鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1552~蛍光鉱物④観察結果

2018-07-30 12:13:52 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、蛍光鉱物④観察結果です。

蛍光鉱物の観察結果を自分の為に記録に残します。
(全部は大変なので、鮮やかに蛍光したもののみ)

①珪亜鉛鉱(ウィレマイト)
 長波紫外線・短波紫外線どちらでも珪亜鉛鉱が鮮やかな緑色の蛍光を発します。
 隣接する方解石(カルサイト)が鮮やかなピンク色の蛍光を発します。
 このコントラストがお気に入りです。
 ガイドブックには3~4色が星のようにきらめく珪亜鉛鉱が載っています。
 その風情は単一色の蛍光よりずっときれいです。
 いつか入手したいものです。

②蛍石(フローライト)
 元祖・蛍光鉱物。
 長波紫外線で実に鮮やかな青色の蛍光を発します。
 苦労して入手した短波紫外線ではそこそこしか青色の蛍光を発しません。

③マンガノサイト
 長波紫外線で実に鮮やかなピンク色の蛍光を発します。 
 これも短波紫外線ではそこそこしか蛍光を発しません。

④方ソーダ石
 長波紫外線で実に鮮やかなオレンジ色の蛍光を発します。 
 短波紫外線ではそこそこしか蛍光を発しません。 

⑤ルビー・コランダム
 長波紫外線で実に鮮やかな赤色の蛍光を発します。 
 短波紫外線ではそこそこしか蛍光を発しません。 

⑥ウェルネル石(柱石)
 長波紫外線で実に鮮やかな黄色の蛍光を発します。 
 短波紫外線では蛍光を発しません。
 石によってはわずかに黄色の蛍光を発します。

⑦ブラウン方解石
 長波紫外線で実に鮮やかな黄色の蛍光を発します。 
 短波紫外線ではそこそこしか蛍光を発しません。 

⑧ジオード<カルセドニ>
 長波紫外線では若草色の蛍光を発します。
 短波紫外線では鮮やかな若草色の蛍光を発します。

⑨ユークリプト石
 長波紫外線では蛍光を発しません。
 短波紫外線では鮮やかな赤色の蛍光を発します。
 
取りあえず鮮やかな蛍光を発する9種類をピックアップしました。
こうして並べると、短波紫外線の方が鮮やかな蛍光を発するのは⑧⑨の2つしかありません。
短波ライトに強く反応する石がこんなに少ないことに唖然としています。
ガイドブックを読み直した方が良さそうです。

これから蛍光鉱物の世界に足を踏み入れようと考えている方に申し上げたいです。
長波ライトだけあればたくさんの蛍光鉱物を楽しむことができます。
無理をして短波ライトを用意する必要はありません。
(本当はこのことを数か月前の自分に教えてあげたい・・・)

「天空の城ラピュタ」に登場する飛行石は架空の石ですが、暗闇の中で自ら光を発する不思議な石が現実にあり、それを簡単に観察できることはとても不思議で楽しい経験です。
ぜひ夏休みにお子さんと一緒に楽しんでいただければ、と思います。
今回は自分のための大雑把な記録ですが、ご参考になれば幸いです。



 
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お気に入りその1551~シャクルトンの絵本

2018-07-27 12:11:16 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、シャクルトンの絵本です。

アーネスト・シャクルトン。
日本ではその名をあまり知られていませんが、イギリスでは知らぬ者がいないほど尊敬を集めている人物です。

20世紀初頭、彼は南極探検に失敗し、南極大陸を目前にした洋上で船を失います。
にもかかわらずその後17か月をかけてチームの28名全員を無事生還させたのです。
まさに奇跡の生還劇。
それは彼の不屈の精神力と絶大なリーダーシップのなせる業でした。
これこそ彼が今なお尊敬され続ける理由です。

先日、彼を主人公にした絵本があることを知り、読むことにしました。
「シャクルトンの大漂流」
ウィリアム・グリルという25歳の青年が色鉛筆で描いた素敵な絵本です。
ただし文字が小さく、フリガナも完備していないので、小学校高学年以上が対象かな。

以前「エンデュアランス号漂流」という本を読み、レンタルDVDも観ましたが、今回の絵本で南極での日々がいかに過酷だったのかを改めて実感することができました。
まず探検行の始まりのシーンに圧倒されました。
「巨大なジグソーパズルのような流氷帯は1000kmも続いていました」という文章が添えられたページには見渡すかぎりの流氷帯の隙間を進むちっぽけな船が描かれています。
こんなところを突き進み、やがて流氷に閉じ込められ、最後は流氷の圧力で船を破壊されました。
こうして広大で荒々しい南極の海からの脱出行が始まりました。
それは読み終えた今でも生還できたことが信じられないほど困難なものでした。

AMAZONの内容紹介に出てくる数字にご注目ください。
=====
十七か月にもおよぶ極限の旅…救命ボートで嵐の海を千数百キロ…極地の山岳地帯を三十六時間で踏破…絶望の淵にあって、決して希望を捨てなかった男たちの物語。
デビュー作にして、ケイト・グリーナウェイ賞史上最年少受賞作!
=====

「十七か月にもおよぶ極限の旅」「救命ボートで嵐の海を千数百キロ」「極地の山岳地帯を三十六時間で踏破」
どれ一つとってもあり得ない数字ばかり。

絵本ではチームがたどった行程がいかに長かったかが丁寧に描かれていました。
読み終えて改めて地図で確認しました。

エンデュアランス号の沈没地点からエレファント島までは830km。
命の綱である装備をかかえて不安定な流氷帯を北上し続け、最後は救命ボートを漕いで島にたどり着きました。
この間だけで5か月もかかっています。

エレファント島からサウスジョージア島までは1290km。
南米大陸と南極大陸の間にあるドレーク海峡は世界で最も荒れる海として有名です。
シャクルトンは救命ボートを改造した上で、選抜した屈強な5人と共に1290km先のサウスジョージ島を目指します。
東京から直線距離でサハリン南端に届くほどの距離。
彼らは極寒の嵐の海をわずか16日間で渡り切りました。

サウスジョージア島のキングハーコン湾に無事上陸した後は、山岳登山経験のある2人とシャクルトンの3人で島を横断してストロムネスの捕鯨基地を目指しました。
その距離60km。
極地の山々を登っては降りてを繰り返し、ほとんど休憩をせずに36時間で無事踏破しました。

捕鯨基地はシャクルトンたち探検隊が出発した地。
彼らはシャクルトン一行を温かく迎え入れた上、即座に救援隊を出してくれました。
その後、シャクルトン率いる救援隊がすべてのメンバーを救出したことは言うまでもありません。

この生還劇は、シャクルトンの冷静な判断と綿密な計画に基づいた脱出プランによるものであるとともに、彼を最後まで信じ、冷静に待ち続けたクルーたちとの絆の勝利でした。
お手本となるべきリーダー像がここにあります。
これでシャクルトンに関する本が大人用から子ども用まで揃ったので、どれか1冊でも読んでいただければと思います。

最後にウイスキー好きとして一言。
シャクルトンがエンデュランス号で遭難する7年前の1907年に、彼が属した南極探検隊が南極に残してきたウイスキーが2007年に発見され、ホワイト&マッカイのマスターブレンダーにより忠実に再現され、レプリカボトルとして限定販売されたことがあります。
発売時に15,000円もした高価なウイスキーは何杯か味わった後、藁に包んで元のレプリカ木箱に戻しました。
シャクルトンについて思いを巡らしつつ、シャクルトンが味わったであろうウイスキーを久しぶりに味わおうと思います。




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お気に入りその1550~蛍光鉱物③サンプル追加

2018-07-25 12:48:10 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、蛍光鉱物③サンプル追加です。

蛍光鉱物を観察するための紫外線ライトが長波・短波ともに揃い、鉱石サンプルの数も増えてきました。
最近はネットオークションの検索キーがそちら側に片寄っています。
2冊目のガイドブックにより同じ鉱物でも産地や個体により蛍光の色合いや明るさなどが違う事を知ってからは、より美しいものを求めて、同じ銘柄を複数集めたりしています。

特に返品騒ぎまで起こした珪亜鉛鉱については執着しました。
先日「蛍光鉱物」という名でヤフオクに出品されていたのを落札しました。
大江理工社というところで販売した、紙ケースにシミがついた、ちょっと古そうな鉱物サンプルです。
中には5種類のサンプルが入っていました。
 ①ホタル石
 ②方解石
 ③灰重石
 ④柱石
 ⑤珪亜鉛鉱

当然⑤の珪亜鉛鉱がお目当て。
フランクリン鉱山で産出した珪亜鉛鉱だということもお目当ての大きな理由です。
到着して早速蛍光具合を確認しました。
まさにこれだー!と心の中でガッツポーズをするほどの輝きっぷりでした。
短波でも長波でもバッチリ緑色に輝いてくれました。

これまでニッカウヰスキーのオールドボトルを収集したり、手彩色銅版画から多色石版までの生物図鑑を収集したりしてきましたが、同銘柄を複数収集することはほとんどありませんでした。
それは製品の個体差が小さかったから。
自然の産物を相手にしてみて初めて、人が作った製品とはまったく違うと知りました。
こんな当たり前のことに新鮮な驚きを感じるものなのですね。

さて蛍光鉱物として収集した石は30個ほどになりました。
あらためて石ごとの蛍光・燐光をなるべく同一条件で観察したいと思います。
そのための暗箱を先日製作しました。
ダンボール箱の内側に黒い布を張り付けた簡単なものですが、部屋を暗くしなくても観察できるようになりました。
仕事、飲み会、読書、晩酌、家族サービスでほぼ目一杯ですが、何とか時間を作って観察を進めたいと思います。
還暦間近のオッサンが背中を丸めて黒い箱の中の小さな石を観察し、ノートに記録する図は傍から見るといかにも怪しいですが、本人はまるで夏休みの自由研究みたいでとても楽しんでいます。




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お気に入りその1549~ヘリコプターたち

2018-07-23 12:45:32 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ヘリコプターたちです。

五味太郎の絵本2冊目です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
生まれた場所を飛び立って以来、孤独な旅を続けてきたヘリコプターが、一人のパートナーにめぐり会う。
独創的な画風と効果的な色彩の五味ワールド。再刊。
=====

本書は1981年に発行され、1997年に別の出版社から復刻されました。
この事実からでも「廃刊は惜しい」という多くの読者の願いが感じられ、名作のニオイがします。

広大な森林の上に広がる大空。
ちっぽけなヘリコプターが1機飛んでいます。
長いこと一人ぼっちで飛び続けていたヘリコプターは、ついにパートナーとめぐり会います。
小さなヘリコプター2機は苦楽を共にし、やがてたくさんのミニヘリコプターたちが誕生します。
ミニヘリコプターたちは徐々に散り散りになり、1機1機の物語が始まることでしょう。

というお話です。
途中、ヘリコプターが体調を壊してパートナーに介抱されたり、2機が協力して巨大なヘリコプターを倒したり、教会で出産したりします。
擬人化した夫婦の物語であり、その子どもたちの明るい未来につながる物語です。
旅の途中、ヘリコプターたちは人影途絶えて久しい廃墟の上空を通過します。
このシーンは何を伝えたかったのでしょうか?
人類が滅んだ後にだって愛の物語があってもいいじゃないか!という著者のメッセージを感じます。

とにかく大空を飛ぶちっぽけなヘリコプターが今も目に焼き付いています。
世の中にポツンと存在する自分自身とつい重ねて見てしまいます。
ヘリコプターはパートナーとめぐり会い、助け合い、未来を切り開き、やがて次代につないでいきます。
妻と出会い、子どもたちと過ごし、彼らが自立していった日々。
そういう普通のことがいかに幸せなことだったかを実感できる、そんな絵本でした。

こういうのは魂に直接響きます。
だからこそ名作なのでしょう。


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お気に入りその1548~蛍光鉱物②短波ライト

2018-07-20 12:15:15 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、蛍光鉱物②短波ライトです。

「天空の城ラピュタ」に登場する“飛行石”を思い起こさせる蛍光鉱物。
2冊になったガイドブックを読みふけり、長波紫外線ライト(ブラックライト)で鉱石サンプルを照らしては蛍光や燐光を楽しんでいます。
前回、ガイドブックにはブラックライト(長波紫外線)よりも短波紫外線に反応する鉱物の方が多く紹介されていると書きました。
短波紫外線ライトは欲しいが、高価な上、目や皮膚に有害なことも気になり手を出せずにいました。
ところが先日、とあるホームページを目にして希望が湧きました。
短波紫外線ライトと10種鉱物のセットが想定の半値ほどで販売されていたのです!
しかも同じ店で「UVカットメガネオーバータイプ」も販売しています。
これは良いものを見つけました。
価格面、安全面、両方の問題を一挙にクリアできます。

 標 本 名  紫外線短波/長波ライト付き蛍光鉱物10点セット
 価  格  ¥13,600

さっそく注文しました。
これで短波ライト、短波用鉱物サンプル、保護メガネのすべてが揃いました!

ライトは長波と短波をスイッチで切り替えることができる優れもの。
長波は先端の電球から、短波は側面の蛍光管から照射される構造です。
試しに付属の標本を照らすとバッチリ蛍光を発しました。
蛍光鉱物の内訳は次の通りです。
 ①ユークリプト石 Eucryptite
 ②フローライト(蛍石) 
 ③タルク(滑石)
 ④マンガノカルサイト(ピンク方解石)
 ⑤ジオード<カルセドニ->(晶洞<玉髄>)
 ⑥ダイオプサイド(透輝石)
 ⑦岩塩
 ⑧ウエルネル石
 ⑨ジプサム(石膏)
 ⑩珪亜鉛鉱
 
何と10番目のサンプルは、先日返品騒ぎを起こしたばかりのフランクリン鉱山産の珪亜鉛鉱。
これからじっくり鑑賞したいと思います。
さらにすでに長波で鑑賞してきた鉱物たちも改めて短波で鑑賞し直すことができるため楽しみ倍増です。


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お気に入りその1547~DESTINY鎌倉ものがたり

2018-07-18 12:25:12 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、DESTINY鎌倉ものがたりです。

映画DVD「DESTINY鎌倉ものがたり」を観ました。
評判が良かったので観ることにしたのですが、まさに評判通りの映画でした。
日本人にしか作れないファンタジー映画であり、心が洗われるような愛の物語を堪能することができました。

AMAZONの内容を引用します。
=====
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子はその生活に驚くばかり。
道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神までも現れるのだ。
亜紀子の理想とはちょっと違うけれど、楽しい新婚生活が始まった。
しかし、そんなある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、愛にあふれた手紙を残して亜紀子の姿が消えていた。
亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった…。
=====

堺雅人と高畑充希という年の離れた夫婦が直面する奇想天外な出来事。
それが起きても不思議でない雰囲気の街、鎌倉。
「千と千尋の神隠し」の世界に似たシーンが随所に登場することは少々気になりましたが、それを可能にするSFXと特殊メイクの高度な技を堪能できたので良しとしましょう。
監督兼脚本家の山崎貴には一気にラストまで連れて行ってくれたことに感謝します。
脇役も実力者ばかり。
堤真一、田中泯、國村隼、薬師丸ひろ子、三浦友和、安藤サクラ、中村玉緒。

ちなみに英語が苦手なため「Destiny」の意味を知らずに本作を観ました。
何度生まれ変わっても夫婦になるほどの固い絆、それこそまさに「運命」。
素敵な題名です。

新婚の娘夫婦にも勧めました。

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お気に入りその1546~蛍光鉱物①ガイドブック2冊目

2018-07-16 12:24:04 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、蛍光鉱物①ガイドブック2冊目です。

今年のマイブームは蛍光鉱物の観察。
「天空の城ラピュタ」の飛行石を思わせる蛍光する石たちの妖しい光に魅了されています。
その入門書である「光る石ガイドブック―蛍光鉱物の不思議な世界」。
何度もページをめくり美しい蛍光鉱物の写真を鑑賞しています。
同じ山川倫央氏の著作に「蛍光鉱物&光る宝石ビジュアルガイド」があります。
同書を先日やっと購入することができました。
その存在は以前から知っていたのですが、すでに絶版になっており、古本にプレミアがついて定価の3000円をはるかに超える8000円ほどで売りに出ていたため、安値が出るのを待っていたのです。
今回4000円弱で売りに出ているのを見つけ、すぐに購入したという次第です。

前著と同じ写真はわずが数枚。
著者のコレクターとしてのこだわりが強く感じられます。
大きな写真を自信たっぷりに次々載せて、簡潔な解説を添えています。
鉱物の特徴と美しさを同時に知ることができるまさにビジュアルガイド。
巻末にアルファベット順で100種類近くの蛍光鉱物を紹介しています。
残念ながらその鉱物が掲載されているページを紹介していないので、横に書き添えました。
これで調べやすくなりました。
その作業で気づいたのはカルサイト(方解石)とフローライト(蛍石)が飛びぬけて多く紹介されていること。
産地により含有する不純物が異なるため、蛍光色も大きく異なるそう。
そんなことを知ってしまったら、この2種類を産地ごとに収集して比較したくなるではありませんか!
ますます深みにはまりそうな今日この頃です。

それにしても2冊のガイドブックに共通していえるのは短波紫外線で蛍光する石の多いことです。
蛍光鉱物に紫外線を照射すると鉱物中の金属原子等(の電子)を励起し、それが元の状態に戻る際に可視光線(蛍光)を発するという原理を考えると、長波紫外線よりエネルギーが大きい短波紫外線に反応する鉱物の方が多いのではないかと推測します。
ああ、短波紫外線ライトが欲しいなあ!
でも高価で買えない・・・。
ライトだけで2万円を超え、サンプル鉱石とセットすると3万円もするのではあきらめるしかありません。
それに短波紫外線は殺菌灯に使われているように取扱いが難しそうなことも気になります。
2冊のガイドブックをながめる度にため息をついています。

ところが先日、新展開が・・・。
続きはいずれまた。
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お気に入りその1545~磯田道史2

2018-07-13 12:28:14 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、磯田道史2です。

磯田道史の「日本史の内幕」で紹介していた「無私の日本人」を読みました。
中編・短篇の伝記小説3篇が収録されています。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
貧しい宿場町の行く末を心底から憂う商人・穀田屋十三郎が同志と出会い、心願成就のためには自らの破産も一家離散も辞さない決意を固めた時、奇跡への道は開かれた。
―無名の、ふつうの江戸人に宿っていた深い哲学と、中根東里、大田垣蓮月ら三人の生きざまを通して「日本人の幸福」を発見した感動の傑作評伝。
=====

冒頭の「穀田屋十三郎」という作品を書くに至った顛末は「日本史の内幕」で紹介していました。
この作品は後に「殿、利息でござる!」という映画になりました。

ある日磯田は、伊達藩が治めていた時代に後世に伝えるべき感動的な話があったという手紙をもらいます。
それは宿場町の人々が1000両を伊達藩に貸し、藩は毎年利息の1割を彼らに支払い続け、町の人々は重税から救われたというものです。
磯田は手紙の主が生涯をかけて集めた古文書などに目を通し、その詳細が明らかになりました。

それは宿場町の中でも比較的裕福な商人たち9人が疲弊した宿場町を救う逆転の一手として行った奇跡の大事業でした。
紆余曲折の後、その事業は軌道に乗り、毎年利息の100両が町の人々に配分され、彼らは重税から解放されました。
町を逃げ出す者はいなくなり、後年の飢饉も乗り切ることができたそうです。
冒頭で9人は自らが路頭に迷う覚悟さえして1000両を作ります。
最初この話を受けた伊達藩は「小賢しい策」と思いこみ相手にしませんでした。
ところがこの話は今は亡き先代から数十年にわたり引き継がれてきた願いであり、神々しいまでに澄んだ心から生まれた無私の願いであることが役人たちにも理解され、ついに願いは成就しました。

無私の心で町を救った9人をたたえた「国恩記」という文書が伝えられています。
ナルホド、このような美しい話は記録に残したくなります。
昔の人は文書として、そして現代では小説や映画として。
すぐに映画の方も観ました。

ラストで、羽生結弦が伊達藩の殿さまを演じていました。
殿さまがこの大事業の中心的役割を果たした造り酒屋をたずね、褒美として酒の名を3つ名付けて帰ったという逸話を再現したシーンで、実に堂々としたセリフ回しと演技でした。
地元宮城県振興のために一肌脱いだ、ということでしょうが、本当に絵になる美青年です。
世界中に女性ファンがいるのは当然でしょう。
さらに「萱場のことは許せ。藩の財政が苦しいのは余に責任があることだ」という彼のセリフ。
これで松田龍平演じる萱場の評価が一変する重要なシーンです。
こんな役割を見事に演じきるとは一流俳優も舌を巻く演技力でした。
あなたが「ゆづファン」かどうかは別にして、映画の見所です。
さて肝心の映画自体の感想はというと、星4といったところ。
何度も観るというほどではありませんが、人に勧めたくなる感動的な映画に仕上がっていることは間違いありません。
私は、山崎努・妻夫木聡・西村雅彦の出演シーンが印象的でした。

さて、原作本に話を戻します。
本書の「あとがき」と「解説」が絶品です。
実に感動的な内容なので、未読の方はそちらから先に読むことをおススメします。

「あとがき」には著者が「地球上のどこよりも、落とした財布がきちんと戻ってくるこの国」を誇りに思っていることや、少子高齢化・人口減少により経済的にどんどん縮小していく日本の未来を危惧していたがGDPの競争より大切なものを無私の日本人たちに教えられたことで心配がなくなったことがつづられています。

また藤原正彦による解説には、惻隠・献身・謙譲という日本人の美しい心を体現した人々がいたことを磯田が古文書から浮かび上がらせたことに賛辞を贈っています。
「お金に頼ることのない幸せ」
「日本人の誇るべき、そして近年忘れられてきた美徳」
「親切でやさしい日本人」
「幕末維新の頃に来日した欧米人は、日本人は貧しい、しかし幸福そうだ、と首をひねった」
と「無私の日本人」を誉めたたえています。
そして磯田が美しく生きた日本人たちをこれからも古文書から蘇らせてくれることへの期待を述べています。
私も同感です。
「縮小ニッポン」の流れはもう止められません。
今こそ経済的な成長が幸福ではないことを私たち日本人は思い出すべきです。
そのためには維新以前の日本人の生き方を今一度学ぶ必要があり、今後の磯田氏の活躍が重要になると思います。



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お気に入りその1544~ウィレマイト

2018-07-11 12:14:04 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回はお気に入りに加えることができなかったモノの紹介です。

先日ウィレマイトという名称で出品されていた蛍光鉱物を注文しました。
その石は蛍光鉱物の世界で最も有名な米国ニュージャージー州のフランクリン鉱山で産出したという触れ込みでネット販売されていました。
白いカルサイト、黒いフランクリナイト、赤茶っぽいウィレマイトが混在する石で、ブラックライトを当てると鮮やかな緑色に発色するという商品紹介でしたので、正確には「珪亜鉛鉱」でしょう。
ワクワクしながら到着を待ちました。
届いて開封すると出てきた石は真っ黒に近く、サンプル写真とのあまりの違いに驚きました。
でも自然石に個体差はつきもの。
せめてブラックライトで見事に蛍光を発してくれれば、と願いましたが、願いもむなしくまったく蛍光を発しません。
置き場所や当てる角度を変えても同じ。
商品紹介とすべて異なるシロモノでした。

購入店に間違った石が届いたのではないかと問い合わせたところ、在庫管理と出荷手続きに間違いはないとのこと。
さらに自然光とブラックライトで撮影した写真2枚を送って確認してもらいましたが回答は同じ。
自然光やブラックライトの下での色彩がサンプル写真と違うのは個体差のせいであり気に食わなければ返品に応じるとのこと。
蛍光鉱物の産地として有名なフランクリン鉱山で産出した石ということですから、少しでも蛍光を発してくれれば手元に残すところですが、無反応ではあきらめて返品するしかありませんでした。

今回は実に残念な結果に終わりました。
目指すは「フランクリン鉱山で産出した珪亜鉛鉱」
次こそ小さくてもばっちり蛍光する石に出会いたいものです。

ちなみに先日、100円ショップで黒い布を買ってきて簡易暗箱を作りました。
ダンボール箱の内側にボンドで張った簡単なものですが、昼間に蛍光鉱物を観察するためにしっかり役立っています。
蛍光鉱物のコレクションを少しずつ増やしていきたいと思います。

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お気に入りその1543~磯田道史

2018-07-09 12:07:06 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、磯田道史です。

地区会館で借りてきた磯田道史の「日本史の内幕」を読みました。
NHKの歴史ものの番組で歴史を語らせたらピカイチの著者。
以前「武士の家計簿」を読んだときはそれほど面白いとは思いませんでしたが、本書は面白過ぎ。
わずか数ページの歴史エッセイが次から次へ。
どれもこれも秀逸なエピソードばかりです。

第一話から徳川埋蔵金の話題で興味を引きます。
磯田が発見した古文書には「小栗上野介は油酒壺に二部金を満たして領地に隠した」と記されているそう。
また「領地の者は小栗が城でも築くのではないかといわれるほどの土木工事をしていた」とも記されているそう。
テレビの埋蔵金探索シリーズに影響を与えそうな新発見です。
ぜひ次こそ埋蔵金を発見して欲しいものです。

また磯田の著作「無私の日本人」の中の一編を原作にした「殿、利息でござる!」という映画に関わる話題で数編書いていますが、それは面白い上、感動もしました。
てっきり阿部サダヲ主演のコメディ映画と思っていたら足元をすくわれました。
どうやら藩の重税に困っている人々を救うため、旦那衆が藩に金を貸し、その利息を人々に配ったという実話が元になっているそうです。
原作本と映画DVDのどちらも用意することにしました。

豊臣秀吉、徳川家康がお参りして大出世を果たした浜松市の小さな神社の話も面白かったです。
おまけに本田宗一郎まで輩出したとあっては、このエッセイを読んで事業の成功を祈る人々が大勢参拝に訪れるようになったというのは当然でしょう。

NHK大河のおかげで井伊直虎が女性だったというのは一般常識になりましたが、実は男性だったという古文書が出てきたという話も面白かったです。

本書にはこのような日本史の内幕に関わるエピソードが次から次へと登場します。
世間にはまだまだ日の目を見ない古文書が溢れていることでしょう。
その内にとんでもない大発見がきっとあるだろう、と思うと楽しみでなりません。

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