スパニッシュ・オデッセイ

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ネイティブ・スピーカーによるスペイン語の誤用(27)-火遊び

2013-10-06 12:21:38 | スペイン語
  久しぶりに、ネイティブ・スピーカーによるスペイン語の誤用について述べる。今回は日本人も苦手とする[f]と[h]の区別である。日本人が「ハ行」の子音と認識する音はスペイン本国では日本語の「ハ行」の子音よりもっと強く聞こえる(発音記号も[h]ではない)が、中南米では日本語の「ハ行」と大体同じと考えていい。
 さて、今回紹介する言葉はどちらも日常会話によく出てくる。ひとつは fuegoで、もうひとつは juegoである。どちらもカナ表記すると「フエゴ」となる。当然、前者は[f]音で、後者は[h]音である。
 fuegoは英語ではfire(火)である。fuegoと語源的に関連のある英単語にはfuel(燃料)、focus(焦点)などがある。「燃」も「焦」もどちらも「火」に関係する漢字である。英語で「撃て!」というとき、Fireというが、スペイン語でもFuegoでよい。
もう一方のjuegoは「遊び」という意味だが、「食器のセット」という意味もある。動詞jugarの直説法現在1人称単数の活用形にもなる。動詞としては英語のplayに相当するといっていいだろう。ただ、語源的にjugarに対応する英語はjokeである。スペイン語のjuegoは「遊び一般」をさすのに対し、英語では「口での遊び」、つまり「ジョーク」である。 
 fuegoとjuegoの発音の違いが認識できなくても、文脈でだいたいどちらか判断できるのだが、「火遊び」となると難しい。
今回の例は単なる「火遊び」ではなく、夜空を彩る壮大な「火遊び」、つまり、「花火」である。一般的にはfuegos artificiales(人工の火)という、味もそっけもない言葉であるが、ネイティブ・スピーカーにも「花火」から「遊び」を連想して、juegos artificialesと発音する人もいるようである。


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