白い詩集の少女 北条綾子(十九歳)
フリージア
何が好きかと問われ
フリージアと応えた
きっとフロントに飾らせたのであろう
ベッドルーム 純白フリージア
バスルーム 黄色フリージア
ティルーム 赤紫フリージア
ここはあなたのお気に入り六甲山上ホテル
窓辺に神戸のネオンの夜景
あなたの演出 私の胸は開花する
あなたは純白の花に
手折ればこぼれそうだと囁いた
横顔にどこか淋しい憂いが
私ははげしく咳き込んだ
そっとあなたは私を抱いた
花びらのこぼれるのを怖れるように
ワイングラスが光っている
今宵私はフリージア
あなたに捧げるフリージア
離れられないフリージア
抱かれて眠るフリージア
フリージア
何が好きかと問われ
フリージアと応えた
きっとフロントに飾らせたのであろう
ベッドルーム 純白フリージア
バスルーム 黄色フリージア
ティルーム 赤紫フリージア
ここはあなたのお気に入り六甲山上ホテル
窓辺に神戸のネオンの夜景
あなたの演出 私の胸は開花する
あなたは純白の花に
手折ればこぼれそうだと囁いた
横顔にどこか淋しい憂いが
私ははげしく咳き込んだ
そっとあなたは私を抱いた
花びらのこぼれるのを怖れるように
ワイングラスが光っている
今宵私はフリージア
あなたに捧げるフリージア
離れられないフリージア
抱かれて眠るフリージア