ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

こまつ座公演 「闇に咲く花」 感想

2012-05-12 | お芝居観劇記
だいぶ前になりますが、新宿の紀伊國屋サザンシアターで「闇に咲く花」を見てきました

当日、新宿に用事があって、でもかなり時間が余っていたので、どうしようかと思案していたら、
「闇に咲く花」のポスターが目に入って。しかも、それが、たまたま開演時間の15分前

これは、もう、見るしかないと思いまして(笑)、当日券を買ってしまいました。
もう、ほとんど残っていなかったですが、真ん中の通路から数えて2列目、中央ブロックの端の席がゲットでき、
とても見やすかったです

終戦直後の神社「愛敬稲荷」が舞台のこのお芝居、神道とB級戦犯、という重いテーマですから、
見終わった後は、かなり心に応えましたが、一方で、どこか心が洗われるような清らかな話でもあり、
すごく魅力的な作品だなぁと思いました。

最初のころの闇の買い出しの話や、おみくじのくだりなど、笑える場面ももちろんたくさんありましたし
私の周りはお一人様が多かったのですが、皆さんくすくす笑っていました

でも、後半は涙が出てきて。
そして、最後の太鼓の音には怒りというか、むなしさが湧いてきて…そういう胸を突かれる幕切れでした。
忘れることは罪、というフレーズが心に焼き付く作品でした。

ちなみに、私の座っていた列の真ん中辺りに、中嶋しゅうさんがいらしてました
カーテンコールでは一人立ち上がって拍手されていて、すごい目立ってました。
この日の公演は休日の昼公演だったせいか、観劇マナーがすごく悪くて、
ギターの方や、役者さんが可哀相だなぁと思うことが何度かあったので、
その辺も含めて、キャストの皆さんに拍手を送ってあげてたのかなぁ、なんて、思ったりしました。

「旅荘 雁穂の庭」感想

2011-03-06 | お芝居観劇記
知人に誘われて,セメント金魚の公演「旅荘 雁穂の庭」を見てきました

私は,大劇場作品ばかり見ていて,小さいところの作品は,ほとんど見たことがないので,
笹塚ファクトリーという小さな劇場も,演劇ユニットの作品という点でも,いろいろと新鮮でした

さびれた温泉旅館を舞台に,主として従業員たちの会話でストーリーは展開していきます
まあ,話自体は途中から読めるのですが,それでも,最後はほっこり温かい気持ちになって帰れる,
そんな可愛い素敵なお芝居でした

ただし,ところどころに挟まれるギャグが,若干古いので(笑),
若い世代にはちょっときついところはあるかも

私は昭和歌謡好きのおっさんくさい20代なので(笑),
だいたい分かって笑えましたけどね~

あとは,時々皆で歌うシーンがあるのですが,ここが上手い
というのも,このお芝居,レミゼのアンサンブルキャストで見たことがある方が3人も出演されているんです
伊藤俊彦さんと,村井麻友美さんと,赤座浩彦さん。

特に,伊藤俊彦さんは,普通にしゃべっている時もすごくいいお声で
あと,びびっている時の演技も秀逸でした

あと,一緒に見に行った男性陣は,終演後,岡井結花さんが可愛い可愛いと言ってました(笑)

岡井さんは,東宝ミュージカルアカデミーを出たばかりの若い女優さんのようです
確かに,目がぱっちりしていて,整った可愛いお顔に,華奢な体つきで,可愛らしい方だなぁと私も思いました

滑舌も演技も上手だったので,これから,東宝のミュージカルにも出てきてほしいなぁと思ったり
コゼットとか,絶対可愛いと思います

ということで,普段あまり見ないジャンルのお芝居でしたが,すごく楽しかったです

「プライド」&「W~ダブル」

2011-02-27 | お芝居観劇記
ご無沙汰しております
最近,ばたばたしていて,更新が滞ってしまいました

芝居も観に行っていないです…
でも,NHKのおかげで,テレビでは最近も2本,舞台を見ました

これに関連してですが,
NHKが,舞台放映を止める,という話が持ち上がっていて,
私が覗いているブログの方々も怒ってらっしゃいますが,私も,全く同意見です。
NHKだからこそ,視聴率度外視で良質の舞台を
舞台を観に行けない全国の人が見られるように放映し続けて欲しいです

さて,その舞台中継で見た2本というのは,まず新妻聖子さん&笹本玲奈さんの「プライド」

二人の歌を聴きたくて見ていたのですが,やっぱり,見どころはその歌だけでしたね(笑)

話は,もともと原作漫画を途中まで立ち読みしたので,ほぼ知っていて,すごく嫌いな話だったんです

だから,それを大石静さんが脚色されると聞いて,
もう観に行かなくていいや,と判断して,行かなかった訳ですが,
テレビで見ても,やっぱり,う~ん…という感じでしたね

でも,とにかくお二人の歌は素晴らしかったです
二人とも,オペラティックな歌い方も勉強されたそうで,いつもとは一味違う歌声で魅了されました

舞台の構成としては,すごくシンプルな舞台装置で,出演者も4人だけ,ということで,
工夫はされていましたが,やはり,単調になってしまった感は否めなかったです

もう一つは,「W~ダブル」

「プライド」とは対照的に,華やかな舞台装置が印象的で,
その中に「お嬢様奥様」という雰囲気で可愛らしい中越典子さんが座っていると,すごく絵になって
それだけで,第一印象で惹きつけられました

ストーリーは,二転三転するので,飽きさせないですし,出演者も魅力的

まず,橋本さとしさん。
かっこいいけど,胡散臭い,という役が本当にぴったりです(笑)
立ち姿や,視線が,本当にかっこいいですよね

堀内敬子さんも,時にチャーミングなメイドさん,時にふてぶてしい悪女,
と色んな表情をくるくる見せてくれて,とっても魅力的でした

物語の落ちは,ネタばれになってしまうので書きませんが,
お洒落なエンターテイメント小品,という感じで,面白かったです

「坂東玉三郎特別公演」 感想

2011-01-10 | お芝居観劇記
昨日の夜は,「坂東玉三郎特別公演」を観てきました
初めて,玉三郎さんを生で見て,大感激
二等席だったので,かなり距離はありましたが,双眼鏡を駆使し(笑),堪能しました

テレビで,今「阿古屋」ができるのは,玉三郎さんだけ,と聞いて以来,
「阿古屋」がかかったら絶対行くと心に決めていたので,
公演が決まるとすぐに母に頼み込んで,買ってもらったチケット。

その「阿古屋」は期待に違わず,素晴らしかったです
和楽器はさっぱり分からないので,感覚的な感想でしかありませんが,
でも,あの胡弓はすごかったです

お琴も三味線も,あくまで阿古屋という役として演奏していて,しかも素晴らしい技巧

あと,私はピアノを弾くので,共通するかなぁと思うのですが,
曲の演奏って,むしろ音の少ない部分の方が,飽きさせずに演奏するのは難しいのです。

なので,音の少ない部分もしっとり聴かせる玉さまは,やっぱりすごいんだろうなぁと思いました。

お姿も,溜息が出るほど美しくて
あんなに重そうな髪と衣装で,楽器の演奏も,決める姿もぴしっと見せて,うっとりでした。

後半の女伊達は,華やいだ雰囲気で楽しかったです

踊りの一つ一つが,しなやかで美しくて,
玉さまの動きから一瞬たりとも,目が離せないと思うのが,
我ながら不思議,と思うくらい,とにかく,引き込まれました

立役で一緒に踊っていた方も,涼やかな二枚目で,かっこよかったので(笑),
本当に美しい舞台でした

最後は,三回もカーテンコール
歌舞伎でカーテンコールって,珍しいですよね
しかも,最後はスタンディングオベーション
話に聞いてはいましたが,9日でもまだこの状態とは。

最後の熱狂的な拍手といい,女伊達の途中の玉さまの口上といい,
お正月の祝祭的な雰囲気を満喫できて,楽しい観劇でした

そうそう,ル・テアトル銀座のホワイエも,繭玉がたくさんぶら下がっていて,お正月気分満載
可愛い獅子舞もホワイエの人たちをおもてなし
チケットは高かったけれど,こういうのも時々はいいなぁと思いました

沼津

2010-12-31 | お芝居観劇記
さっきまで,NHK教育テレビで,今月の南座顔見世興行から,「伊賀越道中双六・沼津」を放送していました
母と二人で鑑賞して,二人して思わず涙
歌舞伎はまったくの初心者ですが,松嶋屋の皆さまのお芝居には心打たれました

実は,沼津は今年の9月に新橋演舞場で観たのですが,全然好きじゃなかったのです。
最後に切腹してまで仇の名前を聞こうとする,というのが現代人の私としては全く受け入れがたくて

それが,今回の松嶋屋三兄弟のお芝居では,
最後の平作の「会いたかった~」という台詞のところで,思わず泣けそうになり…
同じ話なのに,不思議ですね

あと,仁左衛門さん演じる十兵衛が,平作とお米の家を去るところも泣けました
一生懸命,父親と妹の顔に提灯を近づけて,その顔を忘れまいとじっと見る,
その真に迫ったお芝居には涙涙です

容姿も優れて美しく,演技もできて,やっぱり仁左さま素晴らしすぎます

とにかく,母と二人で「沼津」ってこんなに感動する話だったんだね…と語り合いました
これからも,仁左衛門さまと松嶋屋の皆さまのお芝居を見ていかなくてはとの決意を,新たにしたのでした