6月まであと二週間・・
いよいよ新緑の季節が始まった。
さあ、四季をとおしてもっとも爽やかな初夏を迎えるのだ。
爽やかといえば、
二十四歳で夭逝した立原道造の詩編「優しき歌Ⅱ」・・
爽やかな五月に
月の光のこぼれるやうに おまへの頬に
溢れた 涙の大きな粒が すぢを曳いたとて
私は どうして それをささへよう!
おまへは 私を だまらせた……
【星よ おまへはかがやかしい
【花よ おまへは美しかつた
【小鳥よ おまへは優しかつた
……私は語つた おまへの耳に 幾たびも
だが たつた一度も 言ひはしなかつた
【私は おまへを 愛してゐる と
【おまへは 私を 愛してゐるか と
はじめての薔薇が ひらくやうに
泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
私の心を どこにおかう?
月の光のこぼれるやうに おまへの頬に
溢れた 涙の大きな粒が すぢを曳いたとて
私は どうして それをささへよう!
おまへは 私を だまらせた……
【星よ おまへはかがやかしい
【花よ おまへは美しかつた
【小鳥よ おまへは優しかつた
……私は語つた おまへの耳に 幾たびも
だが たつた一度も 言ひはしなかつた
【私は おまへを 愛してゐる と
【おまへは 私を 愛してゐるか と
はじめての薔薇が ひらくやうに
泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
私の心を どこにおかう?