キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

マイク・タイソンの求めたもの

2017年09月20日 | Weblog
今日はTJLにいいテナーサックスが来るってんで、朝、早めに車でJA湘南に行き、花と無花果、胡瓜、オクラを買ってきて、花を活けてから二宮発10:29の東海道線で横浜に向かった。

大船で根岸線に乗り換えたらサングラスのオジサンに声を掛けられたが誰か分からず怪訝な顔をしていたら、サングラスをはずしてくれて、伊勢佐木町の登良屋にいた職人さんだと分かった。
彼の家が辻堂なので関内からの帰りの根岸線で一緒になったり、辻堂散歩中に車から声を掛けられたりしたことがある。
昨年一杯で店を辞め、家でぶらぶらしていて、今日はたまたま歯医者にゆくとのことで、関内までの車中、近況や店のことなどを話して別れたが、山形の出身で市原の三井造船に就職して出てきて、料理人に転職したとのこと、偶然3度会ったわけで縁の深いかただと思った。
初めて名前を伺ったが五十嵐さんとのこと、きっと近い内にまた会うような気がする。

桜木町で降りて郵便局で切手を買い封書を2通出す。
駅ビルの地下の美濃屋に行ったが店番が席を外していて待っていられないので、母が好きな煎餅を買わずに離れた。

橋本に行き、昼のコースをたのみ燗酒を2本呑んだ。
きちんと作った季節を感じる料理はいいねえ、酒も辛口で1合5勺は入っていて、たっぷり呑んだ。
贅沢な気分を感じる昼飯だった。

TJLはB小澤、P楠本、AS不明、この不明の人が日本で5指に入るASプレイヤーと先週ヴォーカルの福島香織さんが話していた。
ほろ酔い気分もジャズを聴くにはプラスに働いたのかもしれないが、今まで聴いたTJLの中で格段によく、一流プレイヤーの音には色気があって場の雰囲気を一気に変えてしまう。
俺も音感がよければプレイヤーになって女を痺れさせてたのに、チキショー。

伊勢佐木町BOで、ねじめ庄一「荒地の恋」文春文庫 2010年1刷 2015年4刷、「宮沢賢治詩集」岩波文庫 1950年1刷 2008年改版76刷、川端康成「美しさと哀しみと」中公文庫 1973年初版 2009年24刷を買う。
先週は単行本のコーナーを覗いたが、今日は文庫本も眺めた。

「荒地の恋」はこの間読んだ岡崎武志「人生は散歩術」に出てきた本で、ねじめ庄一は読んだことないけど、まさに読めという啓示だろうから購入した。
5年で4冊とは出版不況の中で健闘した小説なんだ。

「宮沢賢治詩集」は持っているかもしれないが、詩集を見ると興奮して買わずにいられないんだな、こういった本は何冊あってもいい。
興味がある若い人にあげればいいんだから。
1950年の初版は私が生まれる前だ、9年前に76刷だから今頃は80刷を超えるスーパーロングセラーだね。

「美しさと哀しみと」は、よく考えたら知っている題名の小説だったので、1973年の初版を高校生の頃に買ったかもしれないが、ざっと筋を追って読んでみたが読んだことのない小説である。
川端康成くらい図太い神経で、女に迫って観察しなけりゃ小説は書けないが「片腕」「眠れる美女」のような傑作をものにすれば女に嫌われても気にすることもないんだろうね。
それでも「伊豆の踊り子」の代々の映画主演女優が挨拶にやって来て、あの目でじっと見つめていたというから大家になることだな、山口百恵を間近で見たかった。

関内から大船経由で藤沢に来てBOを覗くが欲しい本がなく、ジュンク堂書店へ場所を替える。
オルテガ 寺田和夫訳「大衆の反逆」中公クラシックを買う。

相撲に間に合うように帰って来て、最後の6番くらいを観たが、貴景勝がすごかったね。
勝因は図太い神経で横綱に呑まれていなかったことだ。
小腹が空いていたので、蜂蜜ヨーグルトドリンク、ロールケーキを食べながら観た。

相撲が終わり風呂に入り、出てきてくつろいでいたら間もなく晩飯になった。
豚冷シャブと高野豆腐、オールフリー。

母とニュース、「イッピン」沖縄ガラスを観ながら話をする。
この番組は日本国中の優れた物を職人が作っているところを見せながら紹介するが、欲しくなるようなものが沢山ある。
母も好みが同じなので、あれやこれやと言いながら観ている。
作り手の技にかけた情熱と膨大な時間がその品物を使う楽しみを大きくしてくれる。
そういったものに囲まれた生活が豊かな生活なんだろう。

母が寝てから楽しみにしていた「アナザーストーリーズ」マイク・タイソンを観る。
沢尻エリカは気取りが取れてますます壮絶な美しさに近づいてるので、それを観るだけでも価値がある。
だがマイク・タイソンだ、極貧で両親が育児放棄をして母親から虐待され、仲間から虐めを受け、唯一の慰めだった鳩を殺され、殺したやつらを殴り倒した。
更正プログラムのボクシングに熱中し、そこの指導者がプロの指導者カス・ダマトを紹介してくれ才能が開花した。
だが初めて全幅の信頼をおいたカスは世界チャンプになる前にこの世を去った。
彼が作ったサポートチームがタイソンをチャンプまでしたが、カスがいなくなった心の隙間を満たす人物が現れずもがいた。
カネになるのがわかると、カネを目当てのやつらが集まる。
目的はカネだから、女と酒と薬漬にされ心を満たすような面倒くさいものは与えられない、カネにならなくなれば去って行く。
人は無条件に愛された経験がなければ愛することはできない。
人が人でいられるのはそこなんだな。
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