A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「アトミックハート」なんとかクリアしました!

2023-04-30 15:42:43 | ゲームな話
 いろいろ文句を言いながらも、PS4版「アトミックハート」なんとかクリアしました。
 それではさっそく感想を。
 
 うーん……総合的な評価は、「悪い意味での雰囲気ゲー」というのが結論でしょうか。
 つまり、「世界観がビジュアルは非常に魅力的なものの、ゲームとしての粗が非常に目立つ」そしてなおかつ「ゲームとしての粗が世界観やビジュアルの魅力を上回ってる」という。
 エラー落ちやトロフィー周りのバグを差し引いても、根本的なゲームデザイン、特にUI周りが「ゲームとしてのプレイのしにくさ、分かりづらさ」に直結してるのが非常に残念。
 まずはセーブ周り。
 本作はゲーム進行によるオートセーブとセーブポイントによるマニュアルセーブがあるんですが、セーブスロットがないのでセーブを適宜分けることが出来ません。今どきこのタイプのゲームで任意のタイミングでのセーブもできないのはとても不便。
 また、オートセーブのタイミングもけっこう間が空くので、死ぬとかなり前に戻されてしまうポイントが多々あります。特に終盤の橋での戦闘は長丁場になるのにも関わらずミスするとスタート地点のセーブポイントに戻されるのが非常にストレス。
 マップ関連もかなりよくありません。本作は屋内と屋外に分かれていますが、屋内ではマップが一切使えないのでセーブポイントや階段、エレベーターの位置は自分で覚えるしかありません。建物の構造自体はそこまで複雑ではないものの、この手のゲームで屋内でマップが確認できないというのは流石に不便。
 屋外はオープンフィールドとなっており自由に移動できるものの、あるのはセーブポイントや宝箱、後述する監視カメラ制御施設、設計図が手に入る試験場くらいのもので、サブクエストなどは一切なし。しかもマップ画面のアイコンの説明はほぼないしアイコン自体がそもそも少ないし、マップ上のカーソルの動きがやたら遅いしで非常に使いづらい。
 そして本作でもっとも大きなストレスを感じたのがUIまわりの分かりづらさ。シンプルに各種アイコンが何を表しているかが分かりづらい。
 体力ゲージやエネルギーゲージはまあ感覚的に分かるものの、ダッシュの回数のアイコンはしばらくなんなのかわかりませんでした。
 また本作のUIは統一感を出すためか、基本白一色になってるんですが、このせいでUIから情報が読み取れないというあまりにあまりな問題が発生してます。顕著なのが装備スキルで、アイコンの絵が何を表しているのか分かりづらい上にそもそもサイズが小さいので今自分がどのスキルを選択しているのかがぜんぜんわからない。
 また、敵をスキャンすることでその敵の弱点やドロップアイテムなどを確認できるんですが、火属性:赤、凍結属性:青ときてなぜか電撃属性が水色というはっきり言って意味不明なカラーリングとなっており非常に分かりづらい。あと黄色の属性アイコンがあるんですがこれがなんなのかわからないし、そもそも属性アイコンの色の説明もない。メニュー画面のフォント周りもなんだか改行位置がおかしかったり単語が枠からはみ出ててたりと手落ち感が否めません。
 戦闘システムもなんだかちぐはぐな部分が多いんですよね。本作はいわゆるステルスアクションタイプではなく、敵とは正面から戦うタイプのゲームなんですが、だったら背後からのサイレントキルアクションはいらなかったのでは?と思ったり、中ボス「プリュシ」のQTAは戦闘のテンポが悪くなるだけだよなあと思ったり。
 そして個人的に本作でいちばんいらない要素だと思ったのがオープンフィールドなんですよね。
 前述の通り本作のオープンフィールドははっきり言って要素が少なすぎます。やることといえば素材集めと試験場探しくらいのもの。
 しかも、各種試験場の位置はマップで示されているんですが、その中に入るには監視カメラで扉を開けたり別の場所にあるアイテムを探してきたりと非常に手間がかかります。これは完全に余計な要素。はっきり言って本作は素直にバイオショックのようなリニア形式にしたほうがシンプルにまとまってたと思います。
 最悪なのが、みんな言ってる監視カメラですよ。監視カメラに見つかると敵を呼ばれるのは当然なんですが、監視カメラを壊すと今度は監視カメラを修理するドローンが無限に湧いてくるという謎仕様。なので、本作のオープンフィールドでは監視カメラを壊す→ドローン飛んでくる、監視カメラに見つかる→無限湧きする敵増援に押しつぶされるという無限ループの恐怖と常に隣り合わせという状況で移動を行わざるを得ません。
 実は一応監視カメラを無効化する方法はあるんですよね。監視カメラを管理しているコンピューターを使って監視カメラをハック→電源システムが置いてある建物の扉を開ける→過負荷状態にする→一帯の監視カメラが一定時間ダウンというメッチャクチャ面倒くさい方法なんですが。
 この方法自体はストーリー上で誘導されるので1回はやるんですが、はっきり言って文脈的にこれは1回こっきりのイベントとしか読み取れず、まさかこれをほかの地域でもやることになるとは思いませんでした。あまりにも分かりづら過ぎる。
 分かりづらいといえばカートリッジの装備方法も分かりづらい。本作は武器に各種属性を付与するためのカートリッジという装備品があるんですが、自分が1周プレイした限りではこのカートリッジの装備方法についてのチュートリアルは1回もなく、ググってようやくわかりました。
 ……ここまで散々書いてきた通り、なんというかこのゲーム全体的に説明不足が過ぎるんですよね。世界観やビジュアル、そして日本語吹き替えは非常にいいものの、UIをはじめとするゲームシステムは悪い言い方ですがバイオショックの出来損ないとしか言いようがないというのが正直なところです。直感的に理解できないUIって本当に疲れるんだよな……。
 他に不満としては、近接武器の種類が多い割に差別化されてない、凹凸の多い場所でスタックしやすい、パズル多すぎ、ボス戦はファットボーイだけで勝ててしまう、ギミックに関わるスキルがSHOKだけなどなど細かい不満はたくさんありますが、やっぱり「分かりづらいUI」「説明不足なシステム」「不必要なオープンフィールド」が本作の3大不満点ですかね。
 これに加えて頻発するエラー落ち、ストーリー進行で取れるはずのトロフィーが取れないといった不具合があるので、今後のアップデートで本当にどうにかして欲しい。
 あとストーリーも正直いまいちでした。ここでもやはり悪い意味でのバイオショックっぽさを感じましたね。個人的に終盤に差し掛かってからセリフと文書でネタばらしするのはストーリーテリングの典型的な失敗パターンだと思いますし、終わり方もぶつ切りでスッキリしません。
 しかもここにさらに、本作は公式サイトからの予約を開始してから5年近く発売延期されてたっていうマイナス要素が加わるんですよね……。正直なところ公式サイトから予約を募って5年も延期して発売イベントまでやっといてゲーム本体はこの出来なの……?という落胆がなかったといえば大嘘になってしまいます。
 
 あんまり不満点ばっかり挙げるのもアレなので、良かったところも挙げていきましょう。いや実際、いいところはすごくいいんですよこのゲーム。だからこそ惜しいんだよな……。
 まず本作の最大の魅力は何と言ってもその唯一無二の世界観でしょう。「科学技術が異常発達した架空の1950年代のソ連」ってだけで買いですよ。実際それだけで予約したしな。
 そしてその設定は字面だけで終わらず、ゲーム開始のパレードから各種建造物、ロボット、固有名詞、聞き覚えのある人名などなどでいろんなツボをくすぐってくれます。前述のオープンフィールドでの敵の無限湧きがなければもっと落ち着いて1950年代ソ連の豪華かつ歪な建造物や自然を楽しめたのに……。
 本作の世界観がもっとも色濃く出ていたのはマイヤ・プリセツカヤ劇場でしょう。廃墟となった劇場に立ち並ぶバレリーナロボットのあの何とも言えない不気味さと背徳感は本作の世界観でしか味わえないものだと思います。
 各種ガジェットのデザインもいい。近接武器なんかは大量の素材を投入した割にはなんかそのへんの鉄板を針金で棒にくくりつけただけみたいなぞんざいなデザインですがそれがいい。銃器類も無理やりいろんなオプションを取り付けました感が出てて好き。というか「ファットボーイ」が」いくらなんでも直球すぎる。
 メカデザもレトロフューチャー感があってダサカッコイイ。本作のロボット群はすべて表向きは民生用として農作業や医療機関などに用いられているという設定なんですが、なんかもう明らかにガラダK7の親戚みたいなこのデザインで草刈りロボは無理でしょと言いたくなるイカすデザインのロボとかいてとてもいい。個人的にはぽっちゃりボディが魅力のナターシャちゃんが好きですかね。
 本作のロボといえばもはや本作のアイコンともなった双子ロボ・レフト&ライトにも言及せねばなりますまい。出番こそ少ないものの、その長身と抜群のスタイル、そして無貌のフェイスデザインとソッチ方面の癖をお持ちの方にはたまらないデザインとなっております。そしてこのデザインにもちゃんと意味があるのがまたよし。もっと出番欲しかったな……。
 また、豪華声優陣による日本語吹き替えも本作の大きな魅力です。特に女性型ロボットテレシコヴァの場違いに明るく大仰な喋り方、変態ドS冷蔵庫ことノラのヤバい言動は必見です。そして何より本作では、ヴィクトル・サチノフを演じる大塚明夫さんの「うさんくさい大塚明夫ボイス」というレアな大塚ボイスを堪能できます。
 
 ……とまあ、良いところも悪いところもありますが、本作は現状では、結局最終的には、最初に述べた通り「悪い意味での雰囲気ゲー」といった感想です。
 しかし、これまでに述べてきた不満点のいくつかはアップデートによる改善も期待できるので、1回はクリアしたことですしまあ気長に待ちますかね……。これでアップデート来なかったら最悪だけどな……。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月が終わってしまう……

2023-04-29 23:16:04 | それさえも平穏な日々
 この時期になるとゴールデンウィークでテンション上がってたのも昔の話、在宅仕事をするようになってからというもの「休日前にテンションが上がる」という経験が全然なくなってしまいました。
 それどころか、月が終わるときには毎月毎月あれしてないこれ終わらなかったと鬱になってしまいます。特に4の倍数月はもう1年がこれだけ終わってしまった……という絶望感でシナシナに。
 しかもここのところ雨続きでジメジメが加わってて非常にダメ。メンタルが落ち込む落ち込む。しかしそういうときにこそ創作などでうまいことジメジメを排出せねばなるまい。
 ちょこちょこやっていきます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

創作もちょくちょくやってます。

2023-04-28 23:43:25 | それさえも平穏な日々
 各種感想は書いてるものの、創作の方はすっかりご無沙汰になってしまってますのでこれはいかんと一念発起して大熱波ネタを今さら書き始めました。受けるかどうかは知らん。書いてて楽しけりゃ良いんだよ。
 それと同時に、ずーっと前からネタだけ溜め込んでて腐りつつあったネタを少しずつ消化していこうと思い、手始めに人外百合を書き始めるなどしました。
 こういうことをし始めると書きかけの作品が無限に増えて精神的賽の河原の石積み状態になってしまうんですが、感想書きマンとしてだけではなく小説書きマンとしても認知されたいマンなので、まあ書いていきます。あれだめこれだめだと何にもできなくなるからね。
 実は書きかけの小説はけっこう溜め込んでしまっているので、ネタが腐る前にちょいちょい書いていきたいですね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうわけがわからない……

2023-04-27 23:09:01 | 小説の書き方
 何の話かというと最近の寒暖の差の話ですよ。
 もう5月になりそうなこの時期だというのに夜は冬場と変わらないくらいの寒さがぶり返してきて大変です。ここは火星か?
 ここまで1日の寒暖の差が激しい上に気圧も低下しててなんかもう頭痛やらなにやらで体調もガタガタです。
 しかもこないだの日記で書いた通り生活のリズムもガタガタになってるところなので大ピンチ。こないだまではやることリストに書いてたずーっと後回しになってたことをいくつか片付けられていたのに、一気にペースが落ちてしまいました。
 でもまあこういうときに焦ると余計なストレスがかかってしまってよくないので、できることからコツコツとやっていきましょう。さしあたっては大熱波webイベントの準備かな……。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アトミックハート」面白いなあ。

2023-04-26 23:29:43 | 小説の書き方

 

 細かい不満はあるものの、まずは1周ということで進めてますアトミックハート。
 やはり「科学が異常発達した架空の旧ソ連」という唯一無二の世界観はプレイしてて楽しいものです。プレイの方はおそらく中盤くらいまで来たところでしょうか。
 現在地はプリセツカヤ劇場で、本作の世界観の毒ここに極まれりといった感じの雰囲気がたまりません。ロボットのバレリーナが佇む死体だらけの廃墟という構図がそっち方面のリビドーをギュンギュン満たしてくれます。
 トロフィー周りの不具合はまだ修正されてはいないようですが、今のところ明らかに不具合で取れてないトロフィーはストーリー進行で取れるものふたつのみなので、その辺はあまり気にせずプレイすることにしてます。
 しかしやっぱりちょっとゲームとしてツメが甘いところが散見されるのでアップデートで解決してほしいところ。
 まず、手動セーブを導入するか自動セーブポイントをもう少し増やすかして欲しい。場所によってはミスするとかなり戻されることがあるのでリトライのストレスがかなり大きい。
 また、本作は一応オープンワールド形式ではあるんですが今のところあんまりオープンワールドである必然性を感じないんですよね。ステージごとの移動をオープンワールドのフィールドを通して行う形なんですが、基本的に敵が無限湧きするし監視カメラはそこら中にあるしでストレスと冗長感のほうが大きいです。なので、バイオショックみたいに素直にステージごとの移動にしておけばよかったのでは?と思います。この辺のバランスがいまいち中途半端な気がします。
 ともあれ、ゲーム全体としては素直に面白いので今後のアップデートに期待。特にセーブ周りとオープンワールドのフィールドでの敵の無限湧きに関してはどうにかしてほしいところ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第18回東方紅楼夢戦利品レビューその15

2023-04-25 22:46:29 | 同人誌感想
 4月が終わるまでに既読のもののレビューは終わらせときたいなあ。
 
・ムガムビル7(薬味さらい)
 深い考察と重層的なストーリー構成、そしてあとがきで全てが台無しになってしまう作風が魅力的なサークルさん、早くも7冊目の総集編です。
 それでは収録作品ごとに感想を。
・モリヤさま
 「外の世界の早苗」は東方二次創作の古典的なテーマですが、本作は都市伝説的な側面におもいっきり寄せていてゾクゾクします。
 「信仰が薄れることで忘れ去られてしまう」というのはたくさんの東方二次創作で描かれてきたことですが、本作ではこの「忘却」が重要なファクターとして扱われています。そもそも「忘れ去られたものがたどり着く場所」である幻想郷でさらに忘れられてしまうということは、東方の世界観的に「根本的な消滅」を意味する恐ろしい現象なんですよね。
 終盤、忘れ去られて消滅しかかっていた早苗が霊夢の神降ろしの力によって現人神として復活する流れはコンビ感があってとても好き。そしてあとがきの一発芸が完全にシャレになってなくて笑いました。
・マシュマロスミレコ
 実はこのサークルさんの本領はこういうノリなのでは……?
 4歳児枠で参加のレミリアちゃんかわいい。
 ひたすら菫子ちゃんのかわいそうが堪能できました。あとテーマがテーマだけにルーミアの出番が多くて俺によし。
 チーム・ニャンニャンニャンはもはやいるだけで嫌な予感しかしない。
 「これをお食べ」といきなり肝を差し出す正義のヒーローモコタンマンはとても公共の電波に乗せられる類のヒーローではない。
 ……というノリからの、このサークルさんが掲げる大きな東方二次創作のテーマである「食人」を持ってくるこの構成よ。
 ここで「菫子が自分の利己や独善を自覚しており、なおかつ幻想郷では食人行為が妖怪にとっては当然のこととして行われている」というところから照準を外していないという点が実に誠実だと思います。
 個人的にこの作品、以前の作品「カミナレ」に類する作品だと感じました。「カミナレ」では早苗さんがついに人の肉を口にすることで一線を越え現人神となる流れでしたが、本作では「幻想郷に行き来できる外の世界の人間」という外の世界と幻想郷のはざまに位置するポジションである菫子が、一歩幻想郷側に踏み込みつつももう片足は外の世界に置いているという特殊なポジションを確立したように思いました。
・境界ダンサーズ
 東方世界における最重要ワードのひとつである「境界」。このワードをどのように処理するのか。
 とか小難しいことを考えてたら最初の魔理沙ちゃんの寝顔で全てが吹っ飛びました。
 さておき、原作でも「もともとは普通の人間である」と明記されている里乃と舞の二人の言動がだんだんおかしくなってくる下りはなかなかゾクゾクしました。
 本作のタイトルにある「境界」には、いろいろな意味が込められていると思います。例えば、里乃と舞の彼女ら本来の人格と「爾氏田」「丁礼田 」の境界、人間と魔女の境界、外の世界と幻想郷の境界、などなど。
 しかし、本作のメインキャラである魔理沙はもうすでにこうした境界を飛び越える存在として完成しているように思えます。だからこそ勘当されたとは言え自分の実家である霧雨商店に火をつけるという揺さぶりにも動揺することがない。
 タイトルにある「境界ダンサーズ」とは、数々の境界=しがらみにかつては囚われていたものの、今ではそれら境界の上で踊ることすらできる存在となった魔理沙のことなんじゃないかと感じました。複数形なのは気にしないものとする。
・ハクレィ・グレイル
 このシリアスな入りからの怒涛のギャグ展開温度差で風邪引くのでやめてください。
 博霊の巫女の(鼻)血を受けた聖杯という名の産業廃棄物を処理すべく、幻想郷の妖怪を統べる重鎮達が奮闘する!
 というかこのサークルさん描かれるところの咲夜さんやりたい放題すぎる。
 めずらしく霊夢が完全に被害者なお話でした。
 このサークルさんの作品ってギャグで入ってもいつシリアスに路線変更するかわかったもんじゃないんですが、本作は徹頭徹尾ギャグでした。……と見せかけておいてあとがきと次の作品「マスカレイム」を読むと本作もただのギャグではないことがわかります。
・マスカレイム
 これもまた東方二次創作における古典的テーマである「博麗の巫女という役割」を題材にした作品。
 そこに「仮面を被って正体を隠す」仮面舞踏会という要素を持ってくるこの発想よ。
 仮面を被って正体を隠すことで、逆説的に「博霊の巫女」としての役割を「脱ぐ」事ができるというのは皮肉というかなんというか。
 ……というのもつかの間、やはり霊夢は本質的に、どうしようもなく「博麗の巫女」であるというのが明白に示されています。しかしながらそれは果たして一方的に悪いことなのか。「博霊の巫女から博麗の巫女の役割を剥ぎ取るとどうなるか」はすでに作中で示されているわけですし……。
・ヒフウ倶楽部
 このサークルさんの総集編の最大の楽しみがこの描き下ろしですよ。
 あとがきによれば「既刊の内容や配役は総集編になることを一切考えず描いている」とのことですが、ええ~ほんとにござるかぁ~?
 一つ一つの作品の個性が強いというか癖が強いのに、それらを素材としてまとめ上げてさらにひとつの作品にするというのは並大抵のことではないと思います。しかもそれを東方二次創作界隈でもっとも調理の難しく奥深い素材である秘封倶楽部でやるというのはなんかもう魔界と契約でもしてないとできない所業だと思います。それに加えてループものというスタイルを取るというのはもうはっきり言って人間業じゃない。
 このサークルさんの総集編の感想を書くときは毎回言ってますが、既刊の内容をうまくまとめ上げたこの描き下ろしが毎回本当に面白いんですよね。
 ただ単に既刊に登場したキャラや設定を出しているだけではなく、それらの展開を縦糸と横糸を組み合わせて紡ぐタペストリーのごとく紡ぎあげていく……だけではなく、そこから既刊にはなかったオリジナルの展開を進めていくので新鮮な気持ちで読めます。
 タイトルをわざわざカタカナ表記にしているあたりで素直に秘封倶楽部で来るわけ無いと思ってましたが、しかしこの作品は直球の秘封倶楽部作品であるともいえるでしょう。「金髪の魔女」のミスリードにはまんまと引っかかりました。
 そしてこの作品、直球の秘封倶楽部作品であると同時に、霊夢と紫のお話でもあるのがまた素晴らしい。メリー=紫説は神主からは明確な答えは出ていないものの多くの東方二次創作作家が信じている説ですが、それなら霊夢は必然的に……という。
 紫が霊夢に向ける感情は果たして、親心かそれとも……といった具合に、明確に描かれていない行間を想像させてくれるので無限に楽しめる描き下ろしでした。
 
 今日はここまで。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また生活のリズムがおかしくなってきたぞ……

2023-04-24 23:03:27 | 小説の書き方
 生活のリズムがおかしくなるとメンタルがダメになるのか、メンタルがダメになると生活のリズムがおかしくなるのか。
 それはさておき、また最近生活のリズムがおかしくなってきました。やれやれ。
 せっかく朝起きて夜寝るリズムが整ってきたのでなるべく早い段階で立て直したい。
 生活のリズムが乱れると日中に活動ができなくなり、その分を夜に取り返さざるを得なくなって夜更かし、夜不快するとさらに日中に活動ができなくなるという悪循環にハマるので立て直しが難しいということはわかっているので、夜更かしせずにさっさと寝て朝はすっぱり起きるというのが何より大切。
 とはいえ、根本的な問題はそもそも在宅仕事だから生活のリズムが乱れると自分の力だけで立て直さなくてはいけないという部分なんですよね。
 正直、在宅ライターとしての仕事は自分に向いてはいるものの収入があまりにも不安定すぎるので、将来的にはともかく現状を改善するためにはいったん障害者枠でパートでもやったほうが生活基盤が安定するだろうなーというのはあります。
 しかし同時に源氏あのメンタルの安定が、人間関係を最低限に抑えていることによるものであることも明らかなのでかなり迷うところではあります。いやもう経済的には相当厳しい状況ではありますが、はっきり言って他人と関わりたくないので在宅仕事でやってかないとメンタルが保てなさそう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ニーアレプリカント」もやってます。

2023-04-23 23:22:13 | ゲームな話
 「アトミックハート」、ゲームプレイだけでなくトロフィー関連にも不具合があるようなので、それならいっそアップデートで修正されるまで後回しにして他のゲームをしようかなということでプレイしてます「ニーアレプリカント」。
 発売日に買ったのにまだコンプしてなかったんですよねこのゲーム……。
 現在Bエンドまで見てCルートを攻略中。
 「ニーアオートマタ」と同じくEエンドでセーブデータ消えると思うんですが、いちおうクエストなどのやりこみ要素はほどほどに進めてます。どうやら周回をまたぐとクエストの進行状況がリセットされてしまうようなので、クエストも進めておかないと二度手間になってしまう様子。
 ちなみに「ニーアオートマタ」はEエンド直前までで取れるトロフィーは全部取得した上でセーブデータ消してまるまる2周しました。
 問題は「ニーアレプリカント」の方は、「オートマタ」みたいにチャプターセレクトで少年期からやり直せるかどうかなんですよね。周回プレイだと青年期からのスタートになるし。まあそのへんはゲームを進めていけば分かることだし、やっていきましょう。
 そういやニーアシリーズはドラッグオンドラグーンシリーズと繋がってて、さらにドラッグオンドラグーンシリーズはどうもカオスレギオンシリーズとも繋がってるらしいんだよな。……掘るか、ブックオフのPS2コーナー。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アトミックハート」面白いんだけど……

2023-04-22 23:12:01 | ゲームな話
 無事DLできた「アトミックハート」ですが、しばらく進めたところでなんだかエラー落ちが増えてきてしましました。
 しかもコンティニュー時の読み込みでエラーが出るので、一回死ぬとゲーム再起動→ゲーム読み込みで再プレイに5分くらい時間がかかるのでリトライのストレスがかなり大きくなってしまいます。それにけっこう難易度が高いゲームなので、プレイ自体のストレスが大きくなってきてあんまりよろしくない状態です。
 これならアップデートを待って他のゲームを先に進めたほうが良いのかもしれませんが、やっぱり面白いんですよねこのゲーム。全体の出来が良いだけに字幕とかのちょっとしたところの詰めの甘さが目立つのが残念なところ。
 でもまあ最低あと1回はプレイする予定なので、1周目は普通にプレイしてクリアしましょうかね。トロフィー周りにも不具合があるようなのでアップデートには時間がかかりそうだし……。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TOHOシネマズ梅田「グリッドマンユニバース」見てきました!

2023-04-21 23:24:44 | 映画感想
 面白い映画は何回見ても面白い。
 というわけで2回目見てきました「グリッドマンユニバース」。
 
 
 抱けーーーーーっ!! 抱けぇーーーーーっ!!!!
 何回見ても買い出しのシーンでは気ぶり爺になってしまいます。このシーンの「六花は直接的なことは何も言わないけど絵だけで裕太からの告白を必死に促してる」感、素晴らしい。フィクションにおいて「空気感を伝える」って並大抵のことじゃないと思います。
 いやー面白いですグリッドマンユニバース。前回の感想で書いた通り、単純にお祭り映画としても面白いだけでなく、作品としての質が非常に高いです。
 セリフによらない空気感といえば、ラストの六花に告白するシーン。校舎の外へ向かう裕太の背中だけを映したシーンで、裕太が明らかに緊張してるのが分かるんですよね。こういうのを顔を直接映さずに、さらに言うなら顔に次いで表情が出る手も映さずに表現してるのが本当にすごいと思います。
 上記の空気感の演出はもちろんのこと、会話劇も非常に質が高いと思います。「SSSS.GRIDMAN」のときからそうでしたが、自然体に大きく寄せた独特の会話のテンポが会話劇としての側面のクオリティを大きく向上させているのがわかります。特に六花の後ろで話してる蓬と夢芽の会話の自然さというか、「TVシリーズで告白を済ませて付き合うようになってから、十分に関係を深めている二人」感のある会話なんかはもう見てるだけで白面の者になってしまいます。ナンデ……ワレハ……アアジャナイ……。
 そこからのバトルシーンが徹底的におもいっきりコッテコテなロボットプロレスに振り切ってるのがまたいいんですよね。いわゆる勇者系ロボの流れを汲む合体変形バンクは、明らかに意図して「おもちゃっぽさ」を残してるように感じます。
 また、本作はロボや怪獣の動きが決して重さや巨大さを失わないものになっているのがさすがの円谷といった感じ。個人的な感覚として、あんまりキャラが素早く動きすぎると重量感や巨大感が失われてしまいがちな気がするんですが、本作ではカメラアングルや周辺の瓦礫の吹っ飛びや土煙で重量感と巨大感をしっかり表現してるので、怪獣映画の文法で見られます。また、本作は怪獣やロボが人間と同じ画角に入ってることが多いのもその要因のひとつかも。
 本作はまだまだ見るべきところや考えたいところがあるので、上映期間中にあと何回かは見ておきたいところ。あと小説版も気になる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする