屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

大晦日

2008年12月31日 | 日常


2008年は百年に一度の大不況とか、
しかし、その発端がサブプライムローンだとしたら、
人間なんてずいぶん愚かな生き物だと思ってしまう。
地球温暖化よりも、マネーゲームの果て、
人類は相争ってついに滅亡してしまう、そんなシナリオが見えてくる。

今年はかねてからの計画を実行できた年であった。
(1)岬と花をめぐる、北海道海岸線一周の旅
(2)桜前線とともに北へ、東北縦断の旅(秋田~下北半島一周)
しかし、楽しいことばかりではない、
昨年の父についで母を亡くし、
また親しかった友人を癌でなくし、
仕方ない定めとはいえ悲しみの年でもあった。

今年の「屯田物語」の締めくくりは「百合が原公園の暮色」・・
来年の計画といえば、
来春早々は沖縄へ、そして関西をまわり、
花の季節には北海道の海岸線をもう一度まわってみようかと思っている。

わたしの「屯田物語」は五年目、「幼馴染」は二年目を迎えます。
そうですね、少なくともあと十年を続けてゆくつもりなので、
これからもよろしくご愛読お願いします。

どうか、よいお年をお迎えくださいね。



八月の狂詩曲

2008年12月25日 | 映画


「八月の狂詩曲」
お婆ちゃんと四人の孫の夏の日の思い出・・

原爆投下で夫をなくし、その戦争への憎しみ悲しみをじっと胸に秘めて生きてきた女。
それが、ある八月の台風の日、不気味な雲の流れをみたとき、
彼女は原爆投下直後にタイムスリップ、突然夫の安否を気遣って砂利道を走り出してしまう。
「お婆ちゃん」「お婆ちゃん」と叫ぶ四人の孫
凄まじい風雨が”野ばら”の明るいメロディにのって、
その追いかけっこは滑稽でもあるが、台風の最中なのに暖かい空気をそこに感じる、
不思議な余韻が残るラストシーンであった。

小学校の校庭に焼け爛れてへし曲がったジャングルジムがあって、
長崎へ行くことがあれば、その無残なモニュメントに触れてみたいと思った。

リチャードギアも出演している。
彼は撮影終了後に「もうアリとは共演しない」と言い残して帰国したそうである。
原爆でなくなった夫の法要、
たくさんの蟻が一列になって、真っ赤なバラの花に群がるシーンがあって、
そこにかなりの時間がかかってしまったからである。

シリバ岬付近の冬の日本海・・
タイトルの背景写真は定山渓の猫、かわいい顔をしていたが、
野良猫なのかな。



2008年12月24日 | 映画


「夢」
オムニバスによる八つの夢のテーマは自然破壊にたいする警鐘、そして反核・・
黒澤明のメッセージが色濃く含まれた作品である。
そして、さいごの夢は”水車村”
百三歳の老人のおだやかな言葉がこころに沁みこむ・・
「生きることは辛いというが、わたしはなかなかいいものだと思う。
とても面白いではないか」

CO2削減の一大キャンペーンの結果、
原子力発電所の建設がますます推進されるかもしれない。
しかし、放射能が怖くて化石燃料に拠っても、人類は永遠に生きながらえることはできない。
地球という資源はひとつ、
今更の如くエコを唱えるのは文明を享受し尽くした先進諸国のエゴだともいえる。

わたしの夢は”ニセコの夕陽”をみてから・・

2008年12月23日 | 映画


「乱」をみたよ・・
三の城が炎上するシーンは凄まじい迫力があって、さすが黒澤明だね。
「影武者」から明らかに進化している作品と思った。
原作はシェクスピアの「リヤ王」、
甘言に弄ばされた戦国武将の悲劇を見事に描いている。

もっとも印象に残った場面・・
怨みをもって一文字家を滅亡させようと企む楓の方、
当主の証である兜を渡す素振りをみせながら、
身を翻して夫太郎の殺害を命じた弟次郎の首筋に懐剣を押し当てる。
原田美枝子の演技はとても繊細で華麗、目の眩む妖艶な動きに魅了された。
「蜘蛛の巣城」の山田五十鈴、「羅生門」の京マチ子、
黒澤作品で描かれる女はかくも妖しく美しい。

ニセコをまわっているとき・・
サイロが目にとまったので、ちょっと寄り道してみた。


夜はぷちぷちケータイ短歌

2008年12月22日 | 


昨今のニセコはオーストラリアをはじめ海外のスキーヤーがいっぱい、
そのため、リゾート開発が盛んでお洒落なログハウスが建ち並んでいた。
しかし、今冬は雪不足のせいか円高のせいか、
観光客の姿は少ない、羊蹄山麓はまだ静かに眠っているようである。

昨日、BS番組の「夜はぷちぷちケータイ短歌」に三首投稿した。
お題は”恋”、投稿総数は16,753通というから、端数の3首はわたしの分?である。
残念ながら紹介されなかったが、こんな経験もなかなか面白い。
三首のうちのひとつは 幼馴染 (←クリック) に掲載した句であるが・・

 秋桜をつくづくみれば薄紅の十九のときのおまえかと思ふ


影武者

2008年12月20日 | 映画


きのうの黒沢作品は「影武者」・・
武田信玄の影武者に仲代達也、
そして、徳川家康はオーデションから選んだ素人を登用、これは驚きである。
武田の騎馬軍団が疾走する長篠の戦はとても迫力あるシーンであった。

しかし、黒沢映画の最大の魅力は比類なき娯楽性にあるが、この作品は少し趣がことなる。
「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」をみたときのわくわく感を覚えることはなかった。
もちろん、名作には違いないが。

わたしの黒沢作品のベストスリー
「生きる」「七人の侍」「天国と地獄」「赤ひげ」「椿三十郎」・・
あれれ、かなりオーバーしてしまったね。

後方羊蹄山・・
ずっと薄曇のため、山頂ははっきり確認できない。
この雪原にうつぶせになって撮っていたから、
膝小僧がじんわりと濡れてきて冷たいよ。

層雲峡の忘年会 Wさん、O君からいただいた写真 (←クリック) を別アルバムに登録しました。


高校三年生

2008年12月19日 | 風のガーデン


「風のガーデン」の最終回、
忘年会で層雲峡へきていたが、ラストシーンはみたよ。
”カンパニュラの恋”切々とした哀惜の調べはとても儚くて悲しい・・
再放送かDVDがでれば、そのときは全編とおしてゆっくりと鑑賞したい。



でも、今夜は東高の友人たちとの忘年会である。
これほどあやしく?盛りあがった年忘れは久しぶりかもしれない。
心配ごとはあるが、それはきっとうまくいったにちがいない、
そんな確信があったりする。

幹事を引き受けてくれたO君・・
酒飲みの愉快な野郎ども、それを優しくみつめてくれた美しい女性たちに感謝感謝!!

 いつまでもきれいな女(ひと)と酒を飲む 瞼とじれば高校三年生     春



翌朝の層雲峡はうっすらと雪がつもっていた。



竜王戦

2008年12月18日 | 百合が原


竜王戦の第七局、
第一日目の封じ手はおそらく▲9一と・・
その直前の後手は、
控え室では△6二飛、しかし、渡辺竜王はおおかたの予想を裏切って△5二飛と指したのである。

羽生挑戦者が封じ手を考慮している間、
渡辺竜王はどこか落ち着かない仕草で、何度か対局室を出たり入ったりしていた。
封じ手間近になって、対局者のこんな様子はみたことがない、
もしかして、竜王は自分の錯覚に気がついたのではないかと思った。

さて、どちらが永世竜王の称号をかちとるか、
明日の二日目の対局は朝から目が離せない。

でも、明日は旭川へゆくので、さて経過をみることができないよ・・
そうなんです、同期の友人と忘年会なんです。


カンパニュラの恋

2008年12月17日 | 風のガーデン


”ノクターン/カンパニュラの恋”をiTunesにダウンロードした・・

富良野を舞台にした「風のガーデン」から、
ショパンの楽曲をモチーフにした”ノクターン”と”カンパニュラの恋”は「風のガーデン」の主題歌と劇中歌・・
ドラマティックなメロディーにのせて、平原綾香の歌がこころの奥深くしみわたってゆくのを感じる。

カンパニュラの恋 ←(試聴できます) を聴いていると、いつしか遠い日の風景が思い出されて、
ノスタルジックな想いがわたしをつかんで離さない。

 いつの日か 果てしない空は
 短い夏をさらってゆく
 甘さも痛みも 風に吹かれて
 ベルのように揺れる花が 時を数える


カンパニュラというのは「小さい鐘」という意味、
ベルのような花・・
和名はフウリンソウ(風鈴草)
そして花言葉・・
 誠実、感謝、抱負、不変、貞節、思いを告げる、後悔、おしゃべり

これはカンパニュラではない、百合が原に咲いていた花・・



葉牡丹の渦

2008年12月16日 | 百合が原


 葉牡丹の渦の謎解けくる齢      森茉明



先日の葉牡丹はいささかボケていたし、
もう一度と思って・・
すでに花は脇に片付けられており、
なんだか単調で面白みのないアングルとなってしまった。

それでも、カメラを持ってじっと見つめていると目が回って、ブラックホールじゃないが、
蘂の中心に吸い込まれそうになる。

はじめはキャベツみたいであまりきれいだと思わなかったが、
こうして写真を何枚も撮ったのだから、
いつのまにか葉牡丹の魅力に惹かれていたのかもしれない。