オリオン村(跡地)

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白い白鷺城 史跡巡り篇 龍野の巻

2016-10-04 00:13:58 | 日本史

 

初日の午後には龍野に、自分にとっては血のルーツの地です。
もっとも住んだことはありませんので子どものころの帰省の際の思い出しかなく、また本格的な史跡巡りはその帰省をしなくなった大学生になってからですので龍野よりは姫路、が正直なところでもあり、冠婚葬祭を除けば20年以上ぶりの里帰りを慌ただしく駆け抜けました。

まず目指すは龍野城跡ですが、その途中にあるのが家老門です。
龍野藩はほぼ脇坂氏が治めていた地で、寛政10年(1798年)の絵図では脇坂久五郎の屋敷地として描かれていますので一門なのか、城門であってもおかしくはない風格です。
たつの市の指定文化財で、保存を図るために平成13年に解体修理がされました。

その家老門を左手に振り向けば、そこには龍野城の隅櫓が鎮座をしています。
左の写真が龍野城の鉄板ビューで、30分ぐらい車が停まっていたのを移動するまでじっと待っての撮影、ちょろちょろしていたのでプレッシャーをかけたかもしれません。
龍野城は赤松氏が山城として築いたのが初めで、しかしその後に破却、龍野藩主として入った脇坂安政が新たに平城として築城をしたものです。

階段を上っていけば高麗門が、そこをくぐって左には山城跡への登り口がありましたが門扉は閉まっていて、案内板には柵の間から出入りしろとありながらも妨げるようにロープが張ってあり、乗り越えようとすれば乗り越えられる状態ではありましたが止めておきました。
そこから右手に行けば櫓門が、その規模からしても、あるいは龍野城の碑があることからしてもこちらが正面なのでしょう。

さらに進んでいけば本丸御殿、脇坂氏の居城としての龍野城は江戸初期に築かれましたので「幕府に遠慮」というありがちな理由からか天守閣はなく、この御殿が藩主の居館です。
先の隅櫓、高麗門、櫓門と同じく再建がされたもので、この龍野城跡には当時の建物は遺されていません。
その奥にはたつの市立龍野歴史文化資料館がありましたが控えめな展示で興味を惹くものはあまりなく、15分ほどで見て回れるほどのものでした。

次なるは小宅寺、脇坂氏の墓所があります。
しかし藩主の多くが京都の妙心寺に眠っていて、ここにあるは9代安宅、10代安斐のみです。
脇坂氏は賎ケ岳の七本槍でもある安治が家祖とも言えますが豊臣政権下では同じく七本槍の加藤清正、福島正則らほどの出世はできず、関ヶ原の合戦では西軍に属しながらも小早川秀秋の裏切りに呼応する形で大谷吉継らに襲いかかった一人であり、その子の安元がそれなりに一族がいながらも徳川譜代の堀田氏から養子を迎えての安政、途中でまた養子に入った安親も堀田氏ですし、早い段階から血の入れ替えがされて脇坂氏としては見る影もありません。
外様小藩としての生き残る道ではあったのでしょうが、血統フリークとして残念至極ではあります。

その堀田氏の血の力なのか、5万石やそこらの小藩で従三位だ正三位だとの官位には驚かされました。
ただ脇坂氏としては従五位の格式だったところが8代安董が老中となったことが理由か従四位に、やはり老中を務めた安宅も従四位、藤堂氏から入った安斐は維新後に子爵に叙されたことでの正三位なのか、いずれにせよやはり破格という感じがしないでもありません。
写真は上段左から安宅、安斐、安之、安善で、安之の右にちろっと写っているのが壽です。
安宅の子の安煕が幼かったことで中継ぎで入ったのが安斐、よって長じた後に安煕が継ぎ、その子が安之、安之の父が壽のようですから安煕=壽であれば写真を撮り損ねたのが痛恨、安善は安之の長男ですが跡を継いだのは研之ですので早世をしたのかもしれません。

龍野の最後は城門巡りです。
解体をされた城の城門が寺院などに払い下げられるケースは少なくなく、ここ龍野でも4寺院の山門として遺されていました。
因念寺は大手門、浄栄寺はすかし門、光遍寺は不明、蓮光寺は錣坂門が移設をされたもので、それぞれ瓦に脇坂氏の家紋である輪違いが刻まれています。
かなり老朽化をしているものもあれば真新しさを感じさせるものもあり、その後のメンテナンスの差なのでしょうが、どちらがよいのか、微妙ではあります。
写真は上から因念寺、浄栄寺、光遍寺、蓮光寺です。


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