A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

狂乱の宴が始まる……

2023-06-30 23:55:07 | ゲームな話
 始まってしまいましたsteamサマーセール。
 先日の日記のとおり、わたくし人形使いは己の生をすべて費やしても消化しきれないほどの積みゲーを抱えているのでsteamのセールはあんまり派手に購入しないように鋼の自制心で己を戒めています。なので安くなったDLCをぽちぽち買うというみみっちいことをしてます。
 しかしそいうのもやはりわびしいものがあるのでなんか買おうと思って購入したのが「Reventure」。
 本作は以前バロッカー同士のあさかわさんに教えてもらった作品で、100種類のエンディングがあるという横スクロールアクションゲーム。
 おっさんゲーマーになるとドット絵のゲームを無条件に購入してしまうんですが、本作のドット絵もなかなか凝ってて好き。しかしドット絵なのを良いことにけっこうグロい描写も。
 本作の重要な要素としては、装備の重さによってジャンプできる高さが違ってくる=行動範囲が制限されるという点。この特徴によって本作には試行錯誤のパズル要素が与えられているのが面白いところ。
 現在すでにエンディングは24種類埋めてますがまだまだいろいろ出来そう。いちおう最終的な目標はヒーローの剣を手に入れて魔王ダークロードをを倒すこととなってはいますが、エンディングが100種類であるのに対して実績が101あるのがかんだか意味深。
 最近はいわゆる大作ばかりやってたので、こういう小粒のゲームをやりたいサイクルに入ってる気がします。まあ小粒のゲームもだいぶ積んでるんですけどね……。
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「ニーアレプリカント」も再プレイ中。

2023-06-29 23:28:32 | ゲームな話
 もう己の生をすべて費やしても消化しきれないほどの積みゲーを抱えているわたくしです。
 そのため梯子プレイはあんまり良くないよなということで、ひとつひとつコンプしていこうと思って現状コンプにもっとも近いゲームだろうということで「ニーアレプリカント」も再プレイしてます。
 現状残っているトロフィーはプラチナトロフィー含めて4つなんですが、現在は「光速ファイター」(15時間以内にクリア)を目指してプレイ中。
 難易度はeasy、イベントはスキップ、クエストは無視で進めてるので、時間がかかる以外はやってればいずれ取れるタイプのトロフィーなので、セーブ枠ひとつ使って進めてます。
 現在洋館に行くところでプレイ時間は3時間半弱。これなら15時間以内という条件は余裕で満たせるでしょう。
 やはり最終的に残りそうなコンプ要素はワード収集かな……。トロフィーには関係ないけど%表示があると100%にしなくては気がすまない病気なんです。
 実はニーアオートマタの方も闘技場全クリアしてないんだよな……。
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「日陰サバイバン」クリアしました!

2023-06-28 20:55:09 | 同人誌感想
 「5クリックごとに1回ネタが入る」「反則探偵さとりと被って酷いことになった」「1時間プレイするだけですべての体力を消耗する」と俺の中で大好評な法廷ダンスバトルゲーム「日陰サバイバン」、ようやくクリアしました!
 入手したのはもうずいぶん前になるんですが、前述のとおり非常に体力を消耗するゲームなのでいのちだいじにプレイしてて、ようやくクリアとなった次第です。
 いやーもうとにかく体力の消耗が激しい。そういった意味では本作はまさに「サバイバル裁判」、つまりサバイバンという意味だったんだよ!! なおサバイバルを強いられるのはプレイヤーです。
 本作はいちおう逆転◯判風の裁判ゲームの体裁をとっておきながらやってることはアストロ球団と同レベルなので一切の常識が存在しません。
 挙げていくとキリがありませんが、一例を上げると「被害者と検事が同一人物」「証拠物件が進化する」「弁護士が突然3人に増える」「裁判官が殺人教唆」「裁判中に弁慶外伝沙の章の話を始める」「そもそも主人公が犯人」「幕間で反省会」などといったように常人が耐えられる内容ではありません。
 特に裁判中の雑談の内容が完全に世間から転げ落ちた類のオタクのそれでなんだか辛くなってきます。個人的には執拗にゼノギアスの話をしようとするのが笑えました。
 また、「法廷ダンスバトル」というジャンル名に違わず、本作では裁判中にも関わらずパッチェさんほかたくさんの東方キャラのLive2Dモーションを無駄に活かしたダンスが見られます。なお1名を除きキャラデザは基本的におまんじゅう。最終章における無駄にパターン豊富なパッチェさんとぐやのダンスバトルは必見だ!
 本作を語るのに欠かせないのがたくさんのゲストキャラ。東方二次創作ではクロスオーバーも多く見られますが、本作にもたくさんの東方以外のキャラが登場します。一例を挙げると「ミキモト(かまいたちの夜)」「犯人、黒の組織の人(名探偵コナン)」「裁判BGMに合わせて踊る人」「フタバスズキリュウ」「成金」などといったように常人が耐えられる内容ではありません。「裁判BGMに合わせて踊る人」ってなに?
 いやーもう楽しかった。本作のコンセプトは「あの頃の同人ゲーム」とのことですが、まさにあの頃のやりたい放題な同人ゲームのノリ……というか、あの頃の「みょふ~会」さんの東方二次創作のノリそのままで実にノスタルジー。
 実にフリーダムで楽しませていただきました。現状、東方二次創作の規模やクオリティは増す一方となっていますが、こうしたいち時代の空気をパッケージングしたとも言える作品は技術の進歩やクオリティとはまた異なったところに価値があると感じます。そもそもこんなゲーム作れるのみょふ~会さんしかいないだろ。
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「アトミックハート」再プレイ中……

2023-06-27 23:00:08 | ゲームな話
 この日記でもかなり不満を垂れ流していた「アトミックハート」なんですが、このたびnew game+が搭載されたということで再プレイを開始。
 こないだ難易度アルマゲドンでの再プレイを初めたばっかりなんですが、まだ序盤だったのでやり直し。このまま初期装備のままアルマゲドンで行くのはかなり辛そうだったしなあ……。
 new game+は序盤のイベントは飛ばしてヴィヴァロフ・コンプレックスへ向かうところから始まるのでスムーズに再プレイに移行できます。
 装備とアップグレードに関しては、最初にノラを見つけた時点でクリア時のものが使えるようになる感じですかね。こういうゲームの高難易度は装備や能力がそろってない序盤がいちばん辛いので、最初から装備や能力を引き継げると非常にありがたい。
 しかしながら、new game+はおそらく難易度アルマゲドン固定っぽく、こちらは最初から強力な装備を使えるものの敵の攻撃も強力で、基本的に2発くらうと死ぬ感じ。なので1発目で転ばされて2発目確定で一気に死んだりするのがちょっと理不尽かな。死にやすいのにリトライに時間がかかるという点は改善されていないのでこの辺はやはりストレスですかね。
 とまあけっこう不満は多いんですよね正直なところ。そもそも5年も待たせてるんだからnew game+くらい標準装備しとけよと思わないこともない。実績周りの不備もあったしな……。
 でもやはり世界観はすごくいいので時間をかけて熟成していってくれたらいいなあとは思いますがこっちは5年待ってたんだけど……。(文句タラタラ)
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第20回博麗神社例大祭戦利品レビューその7

2023-06-26 21:55:59 | 同人誌感想
 名華祭新刊も注文せねばなるまい。というか来週もう7月かよ……。
 
・よもやまめあず。 東方マッスルマイルカップ(小豆粥)
 読みながら白米が食べられるレベルの飯テロ力(ぢから)を誇るこのサークルさん、新刊も思わずヨダレが出ると言うか夜中に読めない内容になっております。
 「よもやまめあず。」、「幻想ロマンスホリディ」の番外編もこれで4冊目。今回も舞台は京都。
 のっけからノリノリの紫さまですが、この人は後期高齢者とかそういうレベルではない気がしますが幻想郷って国民皆保険制度が浸透してるのか知らんかった。
 あと隠岐奈さんが相変わらずセクハラ魔神と化してますがなんかモビルアーマー形態のガンダムエピオンみたいになってて笑ってしまった。
 さて今回も怒涛のメニュー。今回は実に12種類のメニューが紹介されておりどれもこれも美味しそう。前述のとおりこのサークルさん描かれるところの料理はとんでもなく美味しそうで、紙面から匂いが漂ってきそう。シメのコーヒーまで描いてるのがさすが。
 しかしまあこれだけ食べればそりゃあ一般人である蓮子のお腹は限界が来るでしょうよ。太田胃散が実にノスタルジー。
 次、「東方マッスルマイルカップ」。
 東方古参サークルはキン肉マンネタを仕込まないといけないルールがあるというのは周知の事実。
 しかもまさかのキン肉マン新作アニメの報が入ったとなればそりゃあ筆も滑ろうというもの。わたくし人形使い、東方二次創作作品でスプリングマンなんて初めて見ました。(ベンキマンは見たことある)
 そして今回もウマ娘からゲストとしてエルコンドルパサーが登場。
 スペイン的なキャラだからか、今回のメニューは珍しくタコス。海外の料理を取り上げたのはこれが初では?
 紫さまの意外な弱点が発覚しましたがそれよりも問題なのは文の問題行動ですよ。ソッチ方面は最近特にうるさいので下手すると発禁になってしまう! 助けて映姫さま!
 
 今日はここまで。
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「グリッドマンワールドin大阪」行ってきました!

2023-06-25 23:59:52 | それさえも平穏な日々
 庵野秀明展もそうでしたが、行こう行こうと思ってるうちに最終日になってしまったのでこりゃやべえということで行ってきました「グリッドマンワールド」。
 こういうイベントは東京のみということも多いものですが、大阪でも開催されることがあるのでとてもありがたい。
 わたくし人形使いはグリッドマンに関しては、放送当時はちょくちょく、「SSSS.GRIDMAN」のときから本格的にハマって見てました。そして「グリッドマンユニバース」をブチくらってどんな事になってしまったかはこのブログを読んでくれてる人ならすでに知るところでしょう。
 そんなグリッドマンシリーズですが、本イベントは数々の貴重な資料を展示している催しとなっています。
 それではイベントの感想を写真を交えて見ていきましょう。
 なお、わたくし人形使いの撮影スキルはヒメマルカツオブシムシ以下なので期待しないように。
 
 
 
 
 入り口はこんな感じ。こういうパネル見るとイベントって感じがしますね。
 
 
 特撮と言えばスーツです。電光超人のものだけでなく、イベントで登場したユニバースファイターのものもあります。こうして実物を見るとやはり迫力があります。あとこれけっこうな重量がありそう。スーツアクターさんはこれ着てアクションしてるのか……。
 
 
 
 立体物は手を出し始めるとそれ自体だけでなく置く場所や飾るケースも必要になり、さらには数ある沼の中でも特に危険度が高いカメラ沼に繋がっていることから考えるととても怖い。あと改めて見てみるとけっこう値が張るよな。ちびっこだったときもこんなに高かったっけか……。
 
 
 いきなりのお宝、「電光超人グリッドマン」の台本やアクセプター、コントローラーなどが展示してあります。そしてこのお宝を激写してるカメラ沼の住人がいました。
 
 
 こちらは親の顔より見たジャンク。
 
 
 
 「SSSS.GRIDMAN」のキャラ設定画。こうやって見るとアカネくんと立花の足の太さの違いよ。そしてキャリバーさんはいつ見てもカッコイイ。
 
 
 怪獣少女アノシラスのパーカー。臭いは嗅いでません。
 
 
 モノがモノだけに立体物が豊富です。しかしまずお値段を気にしてしまうわたくし。
 
 
 アカネくんのパーカー。ネコ耳じゃなくて角なんですよね。
 
 
 A型発狂モノのアカネくんの作業スペース。重要アイテムであるカッターナイフもあるぞ。
 
 
 
 「SSSS。DYNAZENON」のキャラ設定。こうして見るとナイト君にはしっかりアンチ君の面影があるなあ。
 
 
 中の人などいない!
 
 
 怪獣アンチ。このデザインかなり好き。
 
 
 グリッドナイト。この「裏グリッドマン」とも言えるデザインとても好き。
 
 
 
 ユニバース登場のローグカイゼルグリッドナイトとかむちゃくちゃ変形合体だと思ってましたがこうしてちゃんと立体物にできるものなんだなあ……。
 
 
 
 裕六&よもゆめのツーショット。
 
 
 ジュウガのコスチューム。
 
 
 ダイナゼノンのコクピット。夢芽がちょこんと座ってコントローラーいじってるのが好き。なんとかビーム!
 
 
 フィギュアも充実。なんかだんだん「1万ちょっとでこれなら安いよな……」とか思い始めた……危険だ……。
 
 
 今回最強のツーショットと言えるアレクシスさん&カーンデジファー様。
 
 
 
 
 ダイナゼノン、サンダーグリッドマン、キンググリッドマンの揃い踏み。こんな複雑なデザインのスーツよく作るなあ。
 
 
 壁一面に貼られた大量の寄せ書き。まさに愛。
 個人的にツボったのをピックアップしました。
 
 
 シンプル。
 
 
 シンプル。
 
 といった感じで楽しんできましたグリッドマンワールド。いやー楽しかった。
 イベントの規模自体は決して大きなものではありませんでしたが充実の内容でした。いちばん楽しめたのは実は最後の寄せ書きだったかもしれん。
 そういやユニバースは小説版も出てるんだよな。買わねば。
 
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「BATSUGUN」がとても楽しい。

2023-06-24 23:55:45 | STG
 健康のためにプレイしてます「BATSUGUN」、スペシャルモードがなかなか楽しい。
 オリジナルモードはけっこう苦戦してますが、スペシャルモードは自機の当たり判定ほか細かい部分が修正されておりプレイしやすくなっています。
 本作はボンバー+ショットの非常にシンプルな構成で、難しいことは考えずにプレイできるので好き。ボンバーもかなり豊富に手に入るので東亜シューの中ではわりと初心者向きなんじゃないですかね。
 PS4にはたくさんのSTGが移植されてますが、まだまだやり込んでないものがたくさんあるので積極的にプレイしていきたいところ。というかゲーム自体入手とコンプの比率が前者に傾いてるのでどんどんプレイしていきたい。
 そういや来月にはゼロウイング+ヘルファイアーの「ゼロファイアー」が控えているのを今思い出すなどした。
 東亜プラン作品移植はTATSUJIN+達人王の「TATSUJIN王」が確実に来ると思うので備えねば。
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夏コミ原稿進めてます。

2023-06-23 22:40:45 | 小説の書き方
 毎度毎度締め切り前に丘に打ち上げられた魚のようにのたうち回るのは嫌なので少しずつ進めてます夏コミ原稿。
 今回のバロック本は後編に比重が偏ってしまいそうですがそれはもう仕方がないので過去の己を呪いながら作業に励もうと思います。
 作品中に入れたいイベントは確定してるんですが、締め方に一考の余地ありといった感じ。今回の作品はバロック本編から見ると過去になるので行き着くところは決まってるわけですが、その直前をどうするかってところには頭を使わなくては。
 また、未だに過去のマルクト教団の内情が整理できてない気がするのでマクドとかでメモ用紙に書きなぐったりしてますが、はたから見るとかなり危ないのではこの絵面。
 ともあれ、今回の本の中核である「双子の分離手術は12号を助けるためではなくダァバール融合の適合条件を満たす被験者を意図的に作り出すために行われたのではないか」というマイバロックはうまく盛り込んでおきたい。
 こうしたアイデアというか作品の中核となるマイバロックは、書いてる方からするとあからさまなくらいわかりやすく明瞭に盛り込まないと読者に伝わらないと思っていますが、その辺を直接的に説明してしまうようだと面白くない。上手い匂わせ方、ぼやかし方を学びたいものです。
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塚口サンサン劇場「世界の終わりから」見てきました!

2023-06-22 23:50:08 | 映画感想
 さて今日も今日とて行ってきましたサンサン劇場。
 本日見てきたのはこれ!
 
 
 例によってポスターと予告編以上の情報はゼロで、心の妖怪アンテナに反応するものがあったので見てみることに。監督が実写版キャシャーンの監督ということで若干の不安はありましたが……。
 さて感想なんですが、正直特撮やCGはけっこうしょぼく、話の展開も後半はかなりとっちらかってたのであんまり完成度の高い作品とは感じませんでした。しかし好きな方向性の作品ではあります。
 事故で両親を亡くし、さらに唯一の肉親である祖母も失った女子高生・ハナ。心癒されないまま日常を生きる彼女は、いつしか奇妙な夢を見るようになります。それと時を同じくして、ハナの前に政府機関を名乗る男が現れ、ハナは自分が見た夢の内容を教えるように依頼されます。そしてハナは、世界の命運を左右する使命を託されるのですが……。
 本作でもっとも印象的だったのは、無力感と絶望感に打ちひしがれるハナの姿でしょう。前述の通りハナは肉親をすべて亡くし、学校では教師も無関心、生徒からはいじめにあい、唯一の見方と言える幼馴染のタケルともすれ違いがちという孤立無援の状況。前半部分のこの状況がとにかく辛い。
 本作は一見いわゆる終末モノに見えますが、本作で描かれている世界というのはあくまでハナという少女にとっての自分を取り巻く世界ということなんじゃないかと解釈しました。
 つまり本作における「世界の終末」というのは、すなわちハナにとっての世界への絶望なんじゃないでしょうかね。ニュースで報道されるさまざまな事件はハナから見た社会への不信感、そして彼女のもとに現れる大人たちはやはり少女であるハナから見た大人という存在だと感じます。特に顕著なのは政治家や街の群衆。ハナの周囲の大人が彼女に対してどのように接しているかは冒頭ですでに示されており、彼女にとっては大人は頼れる存在ではないというのがわかります。かといって同級生に直接的に彼女を助けられるはずもなく……。
 彼女にとって味方と言えるのは謎の老婆や政府機関を名乗る江崎や佐伯らの男女だけ。これらの大人たちは、老婆:ハナの祖母、佐伯:幼馴染のタケル、佐伯:自分の成長した姿といった形で、いずれもハナの味方に対応している役割のような気がします。
 最初こそ上記の大人たちにも警戒心と猜疑心を持っていたハナですが、彼ら・彼女らが命がけで自分を守ってくれて自分を信じてくれる存在であることを知ることで徐々に心を開いていきます。これはハナが少しずつ自分の周囲の世界にも自分の味方をしてくれる存在があることを認識していく過程なんじゃないでしょうか。
 そしてハナは最終的には世界の破滅は食い止められなかったものの、かつて自分の母親や幼い頃の自分がそうしたように、自身のメッセージを他の誰かに託す=自分を取り巻く社会を信じてみる気になったというラストだと解釈しました。いわば本作は、肉親を失い無関心やいじめといった社会からの外圧に絶望しそうになった=自分の世界が破滅しそうになった、破滅を願うようになったハナが、もう一度社会と世界を信じ直すまでの物語だったのではないかと思います。
 
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塚口サンサン劇場「ミッドサマー完全版」癒やされてきました!

2023-06-21 23:28:34 | 映画感想
 わーい今日はお祭りだー。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 
 
 祝祭
 が
 はじまる
 
 夏至と言えばこの作品。もはやこの日にこの作品を見るのは恒例行事と言えるでしょう。
 日常の喧騒を離れて向かうのは、9日間に渡る白夜のお祭りを行う伝統ある村、ホルガ。
 マヒシュマティ王国になったり大洗になったりシタデルになったりと忙しい塚口サンサン劇場ですが、今回はホルガ村と化しており、白い服に花かんむりを装備した人たちが集まっています。
 そして今回はこんなものももらいました。
 
 
 なんだか不吉な気もしますが、今日はお祭りの日なので多少のことには目をつぶりましょう。
 そもそもこの作品自体、前述した通り日常を離れてお祭りを楽しむという癒やしの映画ですよ?
 楽しいドライブから村人からの歓待、美味しい食事、神秘的な儀式、かわいいクマ、小さな恋の芽生え、アツいダンスバトル、最後にはキャンプファイヤーと充実の内容となっていますよ?
 それに本作はなんといってもビジュアルが美しい。陽が沈まないホルガ村の大自然、建物に描かれた神秘的な絵画、色とりどりの花々などなど、見ているだけで癒やされます。若干赤みが強い場面もあるにはありますがそれも含めてとってもカラフルで癒やされるビジュアルです。
 え? なんか背景がウゾウゾうごめいてる? 定期的にラリってる? 3時間近くずーっと不安を強いられる?
 うっせぇつべこべ言うなお前も祝祭に参加するんだよ!!!(イチイの木から採れた薬を口に突っ込みながら)
 
 いや実際この作品は癒やしの作品だというのはほんとだと思うんですよね。おい目をそらすな俺は正気だ。
 この作品がハッピーエンドだというのは初っ端の絵でいきなりネタバレされてるんですよね。ほーらみんな幸せそう。というかこの絵、最初から最後まで完全に本編のネタバレしてるんだよな。
 そしてこの導入部分の重さと言うか気まずさよ。ダニーの抱えている問題はもはや彼女や彼女のパートナーであるクリスチャンだけでどうにかできるような規模ではなくなっているのに、二人はそれを抱え込んでしまってて関係は破綻寸前。
 ぱっと見ではクリスチャンが相当なクズ野郎に見えますが、クリスチャンもダニーを支えようとはしてるし、ダニー自身も大きな問題を抱えているので完全に彼氏がどうこうできるレベルではなくなってます。まあホルガ村に着いてからはクリスチャンのアレな部分がどんどん出てきてて「あーやっぱりこいつはクズ野郎だな」と思いはしますが、まだ常識の範囲内のクズ野郎だとは思います。
 この作品はなんだかんだで何回か見てるんですが、そもそもダニーの抱えてる問題(彼女自身の特性や家族周辺の問題も含む)が作品スタート時点で非常に大きく、なおかつ適切な対応がなされていないのでいわゆる詰みの状態になってるんですよね。先述の通りそれだけ肥大化した問題には彼女やクリスチャンという個人単位ではとても対応しきれない。
 そこに、友人・ペレによるホルガ村への招待はまさに渡りに船といったところ。日常から切り離された場所での歓待は間違いなくダニーの心の癒やしになるはず……と思いきや、そこでもダニーは疎外感を覚えずにはいられません。このへんの、「あからさまに疎まれてたり直接的に暴力を振るわれたりしているわけじゃないけど、周りから腫れ物扱いされている」描写が見ててとても辛い。
 だからこそダニーがホルガ村に受け入れられていく=取り込まれていくのは間違いなく救いなんですよね。
 前述の通り、ダニーが抱えている問題はもはや個人単位で対処できるものではない。ではどうすればいいかというと、個人でだめなら集団で。つまりコミュニティへの所属なわけです。
 そして本作におけるコミュニティへの所属とは、「個の喪失」にほかなりません。そもそもカルト的なコミュニティにおいては個の喪失は一種のイニシエーションであると言えます。ホルガ村も当然、村人のすべてが村の掟に定められたとおりに生まれ、育ち、そして死んでいくという文化が根づいています。そうしたホルガ村にとっては、自分を主張できず自罰的で周囲に流されがちなダニーはまさにぴったりの人材だったと言えるでしょう。作中でダニーらをホルガ村に連れてきたペレを「人を見る目は完璧だ」と評するシーンがありますが、それってそういう意味だったのかよ……。
 また、この「個の喪失」で印象的なのが村の女性たちがダニーと一緒に一斉に泣き叫ぶという場面。あれ致命的かつ決定的ですよね。本来もっともプライベートで個人的な領域であるはずの「感情」を集団で共有するという。ラストシーンでも同じ描写があります。
 本作においてダニーが抱える問題は、解決したと言うよりコーヒーの中に溶けていく砂糖粒のようにホルガ村というコミュニティの中に溶けて消えていったというのが正しいでしょう。
 ……という展開をやっておきながら、ラストで燃やされる神殿の中で自ら志願して生贄になったはずのホルガ村の男性が悲鳴を上げるというシーンで、これらコミュニティの信仰に一抹の疑問を植え付けて物語を閉じるというこの展開よ。
 「みんなが不安になるといいな☆」とは本作を制作したアリ・アスター監督の言ですが、本作はほんとに最後までバリエーション豊かな不安を煽られる作品でした。でもハッピーエンドで癒やし作品であるということは間違いないと思いますいやマジで。俺は正気だ。
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