反対咬合の第1期治療の、小学校中ほどの患者さん。
前歯が部分的に上下逆に噛んでいて、かつ上下前歯の真ん中が若干不一致です。
見た目だけではなく、奥歯の前後的噛み合わせは、しっかり反対咬合系のズレがあります。
奥歯部分は逆に噛んでいないので、まずは前後左右的なかみ合わせの改善からスタートです。
反対咬合系の人は上下の顎の大きさのアンバランスがあります。
歯の大きさの個人差の要因はありますが、下の歯並びに比較して、上の歯並びがデコボコの場合が普通です。
この患者さんは治療前の時点では、上下でそれほどデコボコは目立ちません。
しかし、パノラマX線でチェックすると、乳犬歯は早期脱落が予測されます。
隣の側切歯が出て来る時期に、押されて早期の乳歯根吸収があるわけです。
成長期のマウスピース装置、プレオルソを使用して5か月後。
上の前歯4本は外側移動して一段落ですが、隣の乳犬歯はやはり早期脱落しました。
また、真ん中のズレは治癒していません。
歯のズレの要素も少しはありますが、骨格的非対称も始まってきているかもしれません。
個人の下顎成長パターンもあって、この時期の矯正的アプローチでは、さらにできることはありません。
上の歯並びについては、X線写真で分かるように、犬歯が最も高い位置で形成され、生え変わるのも最後くらいです。
なので、デコボコのしわ寄せが犬歯に来て、八重歯になるわけです。
この患者さんは、もちろん八重歯が予測されますが、全体的な矯正治療はさらにその先です。
中学生の終わり頃までは下顎成長があって、噛み合わせの変化が予測されます。
その後に、歯並びかみ合わせを総合的に評価して、最終的な矯正治療のリスタートです。
ふたつき子ども歯科 http://fc-dental.jp.net