福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

上の前歯の外傷

2023-06-09 | 歯のけが

乳歯永久歯に関わらず、歯をぶつける外傷は、上の前歯がほとんどです。
永久歯では歯冠が欠けたり折れたりする例がほとんどです。
一部、根の途中まで割れている例もありますが、グラグラしたり抜けたりする例は少ないですね。

   

高校生の患者さんで、歯の先から外側の歯質が剝がれるように欠けて来院しました。
露髄と言って、神経まで至っていましたので、直ちに神経を取る処置をしました。
根が出来ているので、次回で、通常の成人と同様の根管充填をしています。



その後、コンポジットレジンで一応歯の形を回復。
最近はレジンが進歩して、以前のように大量に歯を削って被せモノでなくてもOKです。
神経の処置で内部は少し切削しましたが、欠けた部分の歯はほぼ削っていません。
歯の色がマッチしやすいと言われる新製品を使用しましたが、いくら保険診療と言っても、結果は色調がイマイチ。
いずれかでやり直しかな?



こちらは2歳児の乳歯前歯の外傷。
グラグラや埋まりこむ例がほとんどですが、この患者さんは歯冠歯根破折といって、根まで斜めに折れています(X線は2次元なので分かりにくいですが)ので、稀な例ではあります。
破折の場合、残った乳歯根はしっかりしているので、低年齢での抜歯は、患者さんの負担が大きいと考えます。
また、破折部分が歯肉の中なので、根の治療や修復もままなりません。因みに、永久歯では矯正的に歯を若干引き出しての治療も可です。
当面経過観察せざるを得ませんが、乳歯では良くも悪くも、炎症で自然に根が溶けていくこともあるので要経過観察です。
今後、永久歯が出てくるまでの4年近くは、経過観察してやはり抜歯になるかも知れません。
欠損部は、保隙装置と言って乳歯の入れ歯状の装置を入れるのが原則ではあります。
装置を使えるか否かとか、長期間のマネジメントが必要なことを考えると、生え変わり前までの期間限定で、乳歯のダイレクトブリッジで審美回復する選択もあります。




ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする