次回の山形Q定期では、演奏会担当者番の私。そろそろパンフレットの原稿ネタを仕入れておかねばなりません。
というわけで、とりあえず一番資料が入手しにくいのではと思われる黛敏郎の書籍を図書館で見つくろって来ました。今日から山響定期のリハが始まっていますので、読書に没頭している訳にはいかないのですが、時間を見つけて少しずつ読むようにしています。
さて、黛さんの音楽。私が初めてきちんと彼の音楽を聞いたのは、高校の音楽の授業で聞いた「涅槃交響曲」。あまりに知っているクラシックとかけ離れていたので、度肝を抜かれたものの、その曲の良さを知るには未熟過ぎました。仏教の声明を取り入れたという男性合唱の声を、だんだんと遠ざかる意識の中で間遠に聞いていたという、恥ずかしい思い出として残っております。
しかしその後、チェロ独奏の「BUNRAKU(文楽)」やオペラ「金閣寺」の実演(ここ大事)に触れる機会があり、すごい、カッコいい!!と感動したものです。黛氏の音楽は、そのタイトルからうかがえるように、大変日本的なものをモチーフとして使っていますが、この極めて狭い部分に特化したような音楽が、世界に通じる普遍性を持つのですから面白い。大学時代、何かの講義で先生が「ナショナルは突き詰めればインターナショナルになる」と言っていましたが、それを体現した作曲家と言えるのではないでしょうか。
弦楽四重奏もどんな響きになるか楽しみです。是非本番、生演奏でお聞き頂きたいと思います。