自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

昆虫の頭・顔 ~ヤブキリ(幼虫)~

2021-04-30 | 昆虫

ヤブキリの幼虫を見かける頃となりました。

 

夕方,我が家にて。砕石を敷き詰めた更地に,このヤブキリがいました。移動中だったのでしょう。この顔を撮ろうと思い捕獲。

家の中で撮ることにしました。すこしでも動くとうまくいかないので,しばらくじっとしているときに巡り合えなくてはなりません。今のところ,わたしが好んでやるのは早朝の時間帯に撮るということです。夜は活動を停止しているので,明け方は好条件ではないかと思っています。

それでも,こちらの動きに敏感に反応することがあるので,慎重に,慎重にやるほかありません。

 

前からも撮りましたが,微妙に動くのでなかなかたいへん。

 

超接写としてはなんとか合格ラインに達したと思うのですが。

 

まだまだチャレンジしようと思っています。

 


「コットン紙,できませんか」(5)

2021-04-30 | 野草紙

今回のコットン紙はできたものの,期待したほどの成果は上がりませんでした。

それで,問題を整理して今後のわたしの願いを実現するために,専門家の知恵をお借りすることにしました。

まず,わたしの知人の和紙職人に尋ねてみることに。彼がいうには,「以前に自分もある企業から相談を受けて試作したが,普通のやり方ではできず,やむなくコウゾを混ぜたものをつくって届けた。普通ではまず無理だと思う」との返事でした。

次に,コットン紙の情報を集めました。100%コットンを使い,他に何も混ぜていない紙をコットン紙ということがはっきり書かれています。なかには,純度についていい加減な表現もありますが,とにかく純粋コットン紙がヨーロッパを中心に漉かれてきたのです。

最大の問題は,わたしが思っていたとおり叩解工程にあることがわかりました。繊維の長さもさることながら繊維をどう叩き砕いて,細かくするかというところに絞られています。コットン繊維は細いので繊維の塊“ダマ”ができて当たり前,それを防ぐのが叩くという工程だと明記されていました。わたしは思いました,「やっぱりな」。

下写真は今回,わたしの普通のやり方で取り出した紙料です。一本のように見える繊維は何本もの繊維の束です。精一杯に取り組んだ結果がこうなのです。

 

それで,できるかどうかわからないし,自信はありませんが,とにかくさらに繊維を細かく泥状・粘状にしてみて,そこに長めの繊維を加えるという手を採用することにしました。繊維を細かくするには,5mm程度に切って,ミキサーでとことん潰します(もちろん,時間を掛けて手作業で叩いてもよい!  でもたいへん!)。

この壁が乗り越えられれば,素人にも純粋コットン紙がつくれることになります。さて。

 


春の孵化 ~続 キタキチョウ~

2021-04-29 | 昆虫

キタキチョウの孵化が続いています。孵化直前になると,その瞬間を見逃さないよう緊張します。今か今かと待ち続けて見逃す,待っているのに一向に孵化しない,そんな個体差がかなりあるのです。

この例は,待ち続けて出る直前に撮影できたものです。ラッキー! 卵の直径は0.45mmです。

 

被写界深度がぐんと浅くなるので,動きのあるものを撮るのはたいへん。

 

頭部がすっぽり出て来ました。頭の幅は0.4mmより小さいはず。

 

白いからだが光ります。つやつやしています。

 

卵の高さは1.37mmです。この小ささの"宇宙"で進む営みです。

 


「コットン紙,できませんか」(4)

2021-04-29 | 野草紙

難度の極めて高いコットン紙づくりなのですが,ここでストップしてはなんだか悲しい話。とりあえず試作できたものですから,今度は十割コットン紙を漉くことを念頭にさらに工夫してみようと思いました。改良点は次の3点です。

  1. できるだけダマを少なくするため,繊維を短く切る。
  2. できた紙料が均一に散らばるように粘剤を入れてからミキサーにかける。

さっそく知人に連絡してコットンを持って来ていただきました。前と同じようにアルカリ剤(セスキ炭酸ソーダ)を加えて煮ます。

ここでちょっと付け加え話。わたしの紙づくり法なのですが,強アルカリ(水酸化ナトリウム)は絶対に使いません。理由は簡単です。だれでもが,安全に紙づくりをたのしめることが主眼だからです。この点,ゴーグルで目を保護し,ゴム手袋をつけて行う紙づくりは推奨できません。

煮終わったあと,離解・叩解工程ではミキサーに頼らざるを得ません(手作業でやらない限り!)。叩解のはじめから粘剤を加えて処理します。これはできるだけダマの数を減らすためです。繊維をいったんきれいに水洗いしたのち,再び粘剤を加えミキサーにかけます。前回は手でかき混ぜるだけでした。改良点1で「できるだけダマを少なくする」と書きました。その手だてとして,手に代えてミキサーで撹拌するのです。おまけに粘剤を徹底して使います。

コットンの色が茶色なのは和綿の特徴です。

 

結果,すこしはダマが目立たなくなった感じがしますが,期待したほどの効果は得られません。困ったなあと感じながら,とにかく最後までやってみることにしました。

でき上がった紙料を容器に移し替え,さら粘剤を加えて手でかき回しました。下写真がこのときの繊維の様子です。やはり繊維の細かな塊が散在しています。

 

この紙料についてはこれ以上の改良策は見当たらず,漉くことにしました。

 

結局,良質のコットン紙をつくるには最小単位の繊維を最大に分離するほかはありません。いってみれば,繊維がどろどろ状態になって,それより長めの繊維が適当に散らばっているというイメージです。長いものがないと紙の強度が保てません。

そう考えると,繊維をさらに短めに切る,具体的には5mm程度に切っておくとそれに近い紙料が得られるのかもしれません。高水準の粘状処理といってもよいでしょう。

さらなる試みが続きます。

 


春の孵化 ~キタキチョウ~

2021-04-28 | 昆虫

公園でキタキチョウの卵を採取。メドハギの新しい茎が伸びてきて,その葉に付いていたのです。茎の高さは10cmかそこら。葉をようく観察して探していくと,意外にあちこちに見つかりました。

それをコップに挿しておいていると,数日後に孵化が始まりました。なつかしいシーンです。この状態になると,孵化の瞬間を見逃さないようにしなくてはなりません。口元が盛んに動くなるのが孵化の兆候です。

 

円い穴を開け終わって,「さあ,誕生!」というところです。

 

やや時間があって,こころ(?)の準備ができたと思われたとき,決心したかのように出始めます。

 

ゆっくり。顎を開けたり閉じたり。

 

頭部が出終わりました。なんともみずみずしいからだです。「おめでとう!」の瞬間です。

 

あとはぐーっとからだを出して,下方に向かいます。

 

自然界ではこうした営みが限りなく続いているのです。たった一例なのですが,室内でその一端が観察できるのは"自然となかよしおじさん"冥利に尽きます。

 


カラスノエンドウの花とアゲハ

2021-04-28 | 昆虫と花

隣家の畑で目撃したこと。

畑の片隅に雑草が生えていて,カラスノエンドウがまばらに花を付けています。そこを通りかかると,偶然目に留まったのがアゲハです。花で蜜を吸っている最中でした。

 

花から花へと移って行きながら蜜を吸い続けました。近くに寄って撮影。翅の動きが速いので,こんな画像になりました。

 

たしかに吻が伸びています。

 

なかなかよい場面を目撃しました。ラッキーでした。

 


春の孵化 ~ベニシジミ~

2021-04-27 | ベニシジミ

先日採取したベニシジミの卵が次々に孵化し始めました。撮影できたもので,画像としてはマアなんとか合格だろうと思われるコマをご紹介することにします。今回は一個体の変化です。

この個体は,下写真の状態が3時間ほど続きました。どうしたのかと思うほど,ふしぎなことでした。

 

自動車で出かける用事ができたので,持っていきました。目的地に着いたとき,見るとタイミングよく孵化が始まっていました。見逃さなかったことがなによりです。

 

なんとか頭部にピントが合いました。

 

「よいしょ!」。思わず声をかけたくなるような。身を乗り出すようにして誕生!

 

出終わると,さっさとどこかに去って行きました。

 

何度撮っても,何回見ても,心打たれるシーンです。

 


山道でルリタテハの卵

2021-04-27 | ルリタテハ

4月27日(火)。晴れ。

今頃になると,山沿いの道ではサルトリイバラが若葉を付けます。そこに越冬から目覚めて活動中のルリタテハが産卵。その卵を探すのがおもしろくて,サルトリイバラの葉を見ると,確かめたくなります。

 

ヒキガエルのオタマジャクシの成長を追っているので,調べに行く途中,山道でこの卵を発見しました。今季第一号です。

山道脇からわずかにはみ出すように茎が伸び,その葉の一枚に産み付けられていました。ルリタテハの眼からすれば,そこが自分の飛翔コースに位置するためか,産み付けやすかったのでしょう。

 

接写してみました。 直径0.95mm,高さ0.9mm。

 

久しぶりに孵化を撮影したくなって,持ち帰りました。さて,いつになるやら。

 


昆虫の頭・顔 ~続 クロボシツツハムシ~

2021-04-26 | 昆虫

クロバシツツハムシの頭部を,わずかに解像度を上げて撮ることができました。雨が上がったときに探すと,ニセアカシアの葉にいたのです。じっとしていたので,ラッキーでした。

体長5mmの先端に位置する頭部なので,自然にいる状態でこれだけ撮れただけで十分。被写界深度の浅さを考えると,止むを得ません。

 

しばらくすると動きかけました。この瞬間にシャッターを押した作品です。

 

大きく動かないうちに,前からも撮りました。向かって右の複眼辺りがもうすこし明るかったらよかったのですが,今回は贅沢はいえません。

 

動く昆虫を,「どうかしばらくじっとしていて!」と願いながら撮るのはドキドキ感が伴います。スリルがあります。昆虫となかよくするのはたいへんです。

 


公園の春(10) ~アオハダトンボ~

2021-04-25 | 昆虫

向こうからふわりふわりとやって来たのがカワトンボ。たぶんアオハダトンボのメスでしょう。運よく,柵の支柱に着地。

 

位置を変えました。翅先に白い斑(偽縁紋)が見えます。全体が薄い褐色。

 

アオハダトンボはきれいな水辺に生息するトンボ。水質の指標です。つまり,ここはまだ大丈夫! 

いよいよトンボの季節です。こんなに近くから接写できるのは稀です。今年はとにかくうまく近づくコツを磨きたいと思っています。