積みゲー積み本積み小説と順調に積みを重ねているわたくしです。
年単位でコンプしてないゲームも多いので、オータムセール中なのにこりゃいかんということで今まで長いことプレイしてなかったゲームをプレイしようとしています。
というわけで今回ようやくクリア&コンプしたのは以前steamで購入した「OneShot」。
ずっと前にtwitterでえらく推してる人を見かけて購入したものの、最初の方で詰まってそのままでした。
そんなこんなでプレイ再開したんですが……まあこりゃとんでもないゲームです。
ネタバレ厳禁なゲームなので、今回の日記でも根幹部分には触れずに書いていきましょうかね。
ゲームの形式は謎解きメインの2DRPG。基本はフィールドにあるアイテムを発見、使用、組み合わせをしてギミックを解いていくというもの。
ストーリーは、見覚えのない部屋で目覚めた主人公の猫の少年・二コが、太陽の光を失い闇に包まれようとしている謎の世界で、「救世主」として電球の形をした新しい太陽を世界の中心にあるという高い塔の上に持っていくという使命を課せられる、というもの。
これだけ見れば別になんの変哲もない、よくあるパズルゲームのように思えます。実際、ストーリーや世界観設定を除けば、やってることはオーソドックスなパズルゲームの範疇に収まっています。
しかしこのゲームの特異な点は、主人公である二コは、このゲームをプレイしているプレイヤーを自分に助言をしてくれる「神様」として認識しているという点。
すなわち、本作では、プレイヤーはニコを操作しつつも、彼と二人三脚でこの世界の謎を解いていくことになるわけです。
この「二人三脚」というのがもうほんとにすごいアイデアなんですよね。なにせプレイヤーは「神様」なので、ニコには絶対にできない方法で彼を助けることができるわけです。このギミックが本当に秀逸。
steamのレビューで見かけた言葉なんですが、「メタ構造をアングルとして採用しているゲームはけっこうあるけど、メタ構造をギミックとして採用しているゲームはこれが初めて」という一文がありました。
「メタ視点」って言葉があるように、大抵の場合プレイヤーなり読者なり視聴者なりが実際に作品世界を見ている、いわゆる「第4の壁を超える」という構造を持った作品や演出はたくさんあります。ぱっと思い出せるものとしてはデッドプールの言動、メタルギアソリッドでの「周波数はパッケージに書いてある」、ゲームや映画での血や雨がカメラにかかるという演出などなど。
しかし本作はそこから文字通り一歩踏み込んで、このメタ構造を利用したギミックを謎解きに、そしてストーリーと作品世界の構造の根幹として組み込んでいるんです。
詳しくは伏せますが、この作品はゲーム、さらに言うならパソコン用のゲームでなくては成立しません。
ゲームは昔からインタラクティブメデイアとして取り上げられてきましたが、本作はまさに「インタラクティブメディアとしてのゲーム」の特異点とも言える作品だったと思います。
前述の通り、本作はネタバレ厳禁の作品なので、プレイの際にはぜひとも一切の情報をシャットダウンしてから触れてほしいと思います。またプレイ動画などではなく自分で試行錯誤してプレイしてほしい。本作は「プレイヤーがいること」が非常に重要な要素なのです。
ボリュームとしては小粒なものの、本作は間違いなくあなたに一度きり<One Shot>の驚きと感動を与えてくれるでしょう。