があること、さらに、若い年齢層でその関連がより強まることが指摘されています」
グラフの内容は、
中壮年者において、血圧が140-159 の範囲の人は、基準値の人に比べて3倍の死亡リスクがあるという。さらに 160-179 の範囲の人は5倍のリスクがある。
しかし前期高齢者では、血圧が140-159 の範囲の人は、基準値の人に比べて2倍、160-179 の範囲の人は 2.5倍。
後期高齢者では、血圧が140-159 の範囲の人は、基準値の人に比べて約 1.4倍、160-179 の範囲の人は 1.5 倍ほど。
これで言うと、後期高齢者ではたとえ血圧が180近くあっても、死亡リスクは基準値の人の2倍までない(中壮年者は5倍もあるのに!)
だから、働き盛りの人が180もあったら、ソク治療しなければならないだろうけれど、後期高齢者ではあわてなくてよい、ということだろう。聞くところによると血圧200でピンピンしている人がいるそうだ。
だから血圧の対処は、一概に(一律に)行うのでなく一人ひとり年齢などを考慮して行うこと、ということだろう。