鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1768~ホキ美術館図録第3巻

2019-04-22 12:47:25 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ホキ美術館図録第3巻です。

先日ホキ美術館図録の第1巻を鑑賞しました。
収録している作品数の多さや、作品のアップを鑑賞できる工夫によりかなり満足度の高い図録でした。
図録は他にも7巻発行されているので、もう1~2冊鑑賞しようと思い、美術館のHPで紹介されているサブタイトルを参考にして、まずは第3巻を選びました。
サブタイトルは、2011年「存在の美―まなざし・微笑み・憂い」作品カタログ。
カラー84ページ、絵画46点が掲載されています。

第1巻に比べ作品数がかなり少ないけれど、写実絵画で一番好きな人物画ばかりということでそれなりに満足。
見事な作品がずらりと並んでいることは当然ですが、多少なりとも知っている人物が描かれた作品を目にすると見る側に不思議な感覚が起きるという面白い体験をさせてもらいました。
本図録では、保木館長と画家・野田弘志を描いた2作品がそれ。
左が島村信之・作「保木館長」、右が廣戸絵美・作「画家」。
どちらもネットや画集を通してお目にかかっている人物がモデルであり、これまでご本人が発した数々のコメントを目にしてきたため、多少なりともどんな人物かというイメージがあります。
そのイメージに今回優れた写実技術で描かれた人物画が重なり、心にさざ波が立ったのです。
さらにより立体的に見え、動きさえ感じました。
古今東西、肖像画を描かせた人々は作品を前に同様の感覚を味わったことでしょう。
全く知らない人物がいくら写実的に描かれても、その作品から受けるイメージしかないので心にさざ波は立ちません。
このふたつの厳然とした違い。
こんな簡単なことをこの図録で学びました。

その他、特に気に入ったのは次の4作品。
・幼い女の子がヴァイオリンを練習する姿を描いた島村信之の「響き」
・白人女性が全裸でぎゅっと丸まっている姿を描いた野田弘志の「聖なるもの THE-Ⅱ」
・河原の岩の上から魚を待ち伏せするふたりの少年を描いた藤原秀一の「待ちぶせ」
・幼い女の子がしゃがんで川を見つめている風景を描いた岩本行雄の「ブルージュの河原にて」

どれも美術館で現物をじっくり鑑賞したい魅力的な作品です。
妻がよく言う「仕事を辞めないと観に行けないよ」という言葉が重くのしかかります。
確かに・・・。
もうしばらくは図録で楽しむしかなさそうです。
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