たまたま人間界に生を受けた者は、どうしてもある時点から
「自我意識、自我の芽生え」というものが起きて来るのです。
そして、自分とものとを分けて見るようになるのです。
これはもう、人として止むを得ないことです。
生まれながらにして、おシャカ様のように、「ものを一つに見る」
なんてことは出来ません。
人間世界においては、その「自我の芽生え」というものを
「分別心が出来た」とか「認識が出来るようになり、自他の区別が
はっきりするようになった」といっていますが、それは大変な
間違いなのです。
こういうことから、「何を尊重しなければならないか」ということに
なります。
それは、おシャカ様の教えです。
「もともと、ものは一つであったものを、いつの間にか自我の働きに
よって、自他の区別を作った(立てた)」ということです。
そういうところから迷いが生じたのです。