【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」:日清食品前バス停付近の会話

2007-09-15 | ★池86系統(東池袋四丁目~渋谷駅)

なに、この「ヤキニク・ウェスタン」って?
違う、違う、「スキヤキ・ウェスタン」。
ああ、「アミヤキ・ウェスタン」ね。
あなた、人をおちょくってるの?
イタリア製の西部劇を「マカロニ・ウェスタン」て言うのは知ってたけどなあ。
それよ、それ。それに引っ掛けて日本製西部劇を「スキヤキ・ウェスタン」て呼んでみたわけ。
しかし、イタリアが「マカロニ・ウェスタン」っていう麺の名前なら、日本は「カップヌードル・ウェスタン」っていう麺の名前にすべきじゃないのか。
じゃあ、日清食品に聞いてみましょうか、ここに本社があるみたいだし。
まあ、目くじらたてるほどのことじゃないか。中身がウェスタンになってればいいんだから。
なってたような、なってなかったような・・・。
えせウェスタンってことを際立たせようと、日本人なのにわざと英語を喋らせてるんだけど、彼らの英語を聞いていると、どうもかくし芸大会を見ているような気分になるのは俺だけ?
タランティーノが出てたけど、なぜか彼のほうがカタコトの日本語を喋ったりしてね。
まあ、タランティーノばりに好き勝手やってみようよ、という映画なんだけど、彼の「デス・プルーフinグラインドハウス」とかに比べると、ハチャメチャぶりが徹底していないというか、妙にまじめな部分があったりして、ちょっと抜けきれていない感じがしたな。
英語を喋らせるとか、壇ノ浦の戦いから百年後とか設定が現実離れしている割りに、撮り方が結構きちんとしているのよね。
やっぱり、タランティーノの映画は、好きで好きでしかたがなくてつくっちゃいましたっていうラフな楽しさがあふれているんだけど、三池崇史の映画はちょっと大向こうの受けを狙ってみましたっていう感じがあって、どっかいい加減になりきれない部分があるんだな。
役者たちも一流がそろっているだけに、B級キャラクターにあるような魅力が足りなかったかな。
俺に言わせりゃ、三流感が足りない。
木村佳乃なんて、ギリギリがんばって腰を振ってるんだけど、やっぱりタランティーノの女たちの品のない色気に比べちゃうとね。
お、女のお前もそう思ったか。
あなたに代わって言ってあげたのよ。
日本映画としちゃあ、日本人だけを使ってよくここまでマカロニ・ウェスタンに迫ったと誉めるべきなのかもしれないけど、タランティーノの映画を観たあとなんて、ちょっとタイミングが悪かったかなあ。
でも、イタリア製西部劇を「マカロニ・ウェスタン」て呼ぶのは日本だけらしいわよ。
昔クリント・イーストウッドが出てたんだろ。
「カップヌードル・ウェスタン」のスタッフやキャストからも、そのうち、イーストウッドのような大監督が出てくることを期待したいわね。
お、「スキヤキ・ウェスタン」じゃなくていいのか?俺の提案を受け入れてくれるってこと?
そういえば、昔はよく、昼をカップヌードルで済まして、浮いたお金でこういう映画を観てたなあって思い出したのよ。
ああ、そんな頃もあったな。つーか、今もときどきそうしてない?
そうしてる。


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日清食品前バス停



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