自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~緑色型ショウリョウバッタとヒトと~

2018-10-31 | 昆虫

公園で見かけた緑色型ショウリョウバッタを撮っているときのこと。

 

突然横から,一人の父親らしき方が「何の写真を撮っていらっしゃるんですか」と聞いて来られました。家族連れの来園者です。"虫の目"の説明をすると,「見せて!」というご要望。見ていただくと,すごく感動なさっているのです。もちろん子どもさんもびっくり気味。

「それじゃ,バッタと,その向こうにいらっしゃる皆さんを丸ごと撮ってみましょうか。よければプレゼントしましょう」。それだけの対応をしても,けっして大げさでないほどのびっくり度だったのです。聞くと,遠いまちに住んでいらっしゃるようで,ときどき遊びでこの公園に来られ,わたしたちのミュージアムにも立ち寄ってくださっているようです。

ヒトはバッタにとって環境要因の一つです。共生の気持ちで構図を決め,シャッターを押します。

 

プリントして郵送させていただくことにしました。これも一期一会です。

 


ススキ紙&オオエノコログサ紙づくり(1)

2018-10-31 | 野草紙

隣県にある小学校から,紙づくりの話をしてほしい,できれば子どもたちと一緒に紙を作ってほしいとの出前依頼が舞い込みました。

お引き受けする以上は,インパクトのある中身を準備したいと思案。せっかくなので,今の季節にふさわしい材料を使って紙を漉き,それを持ち込んでみようと思い立ちました。“ふさわしい材料”でパッと浮かんだのが,ススキとエノコログサ。さっそく採集しました。ススキは穂の下辺りの茎,エノコログサはオオエノコログサの茎に決めました。どちらも葉付きです。

はじめにススキから煮ました。使ったアルカリ剤は,今回はセスキ炭酸ソーダ。重曹よりも多少アルカリ度が強いので,煮沸時間は短くて済みました。それでも4時間です。

煮始めの様子。

 

煮ている途中,何回かセスキ炭酸ソーダを少量追加投入。

 

4時間後の様子。

 

煮終わったあと,団子状に丸めると……。

 

煮汁を捨てるのはもったいないので,翌日これを使ってオオエノコログサを煮ました。

 

煮ている途中の様子。

 

煮終わったあと,団子状に丸めると……。

 

これをミキサーで離解・叩解するだけではもったいないので,今回はミキサーに加え,石臼を使って手作業で長めの繊維を取り出すことに。できれば書道用半紙かコピー用紙が漉けるとおもしろいのですが。 

 


今秋最後,ヒメアカタテハの産卵(続)

2018-10-31 | 昆虫

10月24日に産付された卵のその後を記事にしましょう。

順調に孵化に向かっている卵三個の様子を写真でご紹介します。まず,10月30日(水)早朝に撮影したものです。産付後六日近く経っています。

 

卵内には影がしっかりできています。

 

毛も確認できます。

 

孵化が確実に近づいています。

 

以下は同じ日の午後したものです。産付後,ちょうど六日が経ちました。頭部も毛もはっきり見えます。

 

朝より様子がよく見えます。

 

卵の大きさはこんなものです。一目盛りは1mmです。

 

24時間以内には孵化するでしょう。

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~コバネイナゴ~

2018-10-30 | 昆虫

秋はイナゴの季節です。田舎で暮らしていると,イナゴと稲田の組み合わせが強烈に浮かんできます。昔,稲刈りをしていたときイナゴがわんさといたものです。そんな風景は今では夢のまた夢です。

多少は復活気味ですが,比べようがないほどの減りようです。

さて,畑のネットにコバネイナゴがとまっていました。大きさからメスと思われます。動きが鈍いので,簡単に写真に収められました。

 

後ろから撮ると,奥行きが感じられます。

 

イナゴが遠望しているかのような風景です。どれだけ先が見えているのでしょう。 

 

秋空にイナゴという風景は,やっぱり澄み切ったという感じです。秋の風景にお似合いです。 

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~ハラビロカマキリ~

2018-10-29 | 昆虫

更地にハラビロカマキリがいました。ハラビロカミキリを“虫の目”で撮ったことはありません。それで,わくわくして画像記録。

後方から,カマキリ目線で撮りました。 

 

前から撮ることに。レンズを触ったり威嚇しようとしたりするので,こちらから軽く威嚇すると,静かになりました。それでも堂々とした姿勢です。

 

横写真を撮りました。カマキリはモデルとしてはなかなかのものです。

  


昆虫の顔 ~クルマバッタモドキ~

2018-10-29 | 昆虫

トノサマバッタほどでないにしろ,このクロマバッタモドキにも相当な貫禄があります。トノサマバッタの体形をそのまま小さくした姿は堂々としています。

 

ふつうなら近づくと逃げるのに,このときは意外に静かでした。もちろん,わたしに気づいたときは全身がピクンと反応して警戒心が生まれるのがわかりました。それを承知で,そっとそっと近寄るのです。

 

後ろから後脚を撮りました。関節のすごさが見えます。腹部のなんと大きいこと! 

 

さて,頭部。ここもまた枯草を真似てカムフラージュ作戦に徹したデザインです。複眼までも! 複眼と触角の間に小さな側単眼がポツンと見えます。

 

前方向から撮ってはじめて“顔” といえます。まだ口器周辺がわかりません。

 

チャンスを待って,やや下から撮りました。幸運にも下方に草がなく,じっとしてくれていたので,ばっちり。細かに名付けられている部位名称を資料参考に書き入れます。

 

ざぁーっと顔を眺めているだけでは,こんなに具体的な姿は見えて来ないでしょう。わたしはまだまだ勉強不足です。  

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~ヤマトシジミ~

2018-10-28 | 昆虫

アゲハの庭園にて。

そこにはカタバミガ生えていて,ヤマトシジミがたくさんすんでいます。吸蜜やら求愛行動やらが頻繁に観察でき,平凡な出来事であるものの飽きることはありません。花にとまっているのは,カップリングのチャンスを狙っているからです。レンズを一気に近づけると,気配を察知して逃げてしまうので,とりあえずはすこし離れたところから。

 

その後,気づかれないようにレンズを近づけます。こちらの翅の先はレンズに触れているようです。チョウは翅を開きました。オスです。

 

ぐっと開いたときにも撮りました。しかし,これでは頭が見えません。昆虫写真としては今一つ。

  


今秋最後,ヒメアカタテハの産卵

2018-10-28 | 昆虫

10月24日(木)。むらのグラウンドにて。昆虫写真を撮っていると,偶然目に入って来たのがヒメアカタテハ。ヨモギの葉にとまりました。「これは産卵するな」と思って見ていると,やぱりそのようです。ヨモギの葉を探して飛んでいるのは間違いなし。

 

とまった葉をあとで見ると,やっぱり!

 

ここにも。

 

この卵は,どうも異変が起こっている様子。中に,粒状のものが詰まっているように見えます。 

 

観察を続けてみましょう。

 


イボバッタのカップル

2018-10-27 | 昆虫

路上を歩いて見かけたのがこのイボバッタ。それもカップル。腋の草地は草刈りを終えて枯れ草だらけ。それが付いていたため,てっきり草と勘違い。指で触ると動いたので,バッタとわかりました。もっと接近して撮っておけばよかったのに。

 

枯れ草をそっと取り除いて接写をしました。いかにもごつごつした突起です。

 

単独でいるときなら警戒心が露わなのに,このときはまったくその気配すら感じませんでした。

 

お陰さまで落ち着いて撮れました。

 

曇り空で,時刻も遅かったのでフラッシュで撮りました。

 

交尾中のイボバッタに出合ったのは初めて。チャンスはまったく偶然に訪れます。カメラの携行は,だから欠かせません。 

 

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~キタキチョウ~

2018-10-27 | 昆虫

キタキチョウの交尾を見ました。今どきとしてはとてもめずらしいと思われます。キタキチョウの越冬態は成虫です。産付された卵から孵化した幼虫は,て冬までに終齢に達して,羽化しなくては冬支度に間に合いません。果たしてそれができるのでしょうか。

いたところはツツジの葉裏。そこに別のキタキチョウが飛来し,離れようとしないので目に入って来ました。なんだか邪魔をしているような。

 

カップルは微動だにしません。

 

ここで”虫の目” で見てみました。翅脈をとらえつつ,遠景も。ここは山の裾です。右手を見れば斜面になっているのがわかります。足元には溝があります,

 

ツツジの向こうは歩道です。

 

あいにくの曇り空。晴れていれば鮮やかな色で撮れたのですが。