ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

池井戸潤

2013-11-28 | 
最近、ミュージカルを観に行けず、更新も滞りがちです。
今日は本の話を少し。

話題の半沢直樹の原作者、池井戸潤さん。
私は「空飛ぶタイヤ」で読んで以来、好きな作家の一人です。
空飛ぶ~の他にも、「鉄の骨」「七つの会議」などいくつか読んでいます。
(ちなみに、半沢直樹の原作は未読、ドラマも実は五話までしかみてません(笑))

最近読んだのは「下町ロケット」
これはすごく面白かったです。
空飛ぶ~や鉄の骨はとにかく硬派で、考えさせられて暗くなることもあるのですが、
この下町~はハラハラしながらも、すごく爽快で元気のでるストーリーです。
技術開発のお勉強にもなりますし。

空飛ぶ~や鉄の骨のドラマ化はあまりヒットしませんでしたが、これはドラマ化したら、ヒットするんじゃないかなぁ。
ちょっと見てみたいです♪

追伸
ドラマ化、されてましたー
WOWOWは仕事早いですね(笑)
でも、登場人物少しいじってそうですね。
機会があれば、見てみたいです。

小池真理子「恋」 感想

2013-06-18 | 
これまでも気になってはいた本でしたが、今度ドラマ化されるとのことで今のうちに読んでみることにしました。
今日は感想をしたためてみます!ちなみに若干ネタバレ、若干カラクチです。

あさま山荘事件解決の日に軽井沢で起きた殺人事件、その犯人であった矢野ふみ子が事件に至るまでの物語を語る、というお話。
ふみ子が親しくしていた片瀬夫妻との倒錯した関係が絡み合って、事件に至っているので、この三人の描写を軸に物語が進行するのですが、これが何だか感情移入できなかったです。
もちろん、異常な関係なので、理解不能なのはそれはそれで当然なのかもしれませんが、それにしても引き込まれないというか、白けてしまうというか、、、
もともと、谷崎潤一郎や川端康成の耽美系の話も結構好きなので、そういう話にも抵抗はないのですが、何だか入り込めなかったです。
そう思ってたら、殺人事件の被害者である大久保が最後にふみ子に対して、三人の関係について辛辣な言葉を投げ掛けるのです。
これがいちいちごもっともな話で、それまでいまいち三人の関係に感情移入できなかった私にはすごくしっくり来るのです。
そうすると作家の意図としては、三人の関係をある意味純化した愛や恋として描きたかったのか、それとも大久保のいうようにそんなのは馬鹿げたまやかしに過ぎないと言いたかったのか、どちらなんだろうと思ってしまいました。
いずれにしても成功していない気がするし、読んだあとも腑に落ちない気持ちが残される小説でした。

ちなみに、軽井沢好きには、楽しい小説ではないでしょうか?私は軽井沢には一回くらいしか行ったことがありませんが、軽井沢の雰囲気が味わえてそこはすごくよかったです(^_^)

「王城の護衛者」 司馬遼太郎 感想

2013-03-29 | 
毎週欠かさず「八重の桜」を見ておりますが、一緒に見ていた旦那が進めてくれたのがこの本。
松平容保を描いた表題作「王城の護衛者」他数点の短編を集めた短編集です。

一番面白かったのは、やはり「王城の護衛者」です。
京都守護職になって、帝の信任を得て、蛤御門の変辺りまでは楽しく読めたのですが、
そこから先はご存じのとおり会津藩はつらい歴史をたどるので、最後はかなり切ない感じで終わります(>_<)

司馬遼太郎の短編については、余韻が深く残る、何か心に引っかかるようにして終わる、そんな読後感がある作品が特に好きなのですが、
この「王城の護衛者」はまさにそんな読後感でした。

ストーリーやエピソードは「八重の桜」ともかなり重なるので、読んだあとは、もう一回「八重の桜」を見たくなりました。
綾野剛さんはハマリ役ですしね(^o^)/

他の短編は、大村益二郎を描いた作品や河井継之介を描いた作品など。
「花神」や「峠」の短編バージョン、といった趣のようです。
それから「人斬り以蔵」、この辺りは新潮文庫の短編集とも重なるみたいです。

司馬遼太郎の短編集では「酔って候」や「幕末」なんかも好きなので、また読み返したくなりました♪

「森に眠る魚」  角田光代 感想

2013-03-17 | 
久々に更新してテンプレートを復活させてみたら、クリスマスバージョンのままでした ありゃりゃ。
今回は本の感想のメモです。

角田さんの作品では「対岸の彼女」と「八日目の蝉」が好きなのですが、
この作品も途中までは、それに匹敵するくらい好きな作品でした

4人ないし5人の女性の内面がかわるがわる描かれるのですが、
そのどれもが痛いほどリアルで、誰か一人に感情移入できる場合もあるでしょうし、
私の場合には、それぞれ一部ずつ、ああ、分かるわぁと思う部分があって、
時々ドキリとさせられたりしながら、読み進めました。
そして、心理的にスリリングに展開するので、一気に読ませます。

内容は、簡単に言えば、ママ友たちが出会って、理解し合い、楽しく過ごす幸福な序盤から、
その関係が、主として子供の「お受験」を原因にゆがみ、崩壊していく、という中盤、
そして、最後にはママ友の一人によって、ある事件が起こされる、、、という展開です。

この幸福な序盤、がなかなか爽やかで、ここはここでとてもいい小説なのです。
それだけに、その後が本当に怖い。
モチーフになっているのは、音羽の幼女殺害事件らしいのですが、
リアルタイムであまり注目していなかった私としては、これを読んで逆にググったという感じです。

ただ、途中まで、と先ほど書いたのは、途中を余りにもスリリングに書きすぎた分、収拾がつかなくなった感じがします。
ラストが腑に落ちないというか、何というか。
何だか、読み終わってももやもやが残る小説でした。うむむ。

「風が強く吹いている」 感想

2012-06-24 | 
久しぶりに小説を読みました
遅ればせながら、ちょっと前にだいぶ話題になっていた「風が強く吹いている」です。

私は、毎年箱根駅伝を楽しみにしている人なので、
この小説も、フィクションながら、箱根駅伝の裏話を読むような気分で、
一気に読んでしまいました

とにかく、爽やかな小説です。
そして、最後には、うっかり泣きそうなくらい感動しました
それから、むしょうに箱根駅伝が見たくなります。

難を言うとすれば、清瀬が完璧な監督ぶりを発揮していて、そんな大学生いるかしらん?と思うことと、
一人一人の感情をかなりのページを割いて書いているところがあって、そこが若干冗長になってしまっているかなと思いました。

でも、やはり話題になっただけのことはあります。
素敵な小説でしたー