自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クモヘリカメムシとエノコログサ

2020-06-30 | カメムシ類

庭に生えたエノコログサの穂に,クモヘリカメムシがいっぱい。イネやイネ科植物の汁を吸うことで知られています。これが水田に発生すると,大きな被害を受けることに。

 

口を突き刺して吸汁しています。

 

なかには,複数の個体がいる穂も。

 

これは四匹。

 

上から見ました。

 

五匹だって。

 

よく見ると,幼虫が。親に似て,スマートな体型です。

 

 

雑草の世界だけならよいのですが,栽培植物にまで影響するのは困ったもの。でも,当のカメムシはヒトに関係なくイネ科植物に集まる習性を身に付けただけ。ヒトが誕生するずっとずっと昔に。

 


大発生,ホオズキカメムシとその卵

2020-06-30 | カメムシ類

今,カメムシが地域で大量発生しています。病虫害防除所から病害虫発生予察注意報という,いかめしい名の付いたお知らせが出ています。

我が家の畑では,ジャガイモに続いてピーマン類にホオズキカメムシがわんさか付いています。おまけにニジュウヤホシテントウも。わたしの経験でも,これほどの発生は記憶にありません。ホオズキカメムシもニジュウヤホシテントウもはナス科植物が大好きなので,このまま放っていれば吸汁による被害がいろんな野菜に出て来ると予想されます。

 

成虫や幼虫が闊歩するほか,葉の表や裏にも卵があちこち産み付けられています。孵化も観察したいのですが,それ用の卵はいくつか置いておき,他は葉を切り取って始末することにします。そうでないと,どんどん殖えていくのは目に見えています。

 

幼虫や成虫の退治するのに農薬は極力使いたくありません。とりわけ収穫時やその直前に散布するのは,健康被害を思うと絶対に避けなくては。

 

そこで今回採用したのはペットボトルを活用した捕獲器です。ポピュラーな道具です。使うのはこれと箸。容器をカメムシの下辺りに持って行って,箸で落とすと穴に落下。地面に落ちたものは擬死して動かなくなります。それを箸でつまんで穴から投入。

 

それにしても,退治するのに相当な根気と期間がいりそうです。

 


ショウリョウバッタモドキの幼虫?

2020-06-29 | 昆虫

自宅の畑にて。

ナスの葉に見慣れないバッタがとまってじっとしていました。はじめはオンブバッタかなと思ったのですが,背部に赤い色が帯状に伸びていて,まだ幼虫であることから,そうではないと判断。調べると,決定的なことはいえないものの,どうやらショウリョウバッタモドキの幼虫らしいと思えて来ました。

 

成虫は撮影したことがありますが,幼虫を見るのは今回が初めて。

 

さっさと逃げるわけでもなく,意外とゆっくり動いていきました。

 

翌朝,雨が降る中で隣りのナスにいるショウリョウバッタモドキを見かけました。たぶん同じ個体でしょう。

 

畑の野菜栽培は灌水や除草などで結構手間暇がかかります。それでも,あれこれ発見があります。そこが魅力です。

 


アゲハの卵に産卵するキイロタマゴバチ

2020-06-29 | 昆虫

アゲハのなかまたちにとってキイロタマゴバチは困った天敵です。キイロタマゴバチにとってアゲハの卵は格好の繁殖場所です。「よくもマア,こんな小さな卵を見つけて産卵することよ」。そんなふうに思いますが,タマゴバチの体長と比べると,卵は2倍。2倍ながら,わたしたちのものさしでは1mm程度。つまり,キイロタマゴバチは体長が0.5mmほどの小ささです。

卵は隠されたようにして産み付けられてはいません。したがって,卵は見つかりやすいのでしょう。

 

アゲハの卵の成り行きを観察していて,またまたタマゴバチのいる場面に遭遇。

 

一カ所にとどまって産卵しては,また移動。産卵は刺した管を上下しながら卵を注入するような感じで行われます。

 

いま,産卵中! その場面です。コンデジでとらえられる微小世界です。

 

まさに,"いのちのスポット"といった雰囲気ですね。

 


夏! 虫の目写真シリーズ(6) ~オオカマキリの幼虫~

2020-06-28 | 昆虫

早朝の畑にて。

ナスの株で,カメムシとニジュウヤホシテントウなど害虫を捕っていたらいたら,オオカマキリの幼虫がいました。ここでどんな獲物を待っているのかわかりませんが,わたしが退治したい害虫なら大歓迎。

そんなことを思いつつ,虫の目で記録しました。葉の色とそっくりのからだは獲物の目を油断させます。

 

レンズを近づけると移動しました。しかし,遠くに逃げる様子はありません。姿同様,堂々としたふるまいです。

 

昇って来た朝日がからだを照らします。

 

茎先に移動しました。

 

そこからゆっくり降りかけました。晴れ渡った空のもと,ご機嫌な一日を過ごすことでしょう。機械があれば捕食・摂食中の姿を撮りたいですね。

 

畑での出合いは,ありふれているものの,自然を見つめるよい材料になります。

 


ミナミヒメヒラタアブの産卵行動

2020-06-28 | ヒラタアブ

マキの木でミナミヒメヒラタアブが数匹産卵行動をしていました。この木にはアブラムシがあちこちたくさんいて,アリも登ってきています。

 

見ていると,産卵する姿が何度もありました。

 

めったにトリミングはしないのですが,今回は特別に卵の様子をご覧いただくために切り取りました。卵を産んだ直後だとわかります。

 

移動しながらあちこちで産卵を繰り返しました。こういうときの心得はチャンスを待つに限ります。ひたすらそのときを待つのです。

 

オスも葉の間を飛びながら,産卵行動に関心がありそう。なんらかのかたちでかかわっているのでしょう。

 

孵化も見届けられたら申し分ないのですが。さて。

 


夏! 虫の目写真シリーズ(5) ~続々 ヤブキリ~

2020-06-27 | 昆虫

庭のマキの葉を見ると,ヤブキリのオスがいました。成虫なので,葉に溶け込む体色をしているもののかなり目立ちます。我が家はどうもヤブキリに縁がありそうです。

 

驚かさないように注意深くレンズを向けました。夏の陽射しを浴びて,気持ちよさそう。空の雲がなかなか味わい深く思われます。

 

ヤブキリはすこし移動。わたしもそれにつれて移動します。

 

腹部の膨らみがいいですね。「さすがに成虫!」という雰囲気です。

 

風景に溶け込んだヤブキリです。いのちに拍手を送りたくなります。

 

再会したいものです。

 


学校と除草剤

2020-06-27 | 随想

ある小学校前を自動車で通りかかったとき,そこの斜面が妙に褐色になっていました。自動車が近づいたとき,それは斜面を覆う草々であることがわかりました。ここの直接の管理者,つまり管理職が除草を簡単に済ませようと散布剤を撒いたのでしょう。

とても印象的だったので,申し訳ないと思いながら記念に数枚撮っておきました。校門階段の脇です。

 

学校を含め公共施設で敷地を管理する上で,除草作業には苦労が伴います。自分の経験では,昔からそうした作業は管理職や校務員に委ねられてきました。あるいは教育予算が許すならシルバー人材センターに作業を委託したもので,今も事情はほとんど変わらないのではないでしょうか。

人が頻繁に出入りする施設で,行き来する場所で,薬剤を散布して草を枯らすのは,わたしの範疇では禁じ手です。とくに子どもが生活する空間は厳禁です。いくら毒性が弱い薬剤だからといっても,皆無ではありません。この例の場合散布面積からすると,相当な量だと思われます。健康被害に加えて,景観維持,環境教育上も好ましくないでしょう。

わたしが現職だったときは,除草は管理職の仕事として引き継がれていました。わたしも複数の学校で草刈りを重ねました。いくらたいへんな作業でも,草払い機の維持費と燃料代以外,経費をかけるのは無理な時代でした。作業をしていると地域の人から「おつかれさま」の一声が掛かりました。立ち話もしたものです。みんなの財産を汗で守るのは管理職に課せられた当たり前の仕事で,職員がこうしたことに振り回されずに教育に専念する上でも当然だという雰囲気でした。

考えてみると,周りの水田の畔や土手はみんな手作業で定期的に除草されています。安易に除草剤を撒く人はだれもいません。だからいつも草の色。その中で学校の敷地だけがぽつんと変色しています。一定期間,草枯れ色。このコントラストは異様です。

 

学校はだれにとっても大事な公共施設。住民の血税で維持管理されている施設。そのことへの自覚がしっかりしていないと,こんな光景が繰り返されるでしょう。そうしたいのなら,なによりも地域住民の理解を得なければ……。

さて,今後取るべき話になります。教育予算に計上できるだけの理解が市町当局にあれば,シルバー人材センターに作業委託できるでしょう。あるいは,学校支援ボランティア制度を充実させて,その中で知恵を絞ればどうでしょう(わたしはそうしてきました)。さらに話を発展させれば,学校づくり協議会が設置されているのなら,そこがおおもとになって解決策を探ったらいかがでしょうか。 

まず管理責任者として改善に向け声を上げていただきたいですね。自己判断だけで動くのは禁物です。今施設を管理なさっている方にはたいへん申し訳ないと感じつつ,敢えて書かせていただきました。

 


ヒメクロオトシブミの観察 ~続々 幼虫~

2020-06-26 | 昆虫

梅雨で雨が続きます。雨が上がっているとき,コナラで再びヒメクロオトシブミのゆりかごを発見。二つです。雨で湿っています。

それを持ち帰って,一つだけ割ってみました。どれぐらい成長しているのか,確認するためです。もう一つはそのまま置いておくことに。

さて,このとき合点のゆくささやかな事実に行き当たりました。カッターナイフの刃を入れたとき,じつに軽くやさしく入ったのです。乾燥していると葉がボロボロっと崩れる感じです。「そうか,湿っていたらやんわりと切れるんだ」。それが発見です。これからは湿らせてから切ればよさそうです。

切ると,中に幼虫が入っていました。まだ蛹にはなっていません。簡単に画像記録だけして元に戻しておくことに。

よく肥えているように見えます。

 

とても小さな頭部です。

 

からだを包んでいる枯葉を食べるだけで,こんなに育ちました。口もとや目がよくわかります。

 


モンキチョウ,卵どっさり,孵化たっぷり(続々々)

2020-06-26 | モンキチョウ

本シリーズの締めくくりです。誕生直前の卵の内部をご紹介します。もちろん,外から卵殻をとおして見える様子です。意外とリアルな姿が迫ってきます。

薄い皮の向こうに顎がくっきり。それに,機械感覚毛と根元のソケットも。

 

頭部の側単眼,顎,そしてからだに生えた無数の毛がくっきり。頭部と尾部とが触れています。

 

カプセルの中に,折れ曲がったからだがくっきり。

 

機械感覚毛が一本光っています。穴の大きさを測っているような。

 

頭部が出て来ました。誕生です。様々な器官とその配置の見事さよ。いのち,このふしぎな小宇宙。

 

モンキチョウの卵から学べるものはどっさり。