かつての小児歯科というのは乳幼児の虫歯治療という仕事が多く、また患者さん側からのイメージもそうであったと思います。当院は「子ども歯科」という名称ですので患者さん側からすれば相変わらずそのようなイメージを持たれているのかも知れませんが、私側としましては、「大人になるまでの歯科関係なんでも屋」と認識しています。
ですから、虫歯の治療&予防はもちろん、歯と周囲の外傷、小児の口腔外科的処置、顎関節や歯ぎしりの問題、発音や食べ方の問題、歯周病(主として歯肉炎)の治療&予防、歯科矯正治療などが当然含まれるのが、現在および近未来の小児歯科だと考えます。かつての虫歯を削る系に偏ったものは「クラシック小児歯科」とでも呼んだ方がいいかも知れません。
さて、矯正相談に来院された保護者の方から、「歯を抜かないで治療可能ですか」という相談を比較的多く受けます。最近はインターネットなどで色んな情報が多いと思いますが、全体的に矯正治療をするとなると、永久歯を何本か抜かねばならなくなるのではないかと危惧されているようです。
抜く理由、抜かなくても良い理由についての詳細は難しい部分ですので、その基準について簡単にお話しする機会も多々あります。非常に簡単に説明すれば、歯の大きさと歯並びの大きさに不調和が大きい時(通常歯のサイズが大きいことが多い)、前後的に上下の顎の大きさや位置のズレが大きい時に第1、または第2小臼歯を抜く可能性が高くなります。
抜歯の可能性を減らすことができる一方法が成長期を利用した早期矯正治療です。詳しくはその2以降に続けたいと思います。
例えばこのような歯並びの中学生。
上は八重歯が目立ちますし、下の前歯の歯並びもデコボコですね。
抜く治療になるの? 否、この患者さんは抜かずに治療OKです。パッと見た目だけでは分かりませんよね。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
http://www.futatsuki-dental.com/