雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

本屋さんのダイアナ

2014-10-04 21:00:00 | 

柚木麻子著"本屋さんのダイアナ"を読みました。
矢島大穴はダイアナと読みます。
名前のことでずっと嫌な思いをしています。
母親は16歳でダイアナを生み、キャバクラで働いて
一人で育ててきました。
ダイアナにティアラと呼ばせています。
ティアラは派手好きです。

小学三年の時に神崎彩子と友達になりました。
父親は編集者で母親は自宅で料理教室を開いています。
落ち着いた家で両親もしっかりとした人たちです。
二人の環境はまったく違います。
お互いに相手のことをうらやましく思っています。

ダイアナは本好きです。
図書館で借りて読みまくっています。
はっとりけいいちが書いた"秘密の森のダイアナ"が
大好きです。
大人になったら本屋さんを開きたいと思っています。

彩子は私立の女子中学を受験する予定です。
試験のことや体調からいらいらしているときにダイアナが
武田君といっしょにいるところを見て誤解し絶交の宣言を
します。
以来10年間二人は言葉をかわすことなく過ごします。

彩子も中学、高校と本を読みます。部活も文芸部です。
ダイアナはみんなに合わせる努力をしてきましたが
友人だと思っていた子たちにひどい目にあわされ
自分のままでいることにし仲間を作りませんでした。

彩子は共学の大学に進みます。
ダイアナは大学へは行かずに本屋で働き始めました。
彩子はサークルの男たちに飲まされ部屋に連れ込まれます。
ただ悔しさだけで彩子は男と付き合い続けます。
ダイアナはPOPを任されるようになります。
彩子の父とはっとりけいいちとは編集者と作家という
関係でした。
けいいちは一冊だけで後は書けなくなりました。
けいいちのサイン会がダイアナの書店で開かれます。

二人の女の子の10年間です。
最初の方は軽薄な感じに描かれているダイアナの母
ですがだんだんと彼女の別の姿が現れてきます。
しかしなんだかちぐはぐな感じがします。
いくらなんでも大穴という漢字を当てることは
ないと思います。
ダイアナは夢に向かって努力中です。
彩子も一旦は落ちた状況から抜け出したようです。
離れていてもお互い忘れられない友達です。
いい本でした。