初齢幼虫は,からだを赤紫色の筒状のものが通っているのが大きな特徴です。
この幼虫を半日から一日おいてから撮影したものが以下の写真です。赤紫が消えています。頭を動かし,口を上下させながらなにか食べていました。葉に生えた突起でも口にしていたのかもしれません。
この個体は赤紫色が残っています。たぶん,これが無くなっていくのでしょう。
これは別個体です。透明感のあるからだです。
観察をとおして確認できる事実こそ生のすがたです。
初齢幼虫は,からだを赤紫色の筒状のものが通っているのが大きな特徴です。
この幼虫を半日から一日おいてから撮影したものが以下の写真です。赤紫が消えています。頭を動かし,口を上下させながらなにか食べていました。葉に生えた突起でも口にしていたのかもしれません。
この個体は赤紫色が残っています。たぶん,これが無くなっていくのでしょう。
これは別個体です。透明感のあるからだです。
観察をとおして確認できる事実こそ生のすがたです。
例9。たくさんの卵があった中,遅れて孵化した個体です。
無事に誕生!
幼虫の体色がわかります,
例10。卵の集団からすこし離れたところにある卵。
なにがシグナルになって孵化開始となるのでしょう。先に孵化した幼虫たちの振動が関係しているのではないでしょうか。
例11。ずいぶん遅れて孵化した幼虫です。
奥行きがある場面は,接写ではピントが甘くなります。やむを得ません。それで頭部にピントを合わせることになります。
これだけ撮影したら,わが家の畑にいるフタトガリコヤガの生態にかなり近づくことができたように思います。
例6。ほんの少し孵化の兆候が現れた瞬間を見逃さない,これがフタトガリコヤガの撮影には欠かせませんでした。幸い複数の卵があるので,見逃しは少なくてすみました。
出終わるまで撮影を続けます。
例7。一つぽつんと産付された卵です。
例8。二つの卵が同時に孵化を迎えました。こういうときはそれこそたいへん。
からだを大きく伸ばした後,下向きに。
一気に孵化が始まるといった状況なので,それに対応するのがたいへん。
卵がかたまって産み付けられているところを観察していると,孵化が始まるとそれに続いてどんどん孵化します。
例1。向こう向きに出始めました。
からだを盛んに動かします。
例2。側単眼にピントを合わせます。
ここまで出てくると,からだが左右に大きく振れます。
例3。幼虫の機械感覚毛が見えます。
頭部と卵殻がくっきり。
そのまま出て来て,からだが真っ直ぐに伸びたときにシャッターを押しました。
例4。こちらに向かって出て来ました。
例5。横向きに出て来ました。こういうときは卵を入れて全体が撮れます。
これだけどんどん誕生すると,撮影に大忙しです。
卵の殻をとおして内部の幼虫が見え始めたら,いつ孵化が始まるのかわかりません。予測不能です。したがって,しきりと気にしておくほかありません。
幸い,初めての観察なのに,孵化の兆候が見えてきた瞬間がありました。左上の卵です。卵の一部が動いているのです。これは口で殻を破り,出口をつくっていることを示しています。
じつにさっさと出て来ます。
動きが速いので,ピント合わせがたいへん。からだの特徴を見ると,本シリーズ(2)でご紹介した幼虫とはちがっています。あの幼虫にはなにか異変が生じていて,いのちが停止していたのかもしれません。
出てしまうと卵殻方向に向き直りました。そうして近づいて卵殻を食べ始めました。
しかし,全部を食べてしまうことはなし。
初めての観察。そして撮影となりました。記念となるコマです。言い過ぎかもしれませんが大満足ですね。
じつは,孵化を観察し撮影してから卵の変化が筋道だってわかったので,以下の記事を書くにあたってのわたしのこころの内は,「もうびっくりした!」というほどの驚きはありません。「なるほどなあ」という納得感のほうが強いという感じです。
そんなわけで淡々と記事にしてしまいますが,初めて感じたときの強烈な驚きが根っこあることだけはご理解ください。
本シリーズの一回目にご紹介したとおり,卵の色は純白です。サイズは直径0.6mm,高さ0.5mm。かたちはバフンウニのそれにそっくり。
卵の産み付け方についても触れておきます。一個が単独で産み付けられている場合もありますが,集団の場合もあります。集団のときは,丹念にきれいにというのでなく,まったく適当に産付されています。それで上に重なっているために固定がとても不安定に見える例が多く見られます。たくさんの卵なので,数で勝負というところなのでしょうか。あるいは,オクラの実の表面に毛が密生しているので,卵を密着させることができないのかも。
さて,変化は顕著に現れます。つまり純白のままであらず,です。黄色っぽくなって,それからおやおや赤っぽい斑が出現。
赤っぽくなる前に橙色に変化。それも,全体が橙色なのでなくモザイク模様のよう。どんな変化が起きているのか,興味津々といったところです。
横倒しになった卵がありました。これで高さがわかります。0.5mm!
橙色が赤っぽくなると……。よくよく見てみると,もうすぐ生まれいずる幼虫の毛が見えます。これにはびっくり。ということは,赤っぽいのは幼虫の体色なのでしょうか。
この答えは間もなく見えてきました。それについては次回に。
幼虫がたくさんいるので,それぞれの成長段階にあるすがたを記録しておこうと思い,撮影しました。厳密に何齢かはわかりませんが,大まかに若齢なのか終齢近くなのかはわかります。その程度でご紹介しておきます。
オクラの実をルーペで調べていくうちに,初齢に近いと思われるごく小さな幼虫を見つけました。動かずじっとしたまま。体色が黒っぽいのは生まれたときからそうなのか,まったくわかりません。毛まで黒色です。白いからだが,時間とともに黒味を帯びてくるのかもしれません。なお,卵の様子が大きく変化していますが,このことについては次回に取り上げます。
すこし大きくなった幼虫は,あちこちにいるので,探すのに苦労なしです。若齢と思われます。
からだに黒斑が現れています。終齢に近くなってきています。
これは終齢幼虫の特徴を持っています。斑点がハート型に変化。
このようにあちこちにたくさんいます。葉は無残なすがたになりつつあります。
大まかには以上のような経過をたどります。付け足しなのですが,脱皮の瞬間を観察できないかなあと欲張って思っています。
オクラの葉がフタトガリコヤガにすっかりやられています。オクラがよほど好きなようです。わたしからみれば,はっきりとした害虫です。害虫であれ,オクラが好きなので食べられること自体はやむを得ないのですが。
その前の段階の幼虫です。あちこちにたくさんいます。
卵もあちこちに。実にも葉柄にも。葉にも産み付けられているのでしょうが,そこまで確認していません。害虫除けの農薬を散布するなどもってのほか。
接写で卵を撮りました。
表面には突起がどっさり。
今は純白。産付されて間もないのでしょう。これが変化する様子を追ってみようと思います。
なにしろ,追及の虫ですから。
タイワンタケクマバチはヒマワリが大好き。たくさんのクマバチがヒマワリ畑にやって来ています。花粉や蜜を集めているのです。
できるだけ近づいて撮ったのが下写真です。
このクマバチを漢字で書くと,“台湾竹熊蜂”。外来種で,台湾方面から入り込んだものとわかります。調べてみると国内で初めて確認されたのは2006年とのこと。
巣は枯れたタケがほとんど。タケは水分がなくなると,とても固くなります。にもかかわらず,平気で穴を開けて中に入り込みます。
今夏,わが家の木棚で目撃しました。そこに枯れたタケを置いています。その一本にいつの間にか穴を開けて巣を作っていました。出入りしているのでそれとわかったのです。
こんなわけですから,例えば竹ぼうきなども気をつけておかなくてはなりません。タケのほかではビニルホースでさえ要注意だそうです。そうそう,それから危険性なのですが,危険なことは危険らしいですが,相手にしない範囲では安全なようです。
昨日の終齢幼虫とは別個体です。まだこんなふうにいるんですね。
ここはずうっと向こうが見える高台です。家並みが見えます。山並みも。そして雲も。撮影場所としては理想的です。追いながら撮影チャンスを待ちました。
前脚の先を複眼のところに持っていって,ゴミでも落としているのでしょうか。
後脚が力強そうです。
とうとうこちらを向いたところを撮るチャンスに恵まれませんでした。その後,幼虫はぴょんぴょん跳んでどこかへ行ってしまいました。