福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

永久歯前歯の歯並び

2006-09-30 | 歯並び、矯正の話

乳歯の時期の歯並びがガタガタということは殆ど無く、受け口とか指しゃぶりなどによる出っ歯などの、噛み合わせの問題や相談が大多数です。
ところが小学校に入る頃になって、永久歯の前歯が生え変わる頃になると、下の前歯はデコボコ、上の前歯はハの字に開いていたり捻れたりして生えてくることが少なくありません。前歯で目立ちますので、保護者の方からも「この時期に矯正をしたほうがいいのでしょうか?」というような相談が増えます。
昨日早期治療の話を書きましたが、矯正歯科医に限らず早期治療のアプローチは増えているようで、最近は、ちょっと治療は早すぎない?と思われる話も聞きます。特に上の前歯の生え始めの時期はUgly Duckling Stage (みにくいアヒルの子の時期)という歯科業界用語にもあるように、最初はハの字で捻れていても、次第に良くなっていくことが期待されます。このような状態は、確かにすぐ矯正治療をすれば良くはなりますが、せずともかなりのところまで改善が期待できますので、治療の要否の判断はそれからでも遅くありません。
治療をする歯科医側としてみれば、しなかったらどこまで改善するか経験していないということもあるかも知れません。
むし歯や歯周病についても同じで、定期的な健診で患者さんの時間軸が見えてきますので、問題改善の過程や限界が見えてきます。これは、変化の大きい小児では特に強い味方だと思います。

この8歳の患者さんは、上の前歯間のスペースの件で当院でのセカンドオピニオン希望でした(実際には4件目)。
まず経過観察でOKですが、この時期での治療を奨める歯科もあるようです。

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乳歯の受け口治療 その1

2006-09-29 | 歯並び、矯正の話

5月はじめのブログで、反対咬合の治療ということで一般的な治療時期と治療の流れをお話ししました。私は小児歯科をやっていて、それから咬合誘導、予防矯正、さらに矯正歯科のほうへアプローチした経歴ですので、歯並び噛み合わせの治療については、早めに行って良い結果が出たという経験は多くしています。
私が所属していた九州大学病院小児歯科では、以前は小児期の噛み合わせの研究や臨床が積極的に行われており、とくに反対咬合すなわち受け口については大きいテーマでした。実際私自身も、乳歯が安定している(なぜ安定しているというか? それは、5歳半ば位になると前歯の部分は永久歯との交換の準備が始まり、歯を動かす装置を使うには中途半端な時期に突入します。)4歳頃に反対咬合の治療をした経験は結構あります。これより以前は年齢的に装置使用が困難なことが多いので、時期が限定されるわけです。
従来の矯正治療といえば、出来上がった歯並びと噛み合わせを改造するというイメージが歯科業界内でもありましたが、最近は随分、予防的な早期治療が矯正医のなかで評価されて来ていると思います。受け口については、前歯が逆に噛んでいるという見た目の状況が同じように見えても、原因によって最適の治療開始時期、将来の予測も含む重症度は異なります。
受け口の場合、上下顎の大きさおよび成長発育との関連性が結構ありますので、最終的な見極めがティーンエイジャー中期頃になるという長期戦になりがちです。ですから、乳歯時期に受け口で相談されても、「様子をみましょう」という歯科医の返事が通常です。ところが原因や状態によっては、乳歯時期の早期治療の有効性が大きい場合があります。すなわち、早期治療で全て解決しなくても、その後の治療が随分楽になるということです。そこを診査、診断、予測するのが重要であり、専門性だと思います。

乳歯の受け口の患者さんの一例です。

数か月の治療で前歯の噛み合わせは改善しますが、この将来的効果は皆同様ではありません。歯科医としては、そこの見極めが重要です。

 

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江津湖の自然

2006-09-25 | できごと

昨日は熊本にいました。午後から子ども達と江津湖に行ってみました。熊本は以前は「水と緑の都」とか言われてましたが(今もそうだとは思いますが)、市内にこのような自然が残った広い場所があるとは、とあらためて感じました。
子ども達は、勝手にボートを借りて漕いで、その後広場でサッカーをしていました。風は爽やかなのですが、さすが熊本はまだ暑くて、水遊びの子ども達もチラホラ見えました。最近はこんな川遊びの姿もあまり見なくなったな~という、ちょっと懐かしいような光景です。帰りはしばらく散策しながら帰ったのですが、大量の水が湧き出すこの地域の水流は、さすがにひんやりと心地よく澄んでいました。

ボートの先にはカルガモ隊がのんびり泳いでいたりします。

散策の途中の池の真ん中あたりに像の滑り台。夏場は賑わうのでしょうが、まわりがあまり静かなので、少しミスマッチのような・・・。

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スマトラオオヒラタクワガタ

2006-09-23 | できごと

今年の初め頃(確か2月頃です)、ちょっと知り合いの歯科医B先生から、「小児歯科だから子ども達に見せたら喜ぶよ。」と言われ、開業お祝いみたいな形でクワガタを頂きました。このB先生、カブトやクワガタのブリーダーみたいな人で、Bデンタルクリニックの院長室には、結構な数の甲虫類がいるとのこと(歯科関係の業者さんからそのような話を聞きました)。
我が家の子ども達に訊いたら、「これはパラワンオオヒラタクワガタだよ。」というので、お礼の電話で尋ねたら、「いや、あれはスマトラオオヒラタクワガタです。まだ子どもですけどね。」とのこと。その頃でも結構大きかったので、うまく飼えなかったらどうしようかな~とか思いながら、自分なりに当院院長室で飼育してきました。それから半年少しなりますが、夏場になって食欲、活動性とも増して育ったようです。昨日体長を測ってみたら、ほぼ90mmでした。後で知ったのですが、あまりデリケートな種ではないようで、今後も飼育OKのようです。
子どもの患者さん達が時々院長室に見に来ますが、このクワガタ結構気が荒いようなので、ちょっと注意を促しています。歯の治療や予防に来て、指を怪我したらね~…。

 

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歯の生え変わりの問題 その3

2006-09-22 | 歯並び、矯正の話

「まだ4歳なのに乳歯がグラグラしてきました」とか、「乳歯が抜けたんですが、後から変な形の永久歯が出てきているようです」というような相談で来院されることがあります。このような事がよく起こるのは、上の前歯の部分です。
年齢のわりに早く乳歯がグラグラしてくる原因はいくつかあります(ちなみに上の前歯(中切歯)が生え変わるのは7歳頃です)。乳幼児の頃に上の前歯を打撲すると、その後の後遺症として根が早く溶けてしまうことがあります。また指しゃぶりが長く続くと、乳歯の根が細って、さらに短くなってきて、グラグラが早く始まることがあります。前歯のむし歯が重症で根の治療をした場合で、その経過が不良ですと炎症で根が溶けて同様の症状が出ます。虫歯の場合、歯ぐきの腫れを伴うこともあります。これらの場合、乳歯の根が勝手に早く溶けてグラグラになり、早めに抜けることがありますが、永久歯は年齢的に充分には育っていませんので、しばらくは永久歯が出ない状況が続きます。
もうひとつ、乳歯と永久歯との間に過剰歯があって、乳歯の根の部分を押して溶かした場合、早く生え変わりが起こります。過剰歯は圧倒的に上の前歯付近に発生し、尖ったような栓状のものが多いので、上の乳歯が抜けたあとに、変な形の永久歯もどきが出てくるわけです。
この過剰歯はその後の永久歯が押せば自然に抜けるかというと、そうではありません。むしろ過剰歯が邪魔になって、永久歯が出るのが遅くなったり、変な方向に出てくることが多いので、永久歯の降りてくる状況をみながら、タイミングよく過剰歯を抜くことで、元来の永久歯がよい場所に出れるよう誘導できます。生え変わりの問題へのこのような対処を、業界では「咬合誘導」とか「萌出誘導」とか呼んでいます。

 
4歳でなぜか上の前歯がグラグラしているんです、という患者さん。過剰歯の可能性もお話してX線撮影したら、乳歯と永久歯との間にやはり原因の過剰歯がありました。

7歳、乳歯の後ろ側から永久歯が出てきましたと来院。永久歯と思われる歯の形が変なので調べてみたら、これも過剰歯でした。
お二人とも、現時点では永久歯の出具合への影響はないようです。

 

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歯の生え変わりの問題 その2

2006-09-21 | 歯並び、矯正の話

先日のブログで書いたように、永久歯が見えていて乳歯と生え変わりにくい場合は、そのうちどうにかなりますので、相対的には大きな問題にはなりません。
ところが、例えば左側は結構前に生え変わったのに、右側の対応する乳歯が全然グラグラもしていないという場合は、ちょっと気にしてください。むし歯がないキレイな乳歯でも、生え変わり時期が半年くらい左右差がある場合は珍しくありません。それ以上差がある場合、何か起こっていることがあります。例えば、上の前歯付近に余計な歯(過剰歯)が存在する場合があって、その影響で本来出てくるべき永久歯の方向がズレて、生え変わりにくいことがあります。
他の原因でも、永久歯の方向が悪くなっていると、乳歯の根を押して、溶かして出てくるという自然の過程が邪魔されるわけです。発見が遅くなると、外科的に開いて矯正装置でよい方向に引っ張り出すなどというように、処置が大変になることがありますので、早期発見そしてタイミング良く処置をして永久歯が出やすいようにすることが大切です。

 この10歳の患者さんは本人の右上2、3番目の乳歯の生え変わりが遅い状況です。

X線で、2番目の永久歯(側切歯)が先天的に無いこと、3番目の永久歯(犬歯)が傾いて、1番目の歯(中切歯)の根に当たって、根を若干溶かしていることがわかりました。 永久歯の根ですから、結構まずい状況です。逆に2、3番目の乳歯の根は、ほとんど溶けずに残っています。

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地どり屋「隆勝」にて同窓会広報の集まり

2006-09-20 | おすすめの店

九州大学歯学部同窓会というのがあって、会員は全卒業生ですから1800人位の規模です。私はここ7年くらい広報の仕事をしているのですが、主たる役割は年3回の広報誌の企画および発行です。各号の企画を始めて発行までに2か月半位かかります。各号のスタートの時点で広報委員が集まって、コンテンツを話し合うのですが、スタート時は食事をしながらというのが恒例になっています。
ここのところ委員会でよく利用しているのが、大名1丁目の地鶏や、隆勝(りゅうしょう)です。昨日は地鶏の炭火焼がメインだったのですが、このメニューはたれ焼きか塩焼きが選べます。お値段も手頃で(大名ですから基本的には安い)、飲み放題でも+1000円とのこと。場所は、以前のブログで紹介している、ボンジュールとエッジの間です。
10名の委員が集まって、表紙の写真やデザインも含め種々の報告やトピックの原稿担当を決めていきます。結構以前から、シリーズで「ちょっといい店、いい旅」というコーナーをやっているのですが、今回はこの「隆勝」を記事にしようということで、お店の許可を得ました。ではいくつか写真を・・・ということで私のデジカメで撮影した次第です。

私は実はチキンは不得手なのですが、地鶏はいいですね~。理由は肉としての主張があるから。

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キシリトールガムと食育

2006-09-19 | 食のこと
最近、「食育」という言葉が目についたり、よく耳にしたりしますよね。某、子育て&教育雑誌で食育が特集されていたので読んでみました。そのなかに、こどもの気になる食べ方に対して臨床心理士、小児科医、管理栄養士、歯科医が答えているQ&Aコーナーがありました。よく噛まないとか、堅いものがだめという類の質問に対して、歯科医が答えているのですが、よく噛まないことに対して、キシリトール成分50%以上含むガムを1日に3~4枚、1枚を10分ほど噛むことを奨めていました。あえてキシリトールガムというのはむし歯予防になるという観点からのようですが、どうも私としては???です。
ガムは噛みなさいと言わなくても勝手に噛みますが、それが、通常の食事でいい意味での効果があるのかな~? 食形態、食感、硬さなどによって噛みかたや処理の仕方は異なるわけですから、事はそんなに簡単ではないように思います。ただし、矯正治療の後に、噛み合わせを安定させるためにガムを噛むことを奨める場合はあります。
摂食や嚥下障害の分野でも、あまりガムというのは出て来ませんし、キシリトールのむし歯予防効果は100%のものを1日5回以上といわれていますので・・・。
実際にガムでよい効果が出ていれば、ガムとむし歯予防効果の問題はさておいて、患者さんからの相談にもアドバイス出来ます。私の勉強不足かも知れませんので、実際の事例やデータなどがありましたら教えて下さい。
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JICA歯学教育コースの無事終了に乾杯

2006-09-16 | 国際交流

九州大学歯学部がJICA(国際協力機構)の協力のもと行ってきた5か月の歯学教育コースも昨日で終了でした。九州大学歯学部同窓会を代表して、閉講式と送別会に出席してきました。今年は、なぜか歓迎会と送別会両方で、乾杯の音頭を依頼されてしまいました。
国際交流、国際貢献というと、お金や物資を補助するような面も多々あると思いますが、少なくとも歯科では物を送っても一時的なもので、うまく使いこなしたり、機械であれば修理やメンテができる必要があります。やはり、人材育成であり、このコースのように日本に来ていただくのも良いのですが、私達から出かけて行って現地の人たちの人材育成を図ったり、モチベーションを与えるような教育を行うことです。現地にキーパーソンが育ち、できるだけ自力で種々プロジェクトが企画運営されれば理想です。彼ら自身はこの5か月で、自分自身の成長のみでなく、自国の歯科をベターにするためのパブリックマインドとモチベーションが芽生えたのだろうか?(ちょっとカタカナ英語過ぎですか?) 経済的問題がどの国でも大きいでしょうが、頑張って欲しいなと思いました。

この中に1名日本人がいます。それが私です。自分もただのアジア人のひとりという気がします。

 

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油山ウォーク

2006-09-15 | できごと

大名校区子ども会育成会で油山市民の森(福岡市城南区)にてウォークラリーとバーベキューを企画していますので、医院が休みの昨日、カメラ片手にコースの下見に行ってみました。最近天候不順ですし、対象が小学生ですので、想定しているコースの足場が大丈夫かな~という心配も若干あったわけです。ウォークラリーは、チェックポイントとか観察ポイントとかを設定して、さらに各ポイントでの問題出題がありますので、このネタ仕入れもしたいと考えていました。
薄曇りでさわやかな日でした。油山市民の森は時々オリエンテーリングも企画しており、9月末にも行うそうで、事務所に内容を尋ねて参考にしようと思って訪ねました。お話を聞いてみると、オリエンテーリングは等高線が引かれたオフィシャルマップをもとに、山中の設定ポイントを順に踏破するスポーツで、設定ポイントへの道が無い場合もあり、結構ハードなものです。ウォークラリーとは大違いだというのが解りました。写真を撮りながら1時間少しコースを廻って油山を後にしました。

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