ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

錦秋十月大歌舞伎

2010-10-22 | お芝居観劇記
最近、歌舞伎も見始めてしまって、毎月のように観に行っています
チケットが高いので、2階や3階からオペラグラスで頑張る観劇。
今回も3回3列16番でした 正面ではあったので、舞台は一応見えましたが

時々は、花道がちゃんと見える1階のいい席で、歌舞伎が見たいなぁ…

愚痴はさておき…
私が行ってきたのは夜の部、「盛綱陣屋」と「どんつく」と「酒屋」
お目当てはもちろん、仁左衛門さまの「盛綱陣屋」です

オペラグラスも駆使して、楽しく観劇しました

どの場面も素晴らしかったですが、
やはり、首実検の場面の表情の変化には圧倒されました

そして、「天晴れ、小四郎」の場面は、子供が腹を切るというやりきれない展開に強く疑問を持ちながらも、
思わずもらい泣きしそうでした…

「褒めてやれ、褒めてやれ」という仁左衛門さんの盛綱の言葉には真実がこもっていて、ぐっと心をつかまれましたし、
可愛い子役の演技は、もはや反則技でしょう 健気で可哀そうで、泣けます

秀太郎さんの微妙は、押さえた演技で、苦悩とおばあちゃんらしい情愛を見せていて、とっても素敵でした

最後の場面、仁左衛門さんと団十郎さんが絵のように決めるシーン、絵面の見得(というのかな?たぶん。)は、
今まで見た(数は少ないですが)歌舞伎のシーンの中でも、一二を争う美しさでした
本当、1階で正面から見たかったなぁ…
(悔しいので、ここの場面の仁左さまの写真を買っちゃいました

さて、お次の「どんつく」は…割と肩の力を抜いて見ました
隣のおばさん二人がちょっと賑やかな人々で、その人たちなんて「どんつく」の最初の頃はずっとしゃべっていました(笑)

そしたら、前列の男性の方がちょっとお怒りで、振り返って睨んでてて それも2回も

でもね、「どんつく」ならいい気がするのです
いつもは、芝居中しゃべられると怒り狂う私ですが、今回は寛大な気持ちで流してました。

その「どんつく」は、三津五郎さんの舞踊ももちろん素敵でしたが、
団十郎さんの大道芸に釘付けでした へたくそなんだもの(笑)
籠に玉を投げ入れるのは、無事成功して、拍手喝采でした

「酒屋」は…最近、渡辺保さんの「江戸演劇史」を読んでいて、
浄瑠璃・義太夫の大事さにやっと気付き始めたので、
イヤホンガイドを切って、義太夫に耳を傾けることをテーマにして見てみました
竹本葵太夫さん、という方は有名な方だと母から聞いていたこともあって。

耳が慣れてくれば、意外と聴きとれるもんだなぁというのが感想(すいません、初歩的で
役者の台詞と呼応しあっていて、劇的で、すごく面白い芸能だなぁと思いました

「酒屋」のお話の方は、ま、今の感覚とは全然違う価値観の下でのお話ですから、感情移入、という訳にはいきませんが、
上方の役者さんたちのしっとりした演技で、いい雰囲気のお芝居でした

最近、ブログをちょこちょこ見ていている福助さんも、お美しく、周りに合わせてしっとりした演技で素敵でした

最後の方にちょろっと出てくる孝太郎さんも素敵
こちらは女舞の芸人ですから、着物も華やかに美しくて、
子供を置いて死に向かう女性の迷う心を品よく見せていて、素敵だなぁっと改めて思いました

という訳で、歌舞伎らしい演目3つ、とっても楽しく見ました
真山青果作品とか、「竜馬がゆく」とか、ちょっと新派っぽい作品より、こういう方が結局好きかもなぁ、と思う今日この頃です


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