出陣の 兜に乗りし トンボかな
馬糞 Bafun
トンボを見るのが好きである。
糸トンボでさえ、シンプルな光を放って、出撃するの
である。
その攻めの美しさを戦国武将は心に留めたのであろう。
武将たちの美意識のすばらしさは、兜飾りに結晶して
いる。
太平洋戦争の空に、
武装のない練習機「赤とんぼ」が出撃していたという。
何もしないではいられなかったのだろう。
その練習機が長崎駅前で撃墜される様を、母が悔しそ
うに話していた。
トンボには、大和魂を感じる。
トンボよ、美しく青きやまとの空を舞い飛ぶがよい。
やまとの国は、万葉歌に秋津島と歌われた。
秋津とはトンボのことである。
トンボのごとき国日本、古代日本人は、列島の姿を見
ていた。
トンボのごとく、やまとの空を自在に飛んでいたに違
いなのだ。
J.D.Subunroco.