散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

黒田バズーカ砲は華麗なる空砲か(1)~株と無縁の住民の眼~

2013年04月24日 | 経済
アベノミクス「3本の矢」の最初は、黒田日銀総裁によるバズーカ砲であった。期待上昇に「期待」する大胆な金融緩和であって、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略へと続ける政策だ。ならば、合図の空砲か?

運動会の日の朝、ドドーンと花火が打ち上がる音を聞いて、「今日は運動会だ!」と気持ちをときめかした記憶が蘇ってくる。その日が晴天であればなおさら気持ちが乗ってくる。“空砲”であっても意味はあるのだ。尤も、気分は盛り上がっても、普段より速く走れ、徒競走で一等賞を取ったわけではないが。

それにしても大仕掛けだ!「異次元」緩和とは良く言ったもので、早くも流行語大賞候補にノミネートだ。だが、円安・株高を引き出したとはいえ、輸出企業の従業員でもなく、株の持合わせも無い一般住民にとっては、将に単なる空砲なのだ。

毛利元就の「三本の矢」は、束ねて威力を発揮することを意味する。即ち、政策から言えば、パラレルに進行し、個別撃破を防ぐのだ。一方、「3本の矢」は、1本目の矢から始まり、2本目、3本目とシリアルに続ける。3本目の成長戦略が本命であって、金融緩和と財政出動は、それだけでは意味を持たない説明がされている。

インフレ目標が達成できるまでは金融緩和を継続し、景気が良くなるという期待を高める。しかし、期待が高まっても実際の景気を引き上げる契機を必要とする。そこで、政府は前年度補正予算と今年度予算で公共事業など積極的な財政出動を行う。その間の景気を引っ張っていく。さらに、政府主導の成長戦略を策定して民間の投資意欲を高め、政府によるキッカケ作りから民間による本格的な成長へと展開を図る。

これは3本の矢というより、幾つかの報道機関の指摘があった「3段式ロケット」というべきストーリーだ。しかし、この言葉は「金融緩和―財政出動―成長戦略」が一連で密接に関係した政策をイメージさせる。また、安倍政権としてもそのようなイメージを国民へ与えたいと考えているはずだ。

一方、先に述べた一般住民の視点では、金融緩和は無関係、財政出動による公共施設投資も関係が薄く、成長戦略だけが少し身近なだけだ。それは、三つの政策が独立で実行可能なことを意味し、住民視線からは成長戦略だけを実行すれば良いことになる。金融緩和、財政出動は、結局これまでの自民党政権の二の舞、政府の借金を増やし、後世へツケを回すだけなのだ。

      

      

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