自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

昆虫の頭・顔 ~続々 ウスモンミドリカスミカメムシ~

2020-12-30 | カメムシ類

アゲハの庭園にて。

カスミカメムシのなかま,ウスモンミドリカメムシが吸汁しているところを目撃。今回の植物はバラ,場所は枯れた花の中。

 

「よくもまあ,こんなに小さなカメムシがいること!」と驚くほどの小ささ。吻を突き立てて,じつに安心して没頭している様子。

 

すこし位置を変えたところを撮りました。

 

正面から頭を撮っておかなくては,と思い,感づかれないようにカメラ位置を移動。カスミカメムシのなかまは,その複眼の様子が独特です。

 

さらに倍率を上げて撮影。

 

なんとか撮影できました。「ほっ」。

 


昆虫の頭・顔 ~続 ウスモンミドリカスミカメムシ~

2020-12-26 | カメムシ類

キクの花にとても小さなカスミカメムシが一匹。体長は5mmほど。あとで名を調べると,ウスモンミドリカメムシとわかりました。

 

吻を突き刺しては花汁を摂っていました。複眼のこの雰囲気はカスミカメムシならではのもの。わたしにはなんだか幻想的な感じがします。

 

どれだけ小さくても,頭部と顔だけはしっかり撮っておきたいと思い,前方向からチャレンジ。動きが一瞬止まったときにシャッターを切りました。前後に長い形なのでピントが甘くなっています。

 

しばらくすると花弁に移動。そして,パッと舞い上がってどこかに去りました。なかなか機敏です。

 


キマダラカメムシの卵(3)~孵化~

2020-08-29 | カメムシ類

発見四日目。朝の様子です。大変化の兆候はありません。

 

ずいぶん透明感のある表情! ついついきれいだなあと感じます。

 

発見五日目。朝見ると,すでにどの卵も孵化済み! 生まれたばかりの幼虫たちは卵の周りや上にいました。まことに美しい姿です。誕生の瞬間を見逃したのでしたが,またの機会を待ちましょう。産卵後,たぶん6日程度経っているのではないでしょうか。

 

時を同じくして,一斉に誕生するのでしょう。その場面が見たかったー! どんなふうに,どんなかたちで出て来るのでしょう。

 

もっと近寄って。

 

やや時間あって,撮ったのが下写真。頭を卵殻側に向けてじっとしていました。

 


キマダラカメムシの卵(2)

2020-08-28 | カメムシ類

発見二日目。観察しやすいように卵を採取して持ち帰りました。ササの葉が枯れないように切り口を湿らせ,密閉ガラス容器に入れました。

 

この日の様子です。

 

発見三日目。昼。変化が現れました。それぞれの卵の蓋に,橙色の斑点が2対,黒いものが一つ。

 

二対の橙色のものは目かもしれません。黒っぽいものは口でしょうか。蓋の内側に白いものが縞模様に見えます。口らしいものの下には,黒っぽい縞模様がわずかに確認できます。

 

真上から撮りました。

 

夜。上で「黒っぽい縞模様」と書いた部分が,どの卵においても大きくなっています。孵化時がどんどん近づいています。

 


キマダラカメムシの卵(1)

2020-08-20 | カメムシ類

公園にて。

ササの葉の裏側に,黄白色をした卵がかたまって産み付けられていました。蓋部分があるので,明らかにカメムシの卵とわかります。しかし,その名前まではわかりませんでした。

 

行儀よく12個。

 

美しさの感じられる卵です。

 

撮影後,同定作業を開始。すると,すぐに判明しました。キマダラカメムシが産んだものでした。

このカメムシならたくさん見かけます。とくに,コブシの木によく発生します。しかし卵を見たのは初めてです。それなら孵化を見てみたいと思うのは,わたしの好奇心の常。

本記事を発見一日目とします。

 


続 スカシヒメヘリカメムシの卵(続) ~誕生~

2020-07-24 | カメムシ類

そして一日が経ちました。ふと見ると,もう孵化を終えた幼虫たちがうじゃうじゃ。「しまったー!」。そう思って探すと,たった一匹,孵化途中の幼虫が目に飛び込んできました。

 

慌てて記録開始。

 

手前のカメムシの触覚が視野を遮りそう。それで反対側から撮りました。脚が出かけました。

 

脚がすっかり出て,からだも出終わりました。

 

全身が真っ赤。しばらくすると頭部と胸部,それに脚が茶色を呈してきます。

 

色がはっきり変わって来ました。

 

なんとか,最後の最後,直接観察に間に合いました。「ほっ」。

 


ブチヒゲカメムシの脱皮

2020-07-24 | カメムシ類

ノゲシの花でよく見かけるのがブチヒゲカメムシの成虫。

 

ある日,下側に幼虫時の殻がぶら下がっていたので,脱皮後間もないすがただと思われました。昆虫は外骨格で装備した生きものなので,カメムシとて脱皮しないことには成長できません。

ブチヒゲカメムシはマメ科やキク科植物の害虫として知られているようです。したがって,当然作物を荒らす厄介者になっています。

 

名の由来は触覚の色彩からだそうで,白と黒のブチになっているからとのこと。写真で見る触覚はたしかに縞模様です。写真の殻を見ると,背部が縦に割れていることがわかります。よくぞ,ここにぶら下がってくれていたこと!

 

特定の植物種との関係は,草食性昆虫ならいずれもあります。これはもう致し方ないこと。たまたまヒトの生産活動に害を及ぼすために嫌われているのですが,昆虫写真を愛するわたしは複雑な気持ちになります。割り切るほかありません。

 


続 スカシヒメヘリカメムシの卵

2020-07-23 | カメムシ類

孵化場面で,一匹が無事に出終えるまでを観察できないままでした。ありがたいことに,仕切り直しができるチャンスがやって来たのです。卵の発見場所は前回の卵と同じ敷地内。探してやっと見つけることができました。

 

これから,この卵の変化を追ってみることにしました。

 

数日後,卵の窪みが際立ってきました。肝心な時を見逃さないようにしなくてはなりません。

 


スカシヒメヘリカメムシの卵(続)

2020-07-21 | カメムシ類

孵化した幼虫たちは,成虫とはまったく違った姿・色をしていました。

 

卵から出かけている幼虫がいました。「これはいい場面!」と思いながら撮影。真っ赤なからだです。

 

ところが,ふしぎなことにある姿で静止状態になって,それ以上進行しないのです。それも数個体。「おかしいな,おかしいな」と感じていて,ふと浮かんだのが,寄生バチの仕業で打撃を受けたのかもしれないということ。さて,どうなのでしょうか。

先に孵化し終えた幼虫が,あとを追う幼虫を促しているように見える場面がありました。妙なことに,吻を突き刺して体液を吸っているかに見える姿も見えたのです。

 

数時間後に見ると,孵化途中の幼虫は同じ状態のままでした。やはり無事に孵化できなかったのです。理由が寄生バチに起因しているのか不明です。もし寄生バチにやられているとすれば,カメムシもたいへん。

 

なお,スカシヒメヘリカメムシは作物に被害をもたらすカメムシ類でなさそうなので,そのつもりで付き合えます。

 


スカシヒメヘリカメムシの卵

2020-07-20 | カメムシ類

ノゲシの花が咲いています。萎んだ花を見ていて,総苞にごく小さな卵のような塊があるのを発見。コンデジを使い接写モードで覗くと,どうやらカメムシの卵のよう。あとで調べてわかったのですが,正体はどうやらスカシヒメヘリカメムシが産み付けたものらしいです。

 

撮影していてびっくりしたのが,寄生バチがいたこと。寄生バチとしてはカメムシタマゴトビコバチがよく知られているようで,もしかするとこれの正体もそれなのかもしれません。

 

夕方見ると,総苞片がすっかり反り返って卵が見えなくなっていました。

 

翌々日のこと。枯れかけた花は雨の影響を受けたのか,元のかたちに戻っていて卵がよく見えていました。そして,それを見てびっくり。すでに孵化が始まっていたのです。

 

            (つづく)