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La Bamba (3) gracia と細川ガラシャ

2011-12-31 15:30:15 | 名前

  今回は“La Bamba”の歌詞の中の“gracia”である。この語は意味がたくさんある。「行為、恩恵」、「上品さ、優雅さ、気品」、「面白さ、おかしさ」、「冗談、しゃれ、おどけ」、「素質、手腕」などだが、「迷惑なこと、ひどいこと」、「へま、失態」という意味もある。「尊名、芳名」、「神の恩寵」というのもある。文が短いので特定できないが、とりあえず「気品」を選んだ。
 “gracia”を複数形にすると、“gracias”で「ありがとう」の意味になる。この場合の“gracia”の意味は「(あなたの)恩恵」ということだろう。イタリア語の“grazie”も全く同様である。発音は「グラッチェ」ではなく「グラツィエ」となる。フランス語では「ありがとう」は“merci”だが、スペイン語で対応するのは“merced”である。英語では“mercy”である。これも「恩恵」という意味がある。“merced”を複数形にすると“mercedes”で、あのベンツの高級車「メルセデス」である。これは女性の名前にも使われる。単数形の“merced”を姓に持つメジャーリーグの選手もいた。NHKのアナウンサーは「マーセッド」などと馬鹿な読み方をしているが。馬鹿ついでに、岩村選手をアメリカのアナウンサーのまねでもして、「イワミューラ」と言えばよかったのに。
 “gracia”に対応する英語“grace”は女性名としても用いられる。有名なのはグレース・ケリーだろう。また、“Amazing Grace”という歌もあるが、こちらは「(神の)驚くべき恩寵」ということだろう。
 “gracia”は日本にも伝わってきて、やはり女性の洗礼名に使われている。ポルトガル語では“graça”(グラサ)である。一番の有名人は「細川ガラシャ」だろう。ただ、本当は「細川」と呼ばれるのはおかしいらしい。昔は夫婦別姓だったので、「明智ガラシャ」が正しい。それはともかく、なんで“gracia”が「グラシア」ではなく、「ガラシャ」になったかというと、後ろに「ア」の音が続くので、“g”のあとにも「ア」の音が入ったのだろう。


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