今日で誕生日月である11月が終わってしまうので、今回もなまねこさんを誘って3連続で見てきました。
これで、この1ヶ月でサンサン劇場にて9本、TOHOシネマズ梅田にて1本で1ヶ月で10本映画を見たことになります。
いやーさすがに見すぎたなあと思いますが、まあ1回1000円で見られるとなったらこうもなろう!というものです。
それではまずは「すばらしき映画音楽たち」から。
タイトル通り、古典作品から身近な作品まで、さまざまな映画を彩ってきた音楽についてまとめたドキュメンタリー。
まず衝撃的だったのが、映像との同時録音がされていなかった頃は劇場内で演奏していたということ。
そこから年代をたどりつつ、映画音楽の歴史を学んでいきました。
オーケストラからジャズ、電子音楽へと時代に合わせて変遷していく映画音楽は、まさに「名作の顔」と言ったところでしょう。
ジョーズ、スター・ウォーズ、インディ・ジョーンズなどなど、もう1フレーズ聞いただけで作品名が思い出せるんですよね。
そして驚くべきは、これらの代表的なテーマはごくごくシンプルなフレーズで構成されているということ。
ジョーズのテーマなんかメインはたった2音でできてるんだよな……。
また、本作では作曲家だけでなく研究科もコメントしているんですが、音楽によってたくさんの観客の視線が同じところに誘導されているというのは驚きでした。
このように、本作では有名な映画音楽を紹介するにとどまらず、それらの映画音楽が上映中にどのように機能しているかも学ぶことができました。
改めて映画音楽の魅力と威力を思い知らされた1作でしたね。
次、続けて「ようこそ映画音響の世界へ」。
こちらは音楽ではなく音響、いわゆるサウンドエフェクトについてのドキュメンタリー。
印象的だったのが、音楽の方もそうでしたけど効果音も経営者からは軽視されていたこと。
目立たない縁の下の力持ち的なポジションが報われないのはどのジャンルでも同じだなあ……と思いました。
最初期の映画では、なんと効果音を編集するのにいちいちフィルムを切り貼りしていたのに驚き。
映画の効果音ではしばしば、実際の音を録音するのではなく恐竜の鳴き声のような「架空の音」を作らなくてはいけないわけですが、そうした「架空の音」がどのように作られているのかを学ぶことができました。
また印象的だったのが、「実際の音を使うのが最良の選択肢とは限らない」ということ。
「トップガン」の戦闘機のエンジン音を制作する際、まずは本物の戦闘機のエンジン音を録音したものの、本物は映画で使うには迫力不足だったことから、エンジン音に複数の動物の鳴き声を合成して使用しているとのこと。これは知らなかった。
「現実にあるものをそのままトレースすれば最良のものができる」というのはしばしば起こる誤解ですが、効果音にも同じことが言えるとは思いませんでした。
また、実際の物品を用いてさまざまな効果音を製作している人々を「フォーリー・アーティスト」と呼ぶことも初めて知りました。
ここで驚いたのが、こうした効果音を作る際も、効果音の対象と効果音を作るための物品は必ずしも一致していないということ。
例えば、布がはためく音は当然布をはためかせて作っているかと思えば、ガラスの破片を踏み砕く音は松ぼっくりを砕いて出してたりといった具合。
この辺、効果音一つとっても奥が深いものだなあと感心することしきりです。
上映後は前回と同じくなまねこさんと食事をしながらトークの時間。
最後の1本は、あの「ミッドサマー」の元ネタとも言われるカルト映画「ウィッカーマン」!
なんかもうポスター見ただけでマトモな映画じゃねーなこれオーラがダダ漏れな作品ですが、まあまさにミッドサマーでした。
特徴的だったのは、ミッドサマーが「無知な若者が異様なペイガニズム信仰を持つ村に招き入れられる話」出会ったのに対し、本作も同じく「外部から哀れな犠牲者がそれとは知らずペイガニズム信仰を持つ環境に閉じ込められる」というシチュエーションであるのに加えて、明確に「キリスト教vsペイガニズムの宗教闘争」の構図を持っている点でした。なおキリスト教が一方的に負ける模様。
本作ではなんというか、ミッドサマー以上に「あっこの人たちぜんぜん話通じてない感」が強かったですね。
ラストシーンでのハウイー巡査の叫ぶ詩篇23章のなんと虚しく響くことか。
本作もミッドサマーと同じく開始時点で勝負が決まってた八百長試合なわけですが、ハウイー巡査の信仰を説こうとしたり当初の目的である行方不明の少女を探そうとしたりといった抵抗がすべて空回りになってたあげく、自分の自由意志でノコノコとウィッカーマンの儀式の場まで来てしまうあたり、ミッドサマーに比べて悲劇を通り越して喜劇といった印象。
両者ともによりどころは同じく「強固な信仰」であるのもまた皮肉な感じですね。
3本連続で見終わったあとは、なまねこさんと再度トークの時間。
今回はアニメとゲームの話で盛り上がりました。
やはりなまねこさんはカタギではないと判断したので、ここぞとばかりにおすすめの作品をアピっておきました。
いずれPCを手に入れたあかつきには、steamにて積みゲー地獄に落ちてくれることでしょう……。
というわけで11月は誕生日月サービスのおかげで映画充できました。
そして12月は溜まったポイントでさらに映画充する予定です。